ワークショップの予定表は「料理のレシピ」 のような分かりやすさを目指そう

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。昨日『amazonのすごい会議』を読んでいたのですが、同社が定めている会議資料の作成ルールにとても驚きました。原則パワーポイントでの作成は禁止されていて、文章で仕上げることが徹底されているそうなのです。パワーポイントの図や箇条書きだと、人によって解釈の違いが生じやすいため、誤認がないレベルの文章で作成する、と。

でも実は、ワークショップの中にも「短い言葉で、相手に誤認を与えない」ライティングスキルが求められるシーンがあるんですよ。何かというと、予定表の作成です。

特に、この予定表を誰かと共有する場合は、解釈の違いが生まれないような文章表現・FMTの活用がマストになります。

目次

曖昧な情報に接した時、人は都合の良い想像をする

ワークショップの運営って、全てを1人で完結するケースよりかは、複数人のチームで実施するケースの方が多いのではないかと思います。私も毎回依頼してくださるクライアント様と一緒に、企画〜当日の運営を進めています。

そうなってくると重要なのが、お互いの意思疎通です。

ワークショップのような現場での即興性が高い活動は、定型の研修などと違って、当日の成果をイメージするのがやや難しいという特徴があります。そのため、打ち合わせ〜ワークショップの完了に至るまでに、「解釈違い」が生まれる可能性が無数に潜んでいます。

どうしてかと言うと、人間はやや理解しきれない曖昧な情報に接した時、その行間を「期待で埋めがち」だからです。よくわからなかったけれど、きっとこういうことだろう、と勝手に自分に都合の良い方向に補正をかけてしまうわけです。

この状態でワークショップが始まると「聞いてない」「思っていたのと違う」「期待外れだ」などのクレームを誘発します。こうなってしまったら最後、二度とお声はかからないでしょう。

ワークショップの予定表は「料理のレシピ」を目指して仕上げる

こうならないためには、ワークショップの予定表を「誰が読んでも解釈違いが起こらない状態」に仕上げることが重です。

イメージとしては、料理のレシピです。料理のレシピは、食材を書いてある通りの手順と分量で調理すれば、誰でも同じ料理を作ることができます。ここで塩を入れていいんだっけ? とか、何から炒めるんだっけ? 何分煮込むんだっけ? などといった疑問が生じないように工夫されています。

ワークショップの予定表が目指すところもこれと同じです。何から始まり、どんな工程が存在して、それぞれに何分かかるのか、備品はどこでどう使うのか。これらが明確になっていて、自分ではない他の誰かがファシリテーションしたとしても、ピタリと再現できる状態が理想です。

そのためには、

  • 情報の抜け漏れが生じないFMTを使う
  • 漏れなくダブりなく端的に書く

という2点がセットになります。

私が使っているワークショップの設計図

ちなみに私は、下記のようなFMTでワークショップの情報をまとめるようにしています。ツールはGoogleスプレッドシートを使用しています。エクセルで作るよりも相手に共有しやすい(相手がエクセルをDLして開く手間がかからない)点が気に入っています。

シートの左側には時間を明記しています。開始時間、終了時間、所要時間の3点です。これは設計時の確認に便利なのはもちろん、ワークショップ当日も役に立ちます。ワークショップって時間が流動的になりがちなので、その都度時間配分を考え直す必要が生じるのですが、この3点が揃っていると調整が容易です。どれか一つ欠けると、頭の中で引き算や足し算をしなければならなくなるので、瞬間的な作業が難しくなります。

シートの中央には、大項目、詳細、ゴールと、ワークショップの内容に関する情報をこちらも3点セットでまとめています。大項目を記載しておくと、パッと見た時に大枠がつかめるのでオススメです。各ステップのゴールを併記しておくとワークの情景が想像しやすくなり、相手との解釈違いを軽減することができます。

こうしたFMTに、端的な文章で情報を載せていきます。冗長な文章表現は、それだけで相手の理解力を低下させてしまいます。ですから、ここまで書いてあれば理解できるというミニマムのラインを見極めながら、極力情報量を減らしていくことを意識しています。

一緒に運営に携る仲間との解釈違いが減り、深い共通理解を生み出すことができたら、場作りの質は一味も二味も深くなります。参考になるポイントがあれば、ぜひ試してみてください。今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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