機能するワークショップを作るための3つの手順!

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。仙台を拠点にワークショップの企画運営やファシリテーション、コーチングなど、人が前進するための場作りを行っています。

私はワークショップについて質問をいただくことが多いのですが、中でも突出しているのが「ワークショップってどうやって作るんですか!?」というご質問です。

確かに、ワークショップを作ったことがない人からすると、どんな流れでワークショップを設計しているか、全く想像がつかないかもしれませんね。

私は「実施目的とゴールを明確にする」「ゴールまでのステップを設計する」「ワークを考える」という手順でワークショップをデザインしています。

ワークショップ作りに興味がある方や、研修を設計されている方など、参考になれば幸いです!

目次

実施目的とゴールを明確にする

まず一番初めに行うことが「実施目的とゴールの確認」です。ワークショップは全体を貫く軸が無いと、カンタンに破綻しますので、この手順は最重要ポイントです!

私の場合はクライアントから依頼をいただいてワークショップを設計する場合が9割なので、丁寧にヒアリングをし、現状や課題、どんな状態を目指したいのか等を細かく確認します。

例があったほうが分かりやすいと思うのですが、ちょうど先日、なかなか自分のアイディアを実行できない若者に向けてワークショップをして欲しいというオーダーをいただきましたので、こちらを例にします。

なかなか自分のアイディアを実行できない若者へのワークショップ、という情報だけだと、何をすべきなのかが曖昧ですよね。

そこで状況を詳しく聞いてみると、そもそもアイディアを出すのが得意ではない若者が多いという課題が見えてきました。また、運良くアイディアを生み出せたとしても、行動に落とすための情報整理の仕方が分からず、行動を起こせる可能性が低下しているようでした。

そこで、「アイディア出しの手法と、情報整理の技術を習得し、行動を起こしてみたい気持ちを呼び起こす!」ということを目的にワークショップを実施してはどうかとご提案をさせていただきました。

目的とゴールを曖昧にしたままふわっとワークショップを実施してしまうと、ワークが脱線したり、ただ参加者にウケそうなワークを選んで、場が盛り上がるだけで終わったり、これなんのためにやったんだっけ? という結果になりがちです。

そうならないためには目的とゴールを言語化し、しっかりとした軸を作ることが大切です!

ゴール到達までのステップを設計する!

次に行うのが「ステップの設計」です。どういう手順を踏めばちゃんとワークショップのゴールまで到達できるのかを考えます。

先ほどの例で言えば、

  1. 楽しくたくさんのアイディアを出す方法を体験してもらう
  2. アイディアをフレームワークにあてはめ行動につながる形で整理してもらう
  3. できるようになって楽しかったし、行動してみよう! という気持ちを喚起する

といった感じで全体のステップを考えます。

私の場合は、だいたいのワークショップを3ステップに分けて考えていて、参加者にも目的とゴール、どんなステップで進めるかを必ず紹介しています。

たとえば、このような感じです。

ワークショップのステップ

ここまで想像ができたら、次は各パートごとにも細かなステップを設計していきます。「①楽しくたくさんのアイディアを出す方法を体験する」というパートであれば、このような感じです。

  1. 背景・共感づくり
  2. 現状認識
  3. 動機付け
  4. 実践
  5. 振り返り

まず始めに、なぜそのワークに取り組むのか? ということに関して、違和感や反発が無くなるよう、参加者の共感を作ります。

また、参加者の現状がどんな状態で、このワークを通じて得られる成果の素晴らしさについて、参加者と共有します。

こうした導入部がないと、今どうしてこれをさせられているんだ? と考えてしまい、ワークに集中できない方や、実施したくないと感じる方もいます。そのため、丁寧な導入を通じて、しっかりと納得感や期待を持っていただくことが重要です。

そのうえでワークを実践し、ワークからどんなことを感じたかを振り返っていただく時間を設けます。振り返りの時間は、ワークショップには絶対に欠かせません。ワークショップの学びは振り返りから生まれると言っても過言ではないからです。

このように、まずは全体の大きなステップを設計し、続いて各パートごとの細かいステップを考えて行くと、目的からブレずに、効果的なワークショップを実践することができます!

ステップに沿って導入やワークを配置する

最後は先ほどのパートで考えたステップに沿って、導入やワークを配置していきます。例えばこのような感じです。

  • 背景・共感づくり

私がアイディアを出せず苦労した大学生時代のシェア

(私は毎晩、深夜2時くらいまで作業をしていた)

  • 現状認識

どんな方法でアイディアを出しているかをグループで共有

  • 動機付け

私がアイディアをぽんぽん出せるようになった転機の紹介と、アイディアを出せる楽しみを伝える。そして、アイディアを生み出す手法を紹介しこれならやれそう! という気持ちを感じてもらう

  • 実践

『考具』を参考にしながら、アイディアを出す手法を複数個使い、実際にアイディアを考えてみる

  • 振り返り

ワークからの気づきや、これまでとの違い、手ごたえなどをチームメンバーとシェアする

決してワークのアイディアや、自分が話したいことから各パートを埋めて行くのではなく、先ほど設計したステップに沿って、必要なワークや導入を配置していくのがポイントです!

こうして目的と実施内容が一気通貫したワークショップをデザインできると、ワークショップの成果が段違いに深くなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

私の感覚としては、ワークショップのゴールを定めたらすぐにワークを当てはめたくなる方が多いと思いますが、ぜひその前に、どんなステップを踏むとゴールに到達できるかを想像してみていただくと更に良いと思います!

それだけでワークショップの質がグッと上がるし、再現性もかなり向上しますよ。ぜひ試してみてくださいね! この記事が何か参考になり、日本で行われているワークショップがさらに素晴らしくなれば幸いです。

またワークショップのご依頼・ご相談もお待ちしております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

余談ですが、私はアイディアを出すのがすごく苦手だったのですが『考具』を読んでから一転してアイディア体質になりました!

アイディアが溢れてくる体質になりたい方は必読の1冊! にも詳しく書かせていただきましたが、アイディアを出すことに苦手意識がある方は一読の価値ありです!

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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