キャトル跡地から宮古の未来を本気で考えるプロジェクト Day2

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。岩手県宮古市のNPO法人みやっこベースさまにお招きをいただき、キャトル宮古跡地の活用を検討する市民ワークショップを開催させていただきました!

Day1ではキャトル〜周辺商店街でのフィールドワークを実施。Day2では、私がiU情報経営イノベーション専門職大学と開発してきた妄想アイデアトレーニング「モウトレ」をご提供しました。

なんと650個を超えるアイデアがサイトに登録され、会場は大賑わいでした! もちろん、これまで開催した「モウトレ」の中で圧倒的な最多記録です!!

目次

アイデア爆発の前兆はウォーミングアップから…!

今回のワークショップには宮古市民の方々が20名ほど参加してくださいました。開幕したのは朝の9時。冒頭のチェックインでは「早起きが苦手なので眠い感じがある」とか「まだぼーっとしている」などのお声が聞こえていました。お気持ち、よく分かります!

(これはもしかすると、アイデアの数がそんなに出ないかもしれない。その時はフォローしなければ。)

皆さんのチェックインを聞きながら、私はこんなふうに思ったことを覚えています。全くの杞憂でしたね!

今回ご提供させていただいた「モウトレ」では、まず始めに頭と心をほぐす時間を設けています。「ペットボトルは何に使える?」というテーマで、思いつく限りアイデアを出していただくワークです。個人で3分、グループで10分という制限時間で、どれだけのアイデアが出せるかを楽しんでいただきます。

コンディションがあまり良くない組織だと20個前後のアイデアで終わりがちで、良好なチームだと40~50個まで伸びるのが平均的です。

上記に対して、宮古の皆さんはどのチームも軽々と40個以上を突破! 最多チームに至っては、なんと69個ものアイデアが生まれました!! 記憶が正しければ、こちらも歴代最多です。とんでもないアイデア集団ですね!

会場には「アイデア出しって楽しい!」「アイデアをたくさん作れるぞ」という空気が満ち、とても前向きなムードが広がりました。

中心市街地にイキイキとした賑わいを生み出すアイデアの共創

この素晴らしい流れから、アイデア共創の本番です! 

今回は『中心市街地にイキイキとした賑わいを生み出すアイデア』というお題をご提供。①子ども(子育てファミリー) ②高齢者 ③カップル ④観光者 ⑤周辺事業者 という対象毎に、計5ラウンドのアイデア出しを行っていただきました。

キャトル跡地は宮古駅のすぐ目の前に位置し、文字通りの中心市街地です。このため、多様な関係者の存在を含んだアイデア出しを実施したいと考え、「お題 × 対象者」の形を選択しました。なんの制限なくアイデアを考えていただくと、どうしても自分に近しい属性の方が喜ぶアイデアに思考が偏ってしまいます。市民の声を吸い上げる立ち位置のワークショップとしてはあまり好ましいことではありませんから、その損失を避けたかったのです。

冒頭にも書かせていただいたとおり、今回は全5ラウンドを通じて650個以上のアイデアが共有されました。各対象者に対して、平均して130個ほどのアイデアが生まれた格好です。通常の「モウトレ」では、1ラウンド毎に50~80個ほどのアイデアが生まれるのが平均的なので、尋常ではないハイペースでした! 

これだけアイデアが大量に共有されると、途中で食傷気味になり、ペースダウンしてもおかしくありません。むしろ(ここまでアイデアがあればもういいだろう…!)と、少し手を抜くほうが自然です。

ところが今回のご参加者は、最後のラウンドまで全く失速せずアイデア創造に没頭されていました。そのお姿からは、皆さんがどれだけ深い「キャトルへの愛着」をお持ちになられていて、どれほど真剣に「宮古の未来」を考えていらっしゃるのかが窺い知れました。想いの純度がとても高い場に立ち合わせていただき、ワークショップデザイナー冥利に尽きる時間でした。

アイデア共創の様子は、Day1に引き続きグラフィックレコーダーの山岸智也さんが分かりやすくまとめてくださいました。あんなにたくさんの中から象徴的なアイデアを抜き出し、見やすいイラストを書き添えられるセンスに脱帽です!

グラフィックレコーダー 山岸智也さんのグラレコ1
グラフィックレコーダー 山岸智也さんのグラレコ2

Day3以降はアイデアの収束へ!

キャトル跡地から宮古の未来を本気で考えるプロジェクトは、残すところあと2回。今回まではアイデアを拡散するフェーズでしたが、次回以降はコアとなるコンセプトを見つけ、具体的な企画を立案いただく予定です。

信じられないくらい大量のアイデアを共創いただいたため、収束のマインドへと移行していく際は、何かしらのハレーションが起こるかもしれません。

ですが少数のアイデアから適当にコアを抽出いただくより、圧倒的な量と幅のアイデアから見つける「企画のへそ」の方が、宮古市の未来を明るく彩ってくれる可能性が高いはずです。

各グループが「実現したい理想の未来」と確かに出会えるよう、しっかりとワークショップの準備を進めていきたいと思います。次回も本当に楽しみです!

対話をもっとおもしろく。

相内洋輔

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