講演「違いを力に お互いの異質性から始めるアイデア共創」をご提供

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。先日、神奈川倉庫協会様よりご依頼をいただき、横浜でアイデア共創に関するセミナーをご提供させていただきました。

「久しぶりに勉強になるお話でした!」「ぜひ自社の風土改革につなげたいです!」といった感想を数多くいただき、とても甲斐を感じられる時間となりました。

目次

人生・仕事の結果=考え方 × 熱意 × 能力」を学んだリクルート時代

今回は、リクルート時代の挫折体験と、それをどう乗り越えたのかも話して欲しいとご依頼をいただきましたので、まず始めに新卒時代のお話をさせていただきました。

私のキャリアは、リクルートでの不動産広告営業から始まりました。先輩方に大変可愛がっていただき、1年目は何不自由ない毎日でした。ところが2年目以降、半年ごとに異動を繰り返すことになり、状況が激変しました。

リクルートの営業にとって、顧客の情報は命です。そのため、お客様から信頼していただけるよう一生懸命取り組み、店舗状況のヒアリングに努めます。半年というタイミングは、お客様との関係が深まってきて、徐々に胸を開いてくださる時期。ようやく内情についての理解が追いつく頃です。そのタイミングで異動になるということは、せっかく手にした情報という武器を、全て放棄して次へ向かうということ。

リクルートでは、クライアントの情報をつぶさに把握していない営業マンは、ガンガンに詰められます。異動したばかりで分からない、という言い訳は通用しません。私はこれが半年ごとに3回続き、気持ちを奮い立たせることができませんでした。

ただ、異動が連続したことには背景があります。当時の私は、スキルもスタンスも未熟でした。組織の戦略上、よりミッションを遂行できる人材との配置転換を検討されても仕方ないレベルだったと思います。また、私がどの部門なら活躍できそうかを、上司の方々が探ってくださっていた向きもあったように感じます。

つまり、誰かを恨むような話ではなく、身から出た錆なのです。

あの頃の自分を振り返ると、稲盛和夫さんが提唱された、「人生・仕事の結果=考え方 × 熱意 × 能力」という方程式が頭をよぎります。

人生や仕事の結果は、考え方と熱意と能力の3つの要素の掛け算で決まります。このうち能力と熱意は、それぞれ0点から100点まであり、これが積で掛かるので、能力を鼻にかけ努力を怠った人よりは、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方が、はるかにすばらしい結果を残すことができます。

これに考え方が掛かります。考え方とは生きる姿勢でありマイナス100点からプラス100点まであります。考え方次第で人生や仕事の結果は180度変わってくるのです。そこで能力や熱意とともに、人間としての正しい考え方をもつことが何よりも大切になるのです。

https://www.kyocera.co.jp/inamori/about/thinker/philosophy/words43.html

リクルートに入社してからの私は、適切な努力ができていませんでした。また、仕事がうまくいかないことに動揺し、失敗回避の動機でがんじがらめでした。これでは結果が出ようはずもありません。

その後リクルートを退社し、転職先でたくさんの良き上司に恵まれたことが、大きなターニングポイントとなりました。仕事の進め方を1から教えてくださった諸先輩方がいなければ、今の私はないでしょう。

また、世界を拡張しようと熱を入れた読書や、コーチングとコミュニケーションのスクールへの通学が、私の足腰をしなやかにしてくれました。

お互いの「違い」が面白いアイデアを生む

アイデア共創のパートでは、まずVUCA時代の深堀りから話を始めさせていただきました。

現代は変化が早く、未来予測が困難な時代と言われますが、いまいちピンと来ない方もいらっしゃると思うのです。そこでこの20年の間に、世の中で提供されている商品・サービスがどれだけ変わってきたかを年表でお伝えしました。参照したのは、編集工学研究所が発刊している『情報の歴史21 象形文字から仮想現実まで』。

例えば、PayPayなどのキャッシュレス決済が広がりを見せたのは2018年、Zoomでのミーティングが普通になったのは、コロナ真っ盛りの2020年前後です。2023年には、ChatGPTが世間の話題を攫いました。

キャッシュレス決済や、Zoomでのミーティングは、もはや私たちに欠かすことのできない存在となっています。ここだけを切り取っても、以前の常識が崩壊するサービスの誕生が連続していること、新サービスの浸透速度が極めて早いことが見て取れるのではないでしょうか。こうした時代を生きている私たちですから、時代の変化や求めに応じて、柔軟に新しいアイデアを作り続ける必要に駆られているのです。

前の時代、企業の主戦略は大量生産・大量販売であり、いかに業務を効率化・標準化できるかが重要なポイントでした。この方針には、トップダウンのマネジメントがよく馴染みます。しかしこれからは、多彩な創造力を発揮できる企業の時代です。環境に良い物を必要な分だけ、というムードが高まっていることとも相まって、これまでと同じやり方では太刀打ちできません。

さて、アイデアの共創を自社内で行うためには、組織の心理的安全性を高めることが最重要です。ユニークなアイデアを生み出すためには、異質なものどうしの掛け合わせを探究するのがマスト。同質性が高い人が集まっても、面白いものは生まれません。

これはつまり、価値観や経験、個人的嗜好が異なるメンバーが集まり、それぞれの意見を披露する必要があることを意味します。そのためには、まず心理的安全性を高めないと、何も始まらないのです。

余談ですが、先日、私が非常勤講師を務めている東方芸術工科大学で、Cygamesの背景美術展が行われていました。Cygamesと言えば、2,000万ダウンロードを突破した大ヒットアプリ、「ウマ娘 プリティーダービー」が有名です。ウマ娘は「アイドル」と「競馬育成」という、異質なものどうしが融合することで新たな境地が開けた、本当に見事な事例だなあといつも感心させられます。

これがたとえば「ギャンブラー」と「競馬育成」など、同質性が高いものどうしのかけあわせだったら。きっとウマ娘のようなビッグコンテンツにはなっていないと思うんです。

昨今の組織では、年代間ギャップによる不和や、相互理解の難しさがよく取り沙汰されます。でもアイデア共創に限って言えば、違いはチャンスなのです。アイドルと競馬のように、距離が遠いものが組み合わさるほど、意外性が生まれるからです。

「違いは悪」という文脈で語られることが多い年代間ギャップですが、決してマイナス効果だけではないんだよということを、たくさんの組織にお伝えできたらと思っています。

ご依頼をいただきありがとうございました。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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