もしもアイスブレイクで滑ったら…!?
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ワークショップデザイナーの相内洋輔です。

 

私は東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科でワークショップやファシリテーションについて講義をしているのですが、先日学生から「もしもアイスブレイクが滑ってしまったらどうすれば良いか、失点を取り返す方法があれば教えてください」という質問をいただきました。

 

いやーー、アイスブレイクが滑るって、想像するだけで恐ろしいですね! 実際そうなったら泣きそうです。

 

もしアイスブレイクでミスしてしまった際は、まず落ち着くことに尽きます。その理由を下記で解説します。

大事な姿勢① これ以上失点しないよう徹底して守る

アイスブレイクが滑る=予想に反してアイスブレイクが全く機能しなかったとき、1番大切なことは、それ以上の失点を防ぐことです。

 

アイスブレイクがうまくいかないと、ファシリテーターには焦りの気持ちや、不安の気持ちが芽生えます。軽いパニック状態です。これが悪さをして「余計なことをする人」がとっても多いんです。

 

具体的には、「もっと盛り上がっていこう!」なんて参加者を煽ってみたり、自分のテンションを2トーンくらいあげてみたり、もともと予定になかったアイスブレイクを追加してみたり。気持ちはとてもよく分かりますが、これらはほとんどのシーンで逆効果です。

 

アイスブレイクがイマイチだったという結果は変えることができませんので、まずはその事実を冷静に受け止めましょう。そして、それ以上に傷口を広げないこと、守りに徹することが重要です。

 

アイスブレイクで滑ったファシリテーターは、第1R開始直後からコーナーに追い詰められたボクサーのようなものです。大ピンチ。ボクサーなら攻勢に出るという作戦もあろうかと思いますが、この状態のファシリテーターに求めらるのは、これ以上パンチをもらわないようにガードを固めることです。

 

そして四分六の勝負が、願わくば五分五分の勝負ができる場の状態に回復するまで凌ぐ。こういうマインドセットで臨み直すことがとっても大切だと思います。

大事な姿勢② 真摯に丁寧に進行する

パニックに陥ることなく、事態を冷静に受け止めることができたら、次に行うのは「いつも以上に真摯に丁寧に」ワークショップを進行することです。

 

アイスブレイクが滑った時点で、参加者とワークショップの心の距離、参加者とファシリテーターの心の距離は離れてしまっています。これを前述したように、強引なトークや、ハイテンションな姿勢で繋ぎあわせようとしても無理です。デートのお誘いに失敗した人が、「じゃあこのレストランに行かない? この居酒屋は行ったことある?」と畳み掛けるようなもので、ますます心が離れてしまうのがオチです。

 

心の距離が離れてしまった時、両者を結びつける引力を生じさせる何かがあるとしたら、それはファシリテーターの真摯で誠実な姿に限ります。この人は、一生懸命ワークショップの場をより良い時間にしようとしている。そう参加者に伝われば、アイスブレイクでの躓きは自然と取り返すことができます。

 

デートのお誘いだって、そうでしょう?

大事な姿勢③ 潔く謝る

もし主催者側の不手際(指示ミス・読み違い・準備不足・備品忘れ etc)でアイスブレイクを失敗してしまった場合は、潔く謝りましょう。不手際は隠したくなるのが人の心情ですが、参加者って敏感です。そのため何かを取り繕おうとすればするほど、参加者のマインドは低下していきます。

 

たとえば学校の先生が、一生懸命に自分の不手際を弁護していたら、どんな気分になるでしょう。

(先生は言い訳するんだ、普段は私たちに素直を強要しているくせに。ダサっ。)

みたいな気持ちが湧いてくる方が多いのではないでしょうか?

 

ワークショップのファシリテーターもこれと同じで、言い訳・自己弁護・正当化を行った瞬間、参加者からの信頼は地に落ちてしまうのです。

 

だから、もしこちらに不手際があったとしたら、即座に謝罪する。心からの謝罪は、その場にいる方々にとても響きますし、意外と笑って受け入れてくれるものですよ!

 

今日はここまで。

 

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

 

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