娘の発表会から考えたワークショップデザイナーとしての熟達

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。きのうは娘のエレクトーンの発表会を観覧してきました。小学生の子どもたちが一生懸命に弾いている姿が微笑ましく、とても楽しい時間になりました。そしてSTAGEAというYAMAHAのエレクトーンがとにかくカッコ良かったです。小さい頃に出会っていたら、あの楽器にゾッコンだったと思います!

私の洋輔という名前は、ジャズピアニストの山下洋輔さんを好きだった父がつけたのですが、そのわりにピアノを習うということはなかったんですよね…。もし10代に戻れたとしたら、今度は野球よりピアノをやってみたいです。それこそジャズをやってみたいな。

発表会では上級コースの生徒さんも登場して、リストの「ラ・カンパネラ」や、ガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」などの曲を演奏していました。演奏の厚み、正確さが段違いでした。12~14歳くらいの生徒さんだったと思うので、ピアノ歴は約10年ほどでしょうか。

低学年グループの子たちも、いつかあんな演奏ができるようになる日がくるのかもしれないなと思うと、時間って、積み重ねってすごいなあと感動しきりでした。

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学生時代の没頭体験が熟達の土台に

触発された私は、これから10年の時間を費やせば自分もあんな風に弾けるようになるのかなあ? と夢想してみましたが、仕事があって、読みたい本が山ほどあって、毎週釣りに行きたい私が、ピアノに割り当てられる時間は限られています。彼らと同じだけの練習量をこなすのは非現実的です。

こうやって考えてみると、若さと時間が有り余っていた学生の時期を、ワークショップデザインに没頭して過ごせたことはかなりラッキーだったなと思いました。文字取り朝から晩までワークショップのことを考えていた大学生時代があって、今の私があります。38歳になった現在、当時と同じだけワークショップに没頭しなさいと言われたら、ちょっと壁が高すぎて取り組めそうにありません…。

藤原和博さんはよく著書の中で「1万時間の法則」をご紹介されていますが、私は在学時代に3000~4000時間くらいワークショップと向き合うことができたのではないか思います。この膨大な時間が私の土台になってくれていることは疑いようがなく、大きなアドバンテージとなっています。

同じように、舞台経験も重要だったなあと、娘の発表会を見ながら感じました。私は3歳の頃から大学4年生まで演劇をしていたので、舞台に上がるのは日常的なことだったのです。ちゃんと数えたことはありませんが、20回や30回は、市民センターの大ホールに立ってきたのではないでしょうか。コミュニティセンターの会議室などまでカウントしたら、3桁はゆうに超えていると思います。

これだけの回数ですから、人前に立つことに慣れたのはもちろん、語りとゼスチャーを通じて伝える訓練を大量に積むことができたので、それが現在のファシリテーションに生きています。

中間層の拡大はワークショップの裾野を広げる

もしこれからワークショップのプロを目指したい方がいらしたら、ピアノのエキスパートを目指すのと同じように、たくさんの時間をかけて経験を積んで欲しいなと思います。残念ながらそうすることでしか到達できない領域がどの分野にも存在しているはずで、ワークショップも例外ではありません。

一方で、たまにしかワークショップを開催しないという方は、大きな労力はかけずに自分のワークショップをアップデートしたい、という方がほとんどだと思います。私もあんまり時間をかけずに、小慣れた感じでピアノを弾けるようになる練習方法などがあれば、やってみたいなと思うんですよね。

私は、ワークショップの裾野を広げるためには、こうした中間層の方々の人数と、ワークショップの質が向上することがとても重要だと常々思ってきました。中間層のレベルアップは、多くの方々が良質なワークショップに参加できるようになることを意味します。そうなればもっとワークショップが市民の間でメジャーになり、それこそプロを目指す人も増えると思うのです。

そのためには、スグに使えるワークショップデザインの要点や、ファシリテーションの小技などを発信すること、大学での講義などは、重要な機会です。実はここまでハッキリと言語化できていたわけではなかったのですが、娘の発表会を見ていたら、昔の記憶が開き、様々な体験や思いがひとつにつながった気がしました。

先日のブログでも書きましたが、ワークショップデザイナーが職業として認知されていくように、私にできることがあれば何でもやっていきたいのです。思いを新たに、またワークショップの発信に励もうと思った1日でした。素敵な時間に感謝です。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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