ワークショップ研修で参加者を「迷子」にさせない気配りの要点

ワークショップデザイナーの相内です。

私は仙台を拠点にワークショップの企画運営やファシリテーション、

コーチングなど、人が前進するための場作りを行っています!

ワークショップでファシリテーションをする方は、

参加者の皆さんにどんなワークを行っていただきたいか、

またはワークを通じてどんなことを体験していただきたいかなど、

進行に必要な情報を過不足なく伝達しなければいけませんよね!

私は参加者が混乱なくワークに集中できる場作りと、

参加者が迷子になってしまって崩壊する場作りのどちらも数多く見てきましたが、

その違いはファシリテーターのほんの少しの気配りの差で生まれると考えています。

しかも、特別なことは不要です!

それなら気配りのポイントを理解して、

参加者がワークに集中できる環境を整えるほうが断然いいと思いませんか?

今日は私の体験を踏まえて、参加者に優しい進行についてご紹介します。

目次

ワーク中に迷子になった体験談

私は、先日、とても指示が曖昧なファシリテーターに遭遇しました。

個人で作成したプランを、

2人ペアでブラッシュアップするワークに進んだ時のことです。

ファシリテーターから制限時間が提示されたのですが、

それが1人に使える時間なのか、2人に使える時間なのかがよく分かりませんでした。

とはいえ、質問をできるような空気でもなかったんです。

まあ、きっと途中でアナウンスしてくれるだろうから、

もし2人で使う時間だとしたら然るべきタイミングで教えてくれるだろう。

そう気を取り直してワークに臨んだのですが、

次にファシリテーターが口を開いたのがいつだったと思いますか?

「終了10秒前です」というアナウンスだったんです!

10秒前では何もリカバリーできないので、不親切さにとても驚きました。

時間内でお互いのプランをブラッシュアップすべきだったそうなのですが、

私のペアは片方のプランだけを取り上げて終わってしまいました。

2人の間にはすごく気まずい空気が流れ、一気に参加意欲が減退していきました。

参加者が迷子にならない気配りのポイント

こうした凡ミスを防ぐにはいくつも方法があります。

まず初めに、当たり前ですが、ワークでやっていただきたい内容を端的に伝えることです。

「10分間で2人のプランをそれぞれブラッシュアップしてください!

お互いのプランは1~2分で確認して、ひとり4分ずつ、

どうやったら相手のプランがより良くなりそうかを交互に伝え合ってください!」

こうした導入だったらすぐに理解できますよね。

また、上記で指示した内容を投影資料に記載しておくことも有効です!

私は必ず指示を投影資料に記載するようにしていますが、

・1セッション10分間

・1~2分でお互いのプランを確認

・ひとり4分ずつフィードバック

などのポイントを箇条書きで投影しておくだけで、参加者が迷子にならずにすみます。

議論が盛り上がっていると指示を忘れて進んでしまうことが起こりがちですし、

ペアになった人同士の理解が異なる場合もあります。

そういう時、あなたの解釈は間違っていると思いますよ?

と伝える勇気を持った方はそういませんので、

あ、あそこに書いてありますね!

と言い出せる環境を用意してあげることで安心感がとても増します。

ワーク中の声がけも機能します。

このケースでしたら、

「そろそろ2分経ちましたので、1人目のフィードバックを始めてください」

「残り4分になりましたので、2人目に進んでいないペアはそろそろ切り上げてください!」

と2回ほどアナウンスがあれば十分に事足りたでしょう。

過度な声がけや介入は場を壊しがちなので、

最低限の回数で、端的にアナウンスすることをおススメします!

参加者が疑問を確認しやすい場作り

また、根本的な部分ですが、ファシリテーターをする方が、

「もし私の指示が分かりにくかった場合は、すぐ確認してくださいね!」

と場に宣言しておくこともとても大切なポイントです。

できることならファシリテーター自身が、

(あれ、今の指示は伝わっていないな、場が混乱しているな)

と参加者の様子をつかんで適切に処置できたらいいのですが、毎回そうできるとは限りません。

特に参加者の多くが無気力になってしまっているような状態だと、

何か進行に疑問を感じたとしても、

「適当にやればいいか」という気持ちからやっているフリが生まれ、

はた目には順調にワークが進んでいるように見えることがあります。

そうした時、参加者の誰かが「分からなかったのでもう一度教えてください」

と言い出せるかどうかはすごく大きな分かれ目です。

こちらもおススメ

場の空気をつかみ研修で適切なファシリテーションをするための具体的なチェックポイントとコツ

場作りのワザ

余談ですが、私はファシリテーターをしている時、

わざとすっとぼけた人を演じることがあります。

例えばこんな感じです。

「今から皆さんにやっていただきたいことが3つあります!

1つ目は〇〇、2つ目は△△です!3つ目は・・・・、ええと・・・、忘れました!(笑)」

「A、C、E、Gグループはこちらへ移動してください

B、D・・・とF・・・と、H!?そうH!合ってる!?(笑)」

こうした前振りから参加者の笑いを誘った後で、一言付け加えるんです。

「たまに間違ったことを言っているかもしれないので、何かあったら教えてくださいね!」

「今回みたいに、分かりづらいポイントがあれば遠慮なく言ってくださいね!」と。

うまくハマるとすごく場が和みますし、なんでも持ち出しやすい空間になります!

そして、参加者が親しみを持って私の動向に注目してくれるようになります。

一石二鳥ですね!

ただ、使いどころを間違えると

(あのファシリテーターは頼りないやつだ・・・・)

と思われて信頼を損ねる可能性もありますのでお気をつけください(笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

どのポイントも意識するかしないか、それだけの違いです!

こうしたことに注意を払うだけで参加者の集中力がグーンと増しますので、

ぜひ運営の中で取り入れていただけたらと思います!

「楽しみたかったら準備を最大限に行うこと」

イベントの運営時にはこれを基本に考えておくと損はないです。

ちなみに私自身は、

ワークショップでたくさんのシフトを生み出して欲しいという想いを持っていますが、

もう少し前提に、人の時間を無駄に奪ってはいけないという気持ちがあります。

残念ながら、ワークショップを通じて手ごたえや変化を生み出せなかったこともありますが、

運営者も参加者も全力を尽くしてその結果になったのなら仕方がないと思っています。

違う手段や、時期や、場を見直せば、次につながる可能性が高いからです。

ただ、運営者の配慮不足によって参加者の集中力を削ぎ、

心を開いた活発な議論が生まれず、

開催前よりも状況が悪化してしまうというようなことがあれば、

それは許されることではないと考えています。

なぜなら、

参加してくださった方々の有限な命を、ドブに捨てているのと一緒だからです。

私は、

参加してくださった方がここに来てよかったな、

この瞬間のために命を使ってよかったなぁって、

キラキラ輝きながら帰ってくださる場を創り続けたいと思っています。

相内洋輔

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相内 洋輔

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