機能するワークショップはコンセプトが明快!
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WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。この1~2年、よく知人や学生からワークショップのデザインについて助言を求められています。ワークショップ作りは習える機会がかなり限られていますし、書籍もそう多くありません。そのため、身近で気軽に話を聞ける私のような存在が重宝するのでしょうね。
ワークショップの設計手順は大別すると2通り
こうした相談から、多くの人のワークショップの設計手順は、大別すると2通りのパターンに分かれていることを感じます。それが以下の2つです。
- コンセプトを先に決めて後からワークを配置する
- ワークを先に決める
ワークショップは、言ってしまえばどちらのパターンからでもデザインすることはできます。ですが、ワークショップ作りの相談を受けた際、なかなか良い形に落ち着かないのが後者のパターンです。
コンセプトという単語は大辞泉を引くと、①概念。観念。 ②創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。と掲載されています。要約すれば、企画の前提となる大方針です。
そのためコンセプトが定まっているワークショップの相談は、論点がシンプル。配置されているワーク案は、コンセプトの達成に繋がるか? という問いを軸に、各パートの構成を検証していくのが主な行程となります。
反対にコンセプトが定まっていないワークショップの相談は、収集がつかず難航しがちです。企画の芯が存在しないことが多く、なんとなくの閃きをよりどころに、面白そうなワークを並べてみたという程度に留まっているため、本当に大切なコトは何なのか、このワークショップを通じて参加者にどうなって欲しいのかを、設計者自身もよく分かっていません。
そのためこちらのケースは、このワークショップで何を達成したい? 参加者にはBefore Afterでどう変わって欲しい? と企画の意図をヒアリングすることから始まります。その結果、大半の場合、最初の案は8割以上が廃棄となります。
ワークショップはコンセプトから固める
こうした経験則から、私は「ワークショップのデザインはコンセプトから!」を強くオススメしています。こちらの手順のほうが圧倒的に手戻りが少なく、かつ参加者にとって価値があるワークショップのデザインに繋がります。
(そうは言っても、コンセプトを作るのが大変なんだよなあ)
とお感じの方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに、明快なコンセプトを定められるようになるまでには、少々慣れが必要です。
でも難しく考える必要はありません。始めのうちは「〇〇を通じて、□□になって欲しい」というポイントを整理することだけに意識を向けてみると良いです。これだけで、十分立派なコンセプトを仕立てられます。
例えばこんな具合です。
・リーダー像の共有を通じて相互理解が深まって欲しい
・対話を通じてSDGs を身近に感じられるようになって欲しい
・教訓作りを通じて体験の学びを自覚できるようになって欲しい
こうしたコンセプト(企画の大方針)が有ると無いとでは、ワークショップの一貫性が段違いに変わります。ですので面倒くさがらずに、ワークショップデザインはコンセプトからを試してみてください。もちろんワークショップだけではなく、他の企画でも先ずはコンセプトを据えることが初めの一歩です。
機能するワークショップが、日本中で当たり前になるといいな。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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