ワークショップを行う会場選びのポイント ~施設・設備編~

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。月末に40人規模のワークショップをご依頼いただいたので会場を探していました。昔は知っている会場に片っ端から電話するくらいしか会場を手配する手段がありませんでしたが、最近は会議室用の検索サイトがあってすごく便利ですね〜!

会場が持っているパワーがワークショップに与える影響ってとても大きいので、私はかなり慎重に会場を選ぶようにしています。過去には会場選びに失敗して、えらい目に遭ったこともありました。

この記事では、会場選びに際して私が意識しているチェックポイントをご紹介します。まずは施設・設備についてです。

目次

部屋のサイズは適切か

まず始めに部屋のサイズです。部屋のサイズは、当日のレイアウトに机を配置したうえで、参加者が余裕を持って行き交うことができるくらいの広さを備えた会場がGoodです。私は40人の参加者だったら、50~70人規模程度の一回り以上大きな会議室を探します。

参加者が40人だからといって、会議室の収容人数をピタリ40人に合わせて部屋を探すのは危険です。机を島型にレイアウトした際、かなりキツキツになることが予想されるためです。部屋によっては島型のレイアウトを組めないことすらあります。会議室はスクール型でレイアウトした際の収容人数で書かれていることが多いため、この点を念頭に入れながら選ばないと大失敗します。

ちなみに、会場が小さすぎるとパーソナルスペースを確保できない他、席を立って移動するたびに椅子と足がぶつかったり、匂いがこもりやすかったりと、場のストレス、不快感が増幅し連鎖しがちです。

参加者の荷物を置いておくスペースや、冬だとコート置き場なんかもなかったりして、自席の周囲もごちゃごちゃします。ファシリテーターと参加者の距離も近過ぎたり、全く良いことがないです。

逆に会場が広すぎると、参加者が注意散漫になったり、エネルギーが分散しかねません。

ただ、狭すぎるよりは、広い方がやりようがありますので、もしどちらかしか選べない時は、広すぎる会場で工夫しましょう。

目的にフィットする雰囲気か

次に会場の雰囲気です。私は主に、部屋の明るさ、窓からの光量、天井の高さの3点をチェックしています。

開放的なワークショップなら明るくて天井が高い部屋がいいですし、会社の役員が自組織の課題を語るなら、上品で洗練された部屋が機能しやすいように、目指している会の雰囲気と会場がフィットしていることはとても大切です。

私は基本的に、明るい会場で、窓からの光量もほどよく、天井が低過ぎない会場が好きです。天井が低い昭和の建物は圧迫感が強くて、突き抜けた発想が生まれ辛かったり、参加者の疲労度が溜まりやすかったりと、良いことがないので私はできる限り避けています。

古い会場にありがちな蛍光灯の光量が暗く沈んでいる部屋、窓からの光が入らない地下の部屋、窓を開けたら隣の雑居ビルが目の前、といった部屋も同様です。

そして意外と大事なのが床の質感です。絨毯のようなふかふかな床や、大理石のような冷たく響く床は、ワークショップの雰囲気とミスマッチになることが多いです。抽象的になってしまいますが、ちょうど良い塩梅の床がいいですね。

備品に不足はないか

備品の有無は必ずチェックをしましょう。資料を投影するつもりで会場に行ってみたらプロジェクターがなかった、なんてことが起こったら最悪です。私は主に、マイク・プロジェクター・スクリーン・ホワイトボードが使用可能かを確認しています。

少人数、小会場でのワークショップなら不要ですが、私は基本的にマイクを使ってワークショップを進行することがほとんどです。私にとってベストなのは、自分用に一本、参加者用が全体シェアをする時用に一本、計二本のワイヤレスマイクが使える状態。有線マイクだと動ける範囲が限定されてしまうので、会場の至る所でファシリテーションをする私のスタイルには馴染みません。

プロジェクターとスクリーンはワークショップを支える要です。私は各回必ず投影資料を準備していて、作りたい雰囲気や目的に応じてトーンを調整しています。投影資料は会のムードを方向付けるため、参加者が迷子にならずワークに取り組めるために、絶対に外せないツールです。

そのため、プロジェクターとスクリーンが快適であるかどうかにはこだわっています。プロジェクターは、天井備え付けのものや、エプソンやキャノンなど、自分が信頼できるメーカー製品を借りられる会場がオススメです。小型の簡易プロジェクターは性能が低いことが多く避けています。どのプロジェクターでも、ハッキリと文字が視認できるよう、開始前に調整しておくことがマストですので、操作には慣れておきましょう

スクリーンは天井から引き下げるか、持ち運び形式なら骨組みがしっかりしているものが良いです。中には骨組みが弱くて、微風でもスクリーンがゆらゆらとたわみ、投影された画像が常に波を打ってしまうものがあります。これだと参加者の集中力を欠きますし、空気の入れ替えのために窓を開けることができません。

プロジェクター・スクリーンの代わりに大きなテレビモニターが設置されている会場もGoodです。(会場の規模に対して小さいモニターは後方からの視認性が悪いので不可)

ホワイトボードは参加者へのアナウンスを記載しておいたり、皆さんから出たご意見を書き留めたりと、ワークショップ進行の幅が広がります。こちらは投影資料や模造紙、イーゼルパッドなどでも代用できるので、あればベターという感じです。

レイアウトしやすいか

部屋のサイズとも関係しますが、机と椅子を自由に動かすことができるかどうかは、とても重要なポイントです。中には机が固定されていたり、とても重厚で気軽に持ち運べなかったりする場合があります。

ワークショップはグループごとに島を作って座っていただくパターンが圧倒的に多いので、いざ会場について「動かせない…!」と気づくといきなり計画が破綻してしまいます。そうならないために、写真を見たり、会場に問合せをしておくなどして、机と椅子を動かせるかは必ず確認しましょう。

椅子も普通のパイプ椅子だったり軽量な椅子であれば何の問題もないのですが、社長室に置いてありそうな厳つい椅子だったりすると手に負えません。こうした椅子の存在感は、ワークショップの雰囲気にも著しい影響力を及ぼします。

空気の入れ替えはできるか

ワークショップが煮詰まった時、参加者に疲れが見え始めた時、会場内の空気を入れ替えることで、ムードがガラリと一変することがあります。特に、春のさわやかな風が香ったり、冬の冷たい空気が舞い込んできたりすると効果抜群です。

以前にワークショップの効果を高めるために、場の空気を簡単にリフレッシュする方法! という記事で少しだけ換気の重要性について書いたのですが、私は空気がよく通る会場だと、いいワークショップをご提供しやすいと思っています。

ベストなのは窓がたくさんついていて、同時に開閉できる部屋です。高層マンションだと窓の開閉ができないことが多く、私はやや敬遠しています。窓が開けられない場合は、ドアの開閉で空気を入れ替えることができるかを探ります。ドアが1つだけだと弱いので、私は2つ以上開けられる会場が好きです。窓が開かない、ドアを開けてもダメそうな会場は避けています。

一方で例外もあります。先日お伺いした東京ポートシティ竹芝のWeWorkは、窓もドアも開きませんが、空調がよく効いて最高の環境でした!

トイレは充実しているか

最後に確認するのがトイレの個数です。

トイレの数が少ないと、休憩時間に渋滞が起こります。この時にとてもストレスが生じやすく、ワークショップのムードに悪影響です。せっかくの休憩時間ですから、参加者の皆さんが安心してくつろげることが大切です。

そのため私は、15人定員で、同室内にトイレが1個だけついている、といったような会場はできる限り避けています。

知らない人どうしが集まるワークショップだと、たまたまトイレでお会いした時に声をかけて雑談が始まるとか、仲良くなるといったこともよく見られます。こういう偶然が生まれたり、それぞれがリラックスして休憩時間を過ごすためには、トイレの数が多く、男女で分かれている会場を選ぶのが良いと思います。

中にはフロアごとに男性用トイレと女性用トイレが交互に配置されていたりする会場があります。こうした会場を使いたい時は、休憩時間をいつもより長めにとっておきましょう。

そしてもう少し踏み込んで言えば、トイレが綺麗な会場だとベストです。

ほんの少しだけ気にする喫煙所の有無

ここからは余談になりますが、会場内に喫煙スペースがあるかどうかも、私はいちおう確認しておきます。参加者の中に喫煙者がいらした際、ずっと吸えない状況が続くのは本人のコンディションを下げます。もしそのストレスが他の参加者に伝染してしまったら、ワークショップ全体の損失です。

そのため私は、会場内に喫煙所がある部屋を確保できたらラッキー、くらいに思って会場を探しています。(ただし、希望の会場に喫煙所がなかったからと言って、候補から外したりまではしていません)

会場内に喫煙所がない場合は、近くだったらどこで吸うことができるか、そこまで何分かかるかをリサーチしておいて、休憩時間に教えてあげられるとすごく喜ばれます

ということで、今日は「ワークショップの会場選びのポイント ~施設・設備編~」について書いてみました。次回は立地編を書いてみようと思います。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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