プログラム案を寝かせる時間がワークショップを育てる

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。先日とても興味深いツイートに出会いました!

アイデアを思いついた時は素晴らしいイメージが湧いていたのに、いざ企画書に落とし込んでみるととても陳腐だった、という一連の流れを絵で表現しているツイートでした。 これ、企画を考える人あるあるすぎて笑っちゃったんですよね。


アイデアが閃いた瞬間は「絶対いける!」という確信があるのですが、細部を詰めていくにつれて「おや…!?」となることはワークショップデザインでも頻繁に起こります。

これを防ぐ方法はシンプルで、作ったワークショップ案は必ず寝かすということに尽きると思うのですよね。

目次

ワークショップ案を寝かす時間が、コンテンツを深める

ワークショップの設計は「仮組み」して全体を見渡そうという記事にも書きましたが、ワークショップデザインの初期時点では、細部の完全性にこだわる前に、まずざっくりでもいいから全体像を作ってみて、一連の流れをイメージすることが重要です。

全体像が見えていると、プログラム案を俯瞰して眺めることができるようになり、コンセプトに沿った修正・調整が容易になるからです。まずは全体をやわらかく定義して、それから個別のパートの完成度を高めていきます。

この時仮組みしたワークショップ案を寝かせる時間があるかないかはワークショップデザインの質に大きく関わります。

というのも、どのワークショップを作っていても、ワークショップの流れが完成した際は、とても強い高揚感を覚えるんですよね。アイデアが閃いた瞬間は、脳内で麻薬物質でも放出されるのでしょうか? やったぞーー!完璧だーー! という興奮は、しばらく持続します。つまり案が作られた直後は、自分のアイデアに盲目的なってしまうのです。

ところが数日の時間を置いてからワークショップ案を眺めてみると、「ん…!?」と疑問を覚えることがよくあります。時間配分に無理があったりとか、コンテンツの順番に違和感があったりとか、冷静になった頭でチェックを進めていくと、不思議なほど高確率で不足や不都合が見えてくるんです。この状態でワークショップ案を見つめ直すことが、クオリティの向上に直結します。

設計が行き詰まった時も、意図的に寝かせておく

ワークショップの設計が行き詰まってしまった際にも、時間をあけて取り組み直すことが解決につながります。何十分か考えてもワークショップ案が決まらない時は、体調が悪いか、インプットが不足しているか、いずれにしてもワークショップを完成させられるコンディションにないと判断してほぼ間違いありません。こうした時は意図的にワークショップデザインから離れてしまうのが吉だと私は思っています。

ただし、ぼーっと時間をあけるだけではダメで、インプットが不足している際は、ワークショップデザインを寝かしている間に、とにかく大量の情報を荒喰いするに限ります。ワークショップで扱うテーマに関する情報はもちろん、一見何も関係なさそうに見える情報も手当たり次第詰め込むと、それらがある瞬間にスパークして活路が見えてきます。

ユニークなアイデアの閃きには欠かせない「クリエイティブ・カオス」という記事で書きましたが、ユニークなアイデアを生み出すためには、脳内を創造的混沌の状態にすることが重要です。この一番の近道が、大量の情報収集!

何か次のワークショップに使えそうなアイデアはないか? という探索のマインドを根底に、Net記事や動画、ニュースや読書、新しい体験や知人との対話など、様々な手段を駆使して情報を集めましょう。

そうすると情報が溢れ出したある一定の瞬間に、ぱっとインプットしたものどうしが繋がって、局面を打開する面白いアイデアが生まれるんですよ!

早期着手の習慣と高速設計できる型を身につけよう

ワークショップ案を寝かせるためには、「早期着手」と「高速設計」を意識して、時間を確保することが何よりも大切です。私はワークショップ実施日から逆算して、本番の2~3週間前には仮組みが終わり、初稿を関係者と合意できていることをひとつのターゲットにスケジュールを組んでいます。

急な依頼などは上記の限りではありませんが、この位の期間をあけておけると十分に頭が冷え、フレッシュな視点からワークショップ案を見つめ直すことができます。頭が熱いうちは作ったものが可愛く見えてしまって、なかなか批判的な目からチェックし直すマインドになりませんから、自分にとって十分な期間をあけられるように調整するとGoodです。

早期着手には自分のマインドセットが重要で、高速設計を可能にするには、ワークショップデザインの型をどれだけ押さえてられているかが鍵となります。ぜひ両方の観点を意識して伸ばしていただきたいです。

ちなみに私は夏休みの宿題を最後の3日で泣きながら片付ける派でしたし、今でもほとんどの活動がギリギリなのですが…、ワークショップの設計だけは早く完了するように徹底しております。その方が、ダンゼン面白いワークショップになるから!

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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