先日、3日間にわたるアントレプレナーシップ(リスクを恐れず行動を起こす姿勢)を育むプログラム「IDEA SWITCH」にて、ファシリテーターを務めました。

心理的安全性を育み、「不」から課題を見つける
DAY1のテーマは、「身近なモヤモヤを見つける」ことでした。最初のワークは、A4の白紙だけを使って最も滞空時間が長い物体を作る「対空時間を競え」。共通の目的を持ち、手を動かしながら試行錯誤することで、単なる個人の集まりが、協働意欲を持った「チーム」へと変わっていくんですよね。
場が温まったところで、ビジネスアイデアの種となる「不」を探すワークへと移りました。不便、不満、不安など、日常のペインを、雑誌を切り抜いてコラージュ(ばらばらの素材を組み合わせて貼る創作技法)にして可視化していきます。
雑誌のページをめくり、気になる言葉や写真をチョキチョキと切り貼りする作業は、参加者の緊張をさらに解きほぐします。静かな集中状態の中、時折「あ、これ分かる!」といった共感の声が漏れる。その瞬間に、場の空気がふっと柔らかくなるのを感じました。
大切なのは、最初から論理的な正しさを求めないことです。私はこうした対話の場において、「正解よりも納得解(論理的な正しさよりも、自分たちが心から納得して進める答え)」を導き出すプロセスを何より大切にしています。コラージュという直感的な作業を通すことで、参加者は自分自身の本当の思いに気づき、深く納得しながら解決すべき課題を設定していくのです。

強制発想法とプロトタイプ(試作品)でアイデアを形にする
DAY2は、見つけた課題を解決するアイデアを大量に生み出し、形にしていくステップです。 「質より量」「便乗歓迎」というルールのもと、既存の要素を意図的に掛け合わせる強制発想法などを使い、アイデアをどんどん広げていきました。「こんなことを言ってもいいのだろうか」と躊躇していた参加者たちも、「どんなアイデアも自由に持ち出せる安心安全な空間」というグランドルールが浸透するにつれ、表情が生き生きとしてくるのが分かります。
その後は、粘土やレゴブロック、さらにはAIを活用してプロトタイプ(試作品)を制作しました。実際に形にしてみることで、「ここをもっとこうすればいい」という新たな気づきが連鎖的に生まれていくのです。頭の中だけで考えるのではなく、まずは粗削りでも形にして、他者と話してみる。この「失敗を恐れずにたくさん試す」プロセスを経ることで、初めはぼんやりとしていたアイデアが、具体的な形に変わって行きました。

未来の挑戦を言葉にする
最終日のDAY3は、いよいよ最終発表です。 今回は株式会社イトナブの古山隆幸さん、株式会社FriSti代表取締役AIコミュニティを立ち上げている村上拓朗さんをゲストにお迎えし、起業家へ向けての発表を行いました。3日間の集大成として想いを伝える参加者の姿には、初日の不安げな様子はまったく見られず、自分たちで見つけた社会課題の解決策のを堂々と語る姿に、会場全体が引き込まれました。

発表後は、LEGO®︎ SERIOUS PLAY®︎を用いて「3日間の自分」と「私がこれから挑戦したいこと」を表現し、じっくりと内省を深めていただきました。 言葉だけでは紡ぎ出せない深い感情や決意が、ブロックの形を借りてポツリポツリと語られる時間は、ファシリテーターとして最も胸が熱くなる瞬間です。手を動かしながら自分自身と対話することで、この3日間の体験が単なる思い出から、これからの人生を支える確かな「学び」へと結晶化されていくのを感じました。
当日は複数のメディアにご取材いただきました。放送されたニュース映像が以下のリンクからご覧いただけます。
https://video.himawari.co.jp/chroot/vod/toyotanow/news_260827_1/playlist.m3u8
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
