WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。仙台を拠点にワークショップの企画運営やファシリテーション、コーチングなど、人が前進するための場作りを行っています!
私はワークショップを企画運営する仕事がら、人前に立って話しをすることがとても多いです。少ないときは10人くらい、多いときは100人を超える人の前で場をリードします。
今日はそんな私が緊張とどう付き合っているかご紹介させていただきます。
人から見られると緊張するという方はたくさんいらっしゃるのではないかと思いますが、簡単なのでぜひ試してみて欲しいです!
人から見られて緊張した時に私がやっているたった1つのこと
私が人から見られてああ緊張するなあと感じた時にやっていることは
たったこれだけです。
人は、他者から見られているということを意識すればするほど緊張感が増します。しかしこの、見られているという状態は自分ではどうすることもできません。
一方で、少し想像してみていただきたいのですが、自分が誰かを見ている時に、どうしようもなく緊張するなあってこと、ありますか?? よほど怖い上司や、片思い中の恋人でもない限り、誰かを見ていてもあまり緊張はしませんよね?
だから自分の意識を変えて、『私が参加者を見ている』ということに焦点を当てるんです。私は見られていると思いながら場に立つのではなく、私が参加者を見ているという事実にフォーカスしながら場に立つ。
私はそのうえで、緊張を消したり、緊張に抗おうとはしません。緊張はあってもいいものと思って場に立っています。そうした方が余計なエネルギーを使わずに、いいパフォーマンスが発揮でき流からです。
緊張とは何か
そもそも緊張とはなんなのでしょう? 辞書で調べてみると、慣れない物事に直面して、心が張り詰めてからだがかたくなることだそうです。
1 心やからだが引き締まること。慣れない物事などに直面して、心が張りつめてからだがかたくなること2 相互の関係が悪くなり、争いの起こりそうな状態であること。デジタル大辞泉より
これを読むだけで緊張してしまいそうですね(笑)
緊張している時の何も考えられない心地悪さや、体を1mmも動かせそうにない感覚、じっとりと汗が浮き出てきたり、脚がカタカタ震えてしまう現象は、できることなら回避したいですよね。
人は緊張するとどうなるのか
人は緊張すると、体の中でこんな反応が起こるそうです。
人は不安や恐怖を感じると、神経伝達物質「ノルアドレナリン」が血液中に多量に分泌され、自律神経のうちの交感神経を刺激します。すると心拍数や血圧、体温などが急上昇します。体温を下げるために汗をかき、筋肉が硬直することにより震えが起きてきます。消化機能が抑えられるため、食欲がなくなったり、お腹が痛くなったりします。
一般社団法人あがり症克服協会 https://agarishow.or.jp/blog/mechanism
まずは脳内で、興奮を伝達する化学物質が作られます。それらが体中のあちこちに作用して様々な反応が起こるんだそうです。体がガタガタ震えてしまうのって臆病者みたいでとってもダサいなあ、とコンプレックスに感じていたのですがどうやら普通の反応みたいですね!
そして、緊張することは決して悪いことだけではないようです。適度な緊張感は人間が持つ能力を最大限に引き出します。
しかし、これらは決して悪いことではありません。体が戦闘体勢に入っているということです。
たとえば、動物は外敵から身を守るために、危険を察知すると周りの動きに集中し、全身を硬直させ、素早い行動ができるよう対応します。この本能がなければ、たちまち命の危険にさらされてしまうのです。人も同じ。人前はある意味「危険が差し迫った状態」ですが、交感神経が優位に立つことで、集中力・身体能力を高め、パフォーマンス向上へとつながります。
交感神経は「昼間の神経」「若返りの神経」とも言われるほどです。私たちの体はとてもよくできています。あがりの症状は、異常でも病気でもなく、ここ一番という場面に遭遇したあなたの心と体を助け、応援してくれているのです。一流のアスリートはこのあたりを上手くコントロールします。【緊張は決して悪いことではない】そして、【適度な緊張感は最大のパフォーマンスを生む】のです。一般社団法人あがり症克服協会 https://agarishow.or.jp/blog/mechanism
でも多くの人は、緊張はよくないものだ、緊張する自分は弱くてだめなやつだ、緊張していては力を最大限に発揮できない、緊張していたから失敗してしまった、などのように
緊張は悪いこと、緊張はあってはいけないこととして扱ってしまっていませんか?
その結果、緊張してはいけない・・・・・、緊張してはいけない・・・・、落ち着け・・・と、かえって自分を緊張させてしまったり!(苦笑)
世界のトップアスリートから学ぶべきこと
これについては平昌オリンピック、男子フィギュアスケートで銀メダルを獲った宇野 昌磨選手のコメントがとても参考になります。宇野選手は五輪の試合前から図太い神経の持ち主であるとか、強心臓であるとか報道されていたので、メダル獲得直後のインタビューで何を語るのか私はとても興味がありました。
そうしたらあるインタビュアーが「宇野選手は初めてのオリンピックでしたがやるべきことをやれたという感覚ですか?」といった主旨の質問をしたんですね。どうも、初めてだから緊張したでしょ?と決めつけたような聞き方でした。
おお、この質問になんて答えるんだろうな。ワクワクして待っていたら、宇野選手はこう答えたんです。
感じたものを何も拒まず、緊張したら緊張したままやろうと思っていました。
この宇野選手のインタビューからは、感情に振り回されず、最大のパフォーマンスを発揮するあり方を感じました。緊張したら、緊張したままでいいんです。無理に緊張を消さないで!
まとめ
人から見られて緊張したら、だまされたと思って『私が見ている』ことに焦点を当ててみてください。
『私が見ている』ことに焦点を当てると、ぼんやりしていた人やモノの輪郭がはっきり見えてくる瞬間があります。そうしたらもう大丈夫!
ぜひこれを読んでくださったあなたにも、こんな感覚を味わってみていただきたいです。
また、緊張はあってもいい、緊張は自分のパフォーマンスを下げるものではないと、心のどこかに留めておいていただきたいです。そうすると今よりもっと、緊張との付き合い方が上手になると思いますよ!
参考になれば幸いです。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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