
第8回からは研修の内容を
実際に参加する保育士さんと一緒に考えています!
(NOIE QUEST第7回と8回のあいだ~自分で受ける研修を自分でデザインする~)
今日は第9回の実施に向けた打ち合わせを行いました。
とても深い議論が展開され、
さながら一回のワークショップを一緒に体験したようでした。
そして自分一人では考えつかなかったアイディアが生まれました!
記事の内容
自分らしさを認めあうとは?
NOIE QUEST第8回が終盤に差し掛かった時のことでした。
ひとりの保育士さんが
「自分らしさを許したらワガママになりませんか?」
って保護者に尋ねられたらなんて答える??
と疑問に感じていることを持ち出してくれました。
「頭では分かってるの!そうならないって!でも説明できない!」
葛藤がとてもリアルで、かつ切実に見えました。
周囲を見ると他の保育士さんも同感のようで、
天井を見上げたり、床を眺めたり、
それぞれが思案に耽っています。
その様子を見ていて
あっ、これはスルーしないで、
しっかり扱ったほうがいいかもしれない
と感じました。
のいえ保育園の業務が始まったら
ゼッタイに直面する課題だし!
それで、
第9回の研修内容を変更することをその場で決めたのでした。
素晴らしい一言から始まった打ち合わせ!
今回の打ち合わせに参加してくれたのは
こちらのお2人!
何から話そうかなと思い
「自分らしさを認めるって、どういうことだと思うー?」
という軽い質問から会話を始めてみました。
すると間髪を入れずに
「ルールがあってこその自分らしさですよね!」
という回答が力強く返ってきました。
私はこの考えに完全に同意でした。
なぜなら
自分らしさを承認することと
自分勝手な振る舞いを許すことは
似て非なるものだからです。
ただ、
何が自分勝手な振る舞いなのかは、
属するコミュニティや
置かれた状況によって変わります。
そのため共同体を健全に維持するためには
この空間ではどんな意図から
どのような振る舞いが尊重され
どのような振る舞いは敬遠されるのか
皆が知っていて、
かつ納得できる明確なルールが必要です。
そのルールの前では
私は私なんだから何やってもいいでしょ?
という考えは通用しません。
違う言い方をすれば、
自由には責任が伴います。
他者に迷惑をかけない範囲の中で能動的に振る舞うからこそ
個々人の自由が尊重されます。
『自由』という概念はそうした状態があって
初めて力を発揮すると私は思います。
あなたはどう思いますか?
相手を注意する=自分らしさを認めない ではない
ただしここで誤解して欲しくないなと思ったのが
相手を注意するということは
相手の自分らしさを認めない
ということでは必ずしもないということです。
なぜなら、
相手の自分らしさは認めつつ
ルールに反してしまった思考や行動だけを
しっかりと正すコミュニケーションは可能
だからです。
相手を注意するって
相手の存在を全否定すること
と思ってしまっている人も多いと思うのですが
決してそうではありません。
このイメージから人に接すると
相手の自分らしさを認めたいがゆえに
絶対に否定してはいけない
というジレンマに囚われてしまい
身動きができなくなってしまいます。
そしてこの一連の思考は、見た目こそ違いますが
「自分らしさを許したらワガママになりませんか?」
という冒頭の問いの中にも潜んでいます。
質問者が、
自分らしさを認める=不適切な行動も容認すること
と思い込んでいるからこそ
「自分らしさを許したらワガママになりませんか?」
と聞いているわけです。
自分らしさを認めるうえで
それぞれが「やってはいけない」と感じていることは
本当に正しいのか?それとも思い込みなのか?
これをしっかり見極めることは、
園児との関わりにおいて明確な違いが創れそうです!
「ルールがあってこその自分らしさですよね!」
という一言をきっかけにお互いの思考が深まったことはとても楽しく
また、やっぱりワークショップは触発が大切だなと改めて感じた瞬間でした。
新しく加わる保育士さんとのコミュニケーション
こうした会話を経て、
第9回の核となる部分が見えて来ました!
ディスカッションの流れがとても良かったので
更に良いアイディアが出てくるような気がして
何気なく「いま不安なことってなんですか?」
と質問をしてみました。
すると勢いよく
「ぜんぜんない!(笑)」
との回答が返ってきました。
よくよく聞いてみると
新しく入って来る保育士さんに
のいえ保育園の保育とは?
を伝え理解してもらうことには
多少なりとも不安を感じている様子でした。
確かに半年に渡りNOIE QUESTを10回も展開しつつ
朝から晩まで同じ部屋の中で会話を重ねて来た彼女たちが
これから加わるであろう新顔へ
どうやってこの想いや
体験してきたことや
価値観を共有していくか
不安に思うのも不思議ではありません。
そこで、
のいえ保育園だったらこう対応するけど、
他の園だったら違う対応するってことある??
と聞いて見ると、
「たくさんあると思う」
との回答でした。
登園時に泣いている子どもがいたら?
ニンジンを食べられない子がいたら?
など具体的なシーンごとに話しを聞いてみると
- どんな意図で園児と接しているか
- 何が保育士の先生を評価する基準になるか
が他の保育園と比べて特徴的なことが観えました。
他の園では当たり前になっているやり方が
のいえ保育園では推奨されないケースも多々ありそうでした。
ということは
保育園でよくあるシーンを切り出して
のいえ保育園と他の園の違いが現れる箇所を
どんな意図からそう関わっているのか
どんな行動が先生の評価になるのか
などを整理しておくと
新しく入って来る方と混乱なくコミュニケーションできるかも!?
新しく入って来る先生との融合については
第10回(最終回)のNOIE QUESTで扱おうと思っていたのですが
協議した結果、第9回で先取りすることにしました。
理由は
第10回(最終回)で結論がスッキリ見えなかったら
取り返しがつかないから!
だそうです(笑)
確かにーーーー!
私は勝手に
最終回はto be continuedみたいなノリでいこうかな
と妄想を重ねていたのですが、
そりゃスッキリ終わりたいよね(笑)
触発し合いながら作るワークショップは楽しい!
こうした感じで、
終始楽しく打ち合わせをさせていただきました!
また、6回目が終わったあたりから
と感じていたアダムカヘンの
『未来を変えるためにほんとうに必要なこと』英題 POWER AND LOVE
について持ち出させていただき、私の思考が整理されました。
だから引用しようと思ったんだー
とスッキリ腹落ちです。
打ち合わせに参加してくれた2人は
この会話と出来上がったワークショップを気に入ってくれたようで
「内容を話したくてしょうがない様子が伝わってきます!」
との報告をもらっています(笑)
そうやって
自分で作ったもの
自分たちの研修を楽しみに思っていられるって
とってもイイことだなあと感じました。
本番が楽しみです!
NOIE QUESTは続きます。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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