「表情管理」もファシリテーターの重要なスキル

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。先日、お世話になっている先輩をお連れして釣りを楽しんで来ました。先輩はほとんど釣りの経験が無いそうなんですが、素人とは思えないくらい上手でびっくりでした! とあるスポーツでプロとして活躍されたご経験をお持ちなのは知っていたのですが、身のこなしや動作の正確性、魚がいそうな場所を嗅ぎ分けるセンスなどがとんでもなかったです。

さて、今日はファシリテーターの表情管理について書きます。プロのファシリテーターは表情管理も行き届いている方が多いのですよね。細かなポイントですが、「できる」と「できない」とでは、場作りに大きな差が生まれます。

目次

参加者はことあるごとにファシリテーターの表情を見ている

まず大前提ですが、ワークショップ等の参加者は、頻繁にファシリテーターの表情を確認しています。特に参加者が「おや、これは大丈夫か…??」と少し心配に感じた時などは顕著です。ファシリテーターの表情から、このままの展開でOKなのかを読み解こうとしているのですね。

この際にファシリテーターが焦りや困惑の表情を浮かべていたら、「やっぱり…」と参加者の不安や心配が強まるわけです。ファシリテーターの表情は、場の状況を参加者へハッキリ伝えます。場の硬直は、こんな些細なことから始まります。

ファシリテーターって、驚きと出会う瞬間が多いお仕事です。参加者どうしが険悪なムードで罵り合いを始めたり、想定外の質問を投げかけられたり、予定していた内容にぜんぜん辿り着かなかったりと、対話の場作りってイレギュラーなことが当たり前なのです。慣れないうちは、背中が嫌〜な汗でびっしょりになることもよくあるでしょう。

ですが、こうしたトラブルや予定外に振り回され、無意識の表情を垂れ流すのはNG参加者からどう見えているかを意識しながら、参加者に不安を与えない表情管理が重要です。

参加者とのミスコミュニケーションを起こさない表情

ファシリテーターはまた、参加者とのミスコミュニケーションが生じないための表情管理も必要です。場にそぐわない表情が参加者のマインドに与える影響は甚大なのです。

例えばブレストをしている際、とてもユニークなアイデアが出てきたとします。それを聴いているファシリテーターの顔が苦虫を噛み潰したような表情に見えたら、参加者が感じることはたった1つ。このアイデアは出しちゃいけなかったんだ…、です。以降は枠の中の無難なアイデアしか出なくなります。本当はそうじゃなかったとしても。

あるいは過去の辛い経験を語っている参加者を前に、ファシリテーターが薄ら笑いを浮かべているように見えたら。語り手は高確率で、私のシェアには価値がないんだ…と感じてしまうでしょう。人によっては存在を全否定されたようなショックを受けかねません。こうした気持ちを抱いてしまうと、最後まで話し切る意欲、参加する意欲は、途端に消えて無くなります。

ですから、自分が感じていることが正しく伝わる表情作りやボディサインも、ファシリテーターの必須スキルなのです。

真剣な話をする際は真剣に、楽しいムードの時には笑顔を浮かべ、悲しい話題の時は神妙な面持ちを、と話題にフィットする表情を参加者に見せましょう。表情とムードの一致感は、参加者の安心につながります。

前述したように、楽しい時に仏頂面、悲しい時に満面の笑みなどのミスマッチがあると、参加者は不安な気持ちになってしまいます。逆にずっと笑っている方、表情の起伏に乏しい顔に見えがちな方も要注意です。

自然体でニュートラルな表情を意図的に活用する

ここでひとつお伝えしておきたいのが、ニュートラルな表情の活用についてす。表情管理と聞くと、感情をしっかり乗せた表情作りだけが想像されがちだと思うのですが、それだけだと片手落ち。実はニュートラルな表情を意識できると、表現の幅がぐっと広がるんです!

ニュートラルとは、中立で、どちらにも傾かない状態のことを言います。車では前進もバックもしない状態ですね。自分のニュートラルな顔って、なかなか意識をすることがないのではないかと思うのですが、ぜひ鏡の前で色々と表情を作って試してみてください。自然体でどこにも力みが無い顔がそれです。

ニュートラルな表情は参加者に余計な感情を起こさせないので、様々なシーンで有効です。ファシリテーション中に焦ったり困っている時なども、この表情を浮かべながら次の展開を思考できると場が荒れにくくなります。

怒るでもなく悲しむでもない、楽しいでもなくツマラナイでもない、そんな中立な顔を用意しておくと重宝します。私はよく意図してニュートラルな表情をお見せするようにしています。

私はどう見えているか? を意識して場に立つ

ということで、表情が持つ影響力について書いてきました。ぜひファシリテーション中は自分がどんな表情に見えているのかを意識してみて欲しいです。もし自分のファシリテーションが写っているビデオなどがあれば、どのシーンでどんな表情をしているように見えたか、一度確認しておくと効果大です!

場の状況に合わせて意図的に表情を使い分けることができたら、大きな武器になります。表情ひとつで流れを強化することもできれば、ムードをガラリと変えることもできます。これに声のトーン、話すスピードをかけあわせると、相当数のバリエーション! まさに変幻自在です。

そうしたらもっともっと、ファシリテーションが面白くなると思いますよ。

この記事と近い観点でワークショップ中に使う言葉は「参加者」に合わせるという記事を先日アップしました。ご興味があれば、ぜひ合わせてお読みください。

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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