WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。先日、ケヤキッズ保育園グループの主任、副主任の皆様にワークショップをご提供させていただきました。テーマは「理念の浸透」です。
実はこのテーマ、ワークショップと相性が良く、年に何回かご依頼をいただきます。ビジョンや哲学をきちんと理解し、実業務に反映するためには、対話が欠かせないからです。
抽象度の高い日本語から想起することは人それぞれ違う
開幕には、「流れ星」というワークをご提供しました。ファシリテーターの指示に沿って簡単な絵を描いていただき、出来上がった構図の差異を楽しんでいただくワークです。
とてもシンプルな指示にも関わらず、まったく違う構図の絵が並び、ある単語や文章から想起されるイメージは、人それぞれに違っていることを教えてくれます。今回は「家の前に大きな池があります」という指示に対して書かれた絵に、「それ小さくない…?」という感想が漏れていた瞬間が印象的でした。
大きい、小さいという概念は抽象的ではあるが、誰もが同じようなサイズ感を想像できるはずだ。
私たちは無意識のうちに、こうした思い込みを量産しています。でもいざ蓋を開けてみると、日常でよく使われる大きい、小さいという基礎的なな感覚でさえ、他者と完璧に一致することはないのです。
それが「組織の理念」ともなれば尚更です。理念には「力を入れる」や「幸せを追求する」などの、広く解釈できる言葉が並びがち。だから対話を通じてお互いの考えを開示しあい、ズレを発見し、すり合わせを行い続けることが大事なんですよね。
基準を統一し浸透を目指す
本編では、「音育」「食育」「体育」について力を入れて取り組むとは、具体的にどういうことなのか、基準の作成に取り組んでいただきました。
前述の通り、力を入れて取り組むというワード、抽象度が高いため、個々人によって解釈に差が生じます。人によっては音育を毎週頑張っているからOKと思う可能性もありますし、30%ずつの配分で体験を提供することが重要と考える方もいるでしょう。
解釈に余白があることは悪いことでは無いと思いますが、皆で力を合わせるためには、何らかのガイドが必要です。
そこで、「もしケヤキッズグループに新しい保育士が来られたら、音育・食育・体育について、何をどれくらい実施して欲しいと説明する?」という問いを提示しつつ、各園毎に、具体的な基準を考えていただきました。
そのうえで日頃の活動を見つめなおしていただき、保育の過不足や、改善点を探しました。
日常から離れて対話を行う価値
ワークショップのチェックアウトでは、「普段はなかなか自園のメンバーと腰を据えて話す機会が取れない。こうして話すことができ、園の活動はもっとよくなると思う」と感想を共有してくださった方が何人もいらっしゃいました。
日々の業務に追われている職場ほど、メンバーとの対話は後回しにされがち。
でも、個々人が感じている現状に対しての想いや、抱いている未来への希望などが、胸の中にしまわれ続けてしまっていては、とてももったいないなぁと思います。
それぞれの本音を開示し、お互いの考えや気持ちを受け取りあえた時、深い相互理解と、新しい意欲が芽生えます。それが、人の目の色を変え、組織をもっと前に進ませるのです。
だから私は、これからも人と組織の前進を意図して、たくさんワークショップをご提供していきたいと思っています。
ご依頼をいただきありがとうございました。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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