WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
仙台を拠点にワークショップの企画運営や
ファシリテーション、コーチングなど
人が前進するための場作りを行っています!
先日、高校時代から付き合っている友人から
「組織や人を動かす」
というテーマで経営者に講演してくれないか?
とご相談いただきました。
私は日本で働く会社員が
もっとイキイキと働けるように貢献したいので
経営者に向けてお話しできるのは大歓迎ですし
チームビルディングのワークショップなども実施させてもらえたら最高です!
人が自発的に動き出すコミュニケーション
組織のあり方や掲げているビジョン
理念と現実に統一感はあるか
適切な評価とフィードバック
などなどいくつかのテーマが頭に浮かんできましたが
と私が確信していることをご紹介するに尽きるなと思いました。
今日はそのテーマについて書いていきます。
組織のパフォーマンスを最大化する鍵!
私が講演会で多くの経営者の皆さんにお伝えしたいのは
組織のパフォーマンスを最大化するための鍵は何か?
という1点です。
私はもっと、
自由に自分の意図に沿って
イキイキと仕事を楽しめる人が増えたらいいなと思い
ワークショップの場作りや講演を行っていますが
残念ながら、
今の日本でイキイキと自分らしく働いている人は
そう多くないように思われます。
一例として、
マイナビニュース会員300名に
「仕事は楽しいですか?」
とアンケートを取ったところ、
実に48.2%もの人が楽しくない
と回答したという記事を読みました。
人生の大半の時間を費やす仕事
職場が楽しくないなんて
不幸としか言えません。
だから私はここに違いを創りたいんです。
その点から、
ぜひたくさんの経営者やマネージャーに届けたいことがあります。
それが、
社員が心理的に安全だと感じられるとき
組織のパフォーマンスが最大化される!
という考えです。
Google社による研究~プロジェクト・アリストテレス~
この事実は、
Google社の人員分析部(People Analytics Operation)
が実施した調査によって明らかになりました。
人員分析部では、
同社の中にも生産性が高いチームと
そうでないチームがあることに着目し
生産性が高いチームは何が機能しているのか?
を多角的に分析することを通じて
Google社全体の生産性を向上させる発見
をあぶり出すことに試みました。
演繹の体系を確立した古代ギリシアの哲学者、
アリストテレスを冠に掲げるなんてとってもシャレてますし
知の探究を志したのであろうことが
ダイレクトに伝わってくるプロジェクトネームですよね!
しかし最初は、
生産性が高いチームの中から
「共通点」を見つけることは困難を極めたようです。
なぜなら生産性が高いチームの中には
友人同士のように親密な関係が結ばれているチームもあれば
ほとんど会話が発生しないようなチームもあったそうです。
また、正反対の行動規範を掲げているチームどうしも存在し
パターン分析が得意なGoogleですら
共通点の発見は一筋縄ではいきませんでした。
困った分析チームが原点に戻り
アカデミックな調査や論文を洗い直した際
着目したのが「心理的安全性」だったんだそうです!
成功のカギは「心理的安全性」
このように目立ったパターンが見出せずに困り果てたグーグルの人員分析部では、集団心理学に関する学術論文など、アカデミックな調査結果を再度深く当たってみることにした(同プロジェクトの初期段階では、それから始めていた)。
そして、そこから浮かび上がってきたのは「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性だった。つまり成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっているというのだ。
たとえば一つのチーム内で誰か一人だけ喋りまくって、他のチームメイトがほとんど黙り込んでいるチームは失敗する。逆に(途中で遮られるかどうかは別にして)チームメイト全員がほぼ同じ時間だけ発言するチームは成功するという。
それは暗黙のルールとして、そのような決まりを押し付けるのではなく、むしろ、自然にそうなるような雰囲気が、チーム内で醸成されることが重要なのだという。
つまり「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」、あるいは「リーダーから叱られないだろうか」といった不安を、チームのメンバーから払拭する。心理学の専門用語では「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵なのだという。
『現代ビジネス』グーグルが突きとめた!社員の「生産性」を高める唯一の方法はこうだ
『承認』が『前進』を生む!
この分析結果を見た時、私はまさに、
我が意を得たり!!!
といった心境でした。
なぜなら私は
ワークショップの場で人の前進を創るには
その人の存在を承認する空間
つまり安心安全な空間が不可欠だと思い
そうした場をみんなで整えることを徹底してきたからです。
私がこうした考えを持つように至ったのは、
3つの背景があります。
1つ目は人の前進を創ることを意図して学んでいる
コーチングとコミュニケーションの知識・体験からです。
私はコーチングを通じて関わる相手が
ありのままの自分でいても大丈夫!と思えることで
どれほどパワフルな結果を生むかを何例も目の当たりにしてきました。
コーチ・エィ社を立ち上げた伊藤守さんの著書
『こころの対話25のルール』に、
その象徴とも言うべき1文が記載されています。
あなたは、ただ相手を聞くだけでいいんです。愚痴でもなんでもいいんです。悪口でもなんでもいいんです。でも最後まで聞くんです。もし、相手があなたにとことん聞かれたと感じたとしたら、その経験は、その人のこれからの人生を変えないではいないことでしょう。そして、あなた自身のこれからの人生もまた、変えないではいないのです。
2つ目と3つ目はの背景は、
前職の東日本大震災復興支援財団
SoftBank社にて担当していた
若者のプロジェクト・ベースド・ラーニング
を促進するために学んだメソッドからです。
TOMODACHIソフトバンク・リーダーシップ・プログラムでは、
カリフォルニア大学バークレー校にて
『Y-PLAN』という教育手法を学びました。
Y-PLANはニューヨーク州とカリフォルニア州の公立学校で展開されている
地域貢献とリーダーシップを取得するプログラムなのですが
モジュール1ではお互いのことを知り
理解し、尊重しあう関係の構築を意図したワーク
が続きます。
TOMODACHIソフトバンク・リーダーシップ・プログラムでも
3週間の渡米期間のうち
最初の1週間はチームビルディングが中心です。
慶応義塾大学で特別准教授である井上英之さんから
「わたし」を主語に
自分が気づいたことや、大切だと思うことから
それぞれのプロジェクトを立案し実行する
「マイ・プロジェクト」について教えていただきました。
井上さんが監修された
『社会起業家になりたいと思ったら読む本』の中には
自分が何者なのか、挑戦の背景やいま描いている夢を、仲間が知っている。
これが挑戦するための、土台となる。
といった一文があり、
挑戦を支える居場所、セーフプレースの存在が人を前に動かす
ということを紹介してくださっています。
多くの日本の職場の現状と、引き起こされる実害
一方、日本の職場では、どれだけの人が、
「私は私のままでここにいていい」
と思うことができているでしょうか?
未だに年功序列の縦割り組織で
先輩にはゼッタイ逆らえなかったり
上司からのフィードバックが
指導という名のパワハラだったり
何か失敗すると
職場の同僚から白い目で見られて嘲笑されたり
みんなと同じ行動、思考を執拗に求められ
枠にはめこまれたり
アフターファイブや休日まで
会社の職員と慣れ合うことを強要されたり
窮屈なことのほうが多くありませんか?
そもそも、
同じ釜の飯を食えばチームになれるという妄想に支配され
ろくにチームビルディングを探究していない会社がほとんど
ですよね。
そんなことでは
「機能するチームの形成」は不可能です。
こうした状況によって
働き甲斐を感じられなかったり
ミスや落ち度を隠ぺい、あるいは改ざんしたり
心を病んでしまったりする人が後を絶たないのは
前述のとおり、私にとっては愉快ではありません。
先進国の中で
精神疾患を抱える患者が増え続けているのは日本だけですし
国民の大多数が
真面目に汗水垂らして働いているのにも関わらず
2時間のお昼寝休憩が許されているイタリアよりも
日本の生産性が低いという事実は
残念というより他の言葉が見つかりません。
私は日本の未来のために
ここに違いを創りたいです。
ワークショップを通じた「心理的安全性」の獲得
だからこそ私は、
職場のチームビルディングにおいて
ワークショップが役に立てることは多い
という立場から物事を考えています。
「心理的安全性」は
話しを聞くだけのセミナーではゼッタイに作れません!
もちろん職場の飲み会でもです。
ここだったら自分を持ち出してもいい
と思える場で勇気を出して語り出したことが
周囲の触発を生み
私も語ってみたい
私も繋がりたい
という意欲を呼び覚まします。
経営層の方から見ると
ワークショップでのチームビルディングは
なかなか直接的な成果にはつながらない
と感じられるかもしれませんが
普段はなかなか話せないことを
心の鎧を脱いで語り
お互いに触れ合って
他者への理解や愛情を深める体験は
企業や組織にとっても
そこで働く個々人にとっても
非常に重要なことだと思うのです。
もし今チームビルディングでお悩みのことや
解決したい状態などがおありでしたら
お気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。
もちろん、今はとても組織コンディションが良好だけど、
更に職場の雰囲気を良くしたい!
という方も大歓迎です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
何かご参考になりましたら幸いです。
本記事を作成するための参考書籍など
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
◆ワークショップや研修のご相談は下記から◆
どうぞお気軽にお問い合わせください。
コメント