ワークショップは「休憩」からデザインしてみては?

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。つい先日、東北芸術工科大学の学生から「どうやったら情報量が多いパワーポイントを美しく見せることができますか?」と質問をいただきました。

これに対して私は最初から余白を設定することと回答させていただきました。必要な情報を配置した結果として余白が出来上がるのではなくて、余白が生まれるよう先にレイアウトすることから、資料の視認性を高めるのです。

例えばこちらのスライドなどがそうです。4つのブロックが並んでいるので、情報としては量が多いのですけれど、余白によって見やすいデザインになっているかと思います。

実はこれ、ワークショップデザインにも同じことが言えます機能するワークショップを運営すためには余白が大切なのです。

ではワークショップにおける余白とは何かというと、ズバリ休憩時間です。つまり休憩時間を先に確保してからワークショップを作り始めることが、私はとても大事だと考えているんですね。

目次

先に休憩時間を確保しよう

私はワークショップを作り始める時、まず休憩時間を定めて、メインのワークにどれくらいの時間を使えるかを明確にするところから設計を始めます。

2時間のワークショップなら休憩1回、10分(使える時間は1時間50分程度)

3時間のワークショップなら休憩1~2回、15~20分くらい(使える時間は2時間30分程度)

5時間のワークショップなら、休憩3回にお昼休憩1回、計1時間30分くらい(使える時間は3時間30分程度)

といった感じで、私はワークショップの実施時間と対応する形で、だいたいの目安を設けています。

先にやりたいことから考え始めると、どうしてもワークの内容がパンパンになってしまって、休憩時間が後回しになってしまいがちです。そうすると休憩3分などの非現実的なワークショップ案が生まれてしまうことになります。こうした極めて短い休憩時間は、初心者や不慣れな運営者、不親切な運営者にありがちなのでご注意いただきたいのです。

焚き火は薪がぎゅうぎゅうに詰まっているとなかなか燃えません。ワークショップも、内容を詰め込みすぎるのと逆効果。だから余白です。

適切な休憩時間は10~15分

私はワークショップにおける適切な休憩時間は1回あたり10~15分だと思っています。これ以上短いと、ただバタバタして終わっちゃうんですよね。

ワークショップの参加者に休憩を告げると、「あー、疲れたーー」とノビをするところから始まって、携帯電話をチェックして、その後トイレに行ったり、外の空気を吸ったりしに行く方が多いです。タバコを嗜まれる方は、一目散に喫煙所へ向かわれます。それから、参加者どうしで雑談しながらリラックスするといった感じでしょうか。

参加者にうまくリフレッシュしていただけたら、休憩後のワークへの入りがとても良くなるものです。そしてこれらにかかる時間は、少なく見積もっても10分は必要です。

ですからせめてワークショップ設計時には、必ず10分以上の休憩を確保してデザインするクセをつけて欲しいと私は願っています。休憩時間を確保し、残った時間の中で最大限の成果を出すワークショップデザインのスキルを身につけて欲しいです。

当日の休憩はフレキシブルに

こうしてゆとりのある休憩時間を確保したうえで、当日は柔軟に休憩を増減させましょう。具体的には以下の2点がポイントです。

  • 参加者がとても疲れている様子であれば、休憩時間を長めに取る
  • 進行が押してしまっている時は、休憩時間の短縮を検討する

参加者の疲労度合いが高い時は、思い切って休憩を延長するのも手です。その分、他から時間を持ってこなければなりませんが、どんよりしたテンションでワークに向かっていただくよりは、少しでも新鮮なコンディションを取り戻していただく方が、ワークショップの成果につながりやすいです。

進行が時間に追われてしまっている時は、休憩時間を少し切り詰めていく、丸ごとカットするなどの対応を検討する余地があります。参加者がノリノリになっている時などは、休憩時間がなくなってもネガティブな作用が起きづらいです。あるいは、「必要な方は自由に休憩してください」などのアナウンスをして、参加者の主体性に任せることも一つの方法です。

フレキシブルに余白を調節しましょう!

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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