ワークショップ中に「時間が足りない!」とイラ立つ参加者の不満を軽減するための小ワザ

ワークショップや研修の時間管理

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。

私は仙台を拠点にワークショップの企画運営や

ファシリテーション、コーチングなど、

人が前進するための場作りを行っています!

私は普段ワークショップを運営する際は

なるべく時間に余裕を持って

プログラムを設計しています。

時間に追われるプログラムは

参加者の満足度を著しく下げる

傾向が強いからです。

ですが本番は生ものですから

どう頑張っても

時間が足りなくなってしまうことはあります。

そうなると

設計していたより

各ワークの時間を縮める他ありません。

参加者を追い立て

ムリを強いる状況になります。

そんな時

条件次第にはなりますが

出来る限り参加者のイライラを緩和する簡単な方法

があります。

説明は例を出したほうが分かりやすいので以下をご参照ください。

  • 5分間で予定していたワークがあった
  • 時間が無くなったので4分に短縮せざるを得ない
  • 4分だとかなり参加者が頑張らないと難しい

こういうシーンがあったら

3分30秒でワークを終わらせてください!

と実際に差し上げられる時間よりも短い

偽の時間を明示したうえで、

4分間ワークをしていただくんです

そうすると4分で終わらせてください!と明示して

指示通りに4分間ワークをしてもらうより

参加者の不満が薄まる時がある

と経験則から感じています。

この理由について

私なりに考えてみました。

目次

アンカリング効果による作用

今回も

長時間でもだれない会議やワークショップを実施する裏ワザで調べた時のように

認知バイアスから説明することができないかと考えました。

そこで知人に話しをしてみたところ

アンカリング効果(anchoring effect)

の作用ではないか?

との助言をもらいました!

アンカリング効果

アンカリング効果(anchoring effect)とは、判断や予測が難しいときに最初に接した目安の数字や価格、特定の情報が判断に大きく影響する現象のこと。認知バイアスの一つ。アンカー効果。

情報が十分にそろっていないとき、最初に接した数値や情報が印象に残って判断基準にバイアスがかり、その後の行動に影響を与えるというもの。

確かにこれは納得の助言でした。

先ほどの例を再掲しながら話しを進めると

分かりやすいと思うのですが

最初に接した数字(3分30秒)によって

ええ?短いよ!

マジかよ・・・?

という感情や反応が参加者の中に生まれます。

ですからワーク中は

短い短い!

早くしなきゃ!

できるだけムダを削がなきゃ!

などの言葉が脳内に湧き続けることでしょう。

その結果、自ずと行動が洗練されます。

そうした状況で

実際に提示した以上の時間を差し上げると

あれ?思ったよりも時間があるなあ。

3分30秒でここまでやれるんだ。

というポジティブな錯覚が生まれます。

実際には錯覚ではなくて

本当に3分30秒以上の時間を使っているんですけど

思っていたよりもできたじゃん!という手ごたえは

参加者の不満を軽減したり

満足度を高める作用があります。

思っていた通りにできた

思っていた通りできなかった

思っていたよりもできなかった

という気持ちよりも、圧倒的に!

このワザを発動するための条件

しかし

このワザは無敵で万能なわけではありません。

いくつかの条件が整った場面でないと機能しないのです。

だから決して闇雲には使わないでください。

私が考えるこのワザの発動条件は以下の3つです。

  1. 参加者も時間が押していることを自覚している
  2. 参加者が会の進行に協力的である
  3. 提示する偽の時間でなんとかワークを終えられる

    まず参加者自身が

    時間が押してるよなあ?

    と自覚していることが重要です。

    でないとワークの時間を短縮する提案をしても

    びっくりされて終わるのが関の山です!

    かつ、参加者の雰囲気が良く

    進行に協力的であることが欠かせません。

    参加者が非協力的な場合

    短い時間でのワークをお願いすると

    なんで我々が頑張らなきゃないの?

    と反発されるでしょう。

    最後に

    その時間だったらなんとかギリギリできそう・・!

    と参加者に思ってもらえる時間を差し上げられることです。

    「そんなの絶対無理!!」

    と思われるような作業時間を提示してしまうと

    その瞬間に参加者の不満度が急上昇して

    取り返しがつきません。

    だからこれらの3つのポイント

    を外してワザを発動すると自滅します。

    どうしても作業の時間が足らないときは

    小手先のテクニックに頼らず

    ワークの内容を変えるなり

    正直に持ち出して謝るなり

    誠実に対応するほうが良い結果につながります。

    ワークショップや研修のリードは楽しい!

    いかがでしたでしょうか!

    今回は少しテクニカルなテーマだったので

    そんな細かいことできないよー!

    とお感じになった方もいるかもしれません。

    もちろん、

    私もワークショップを始めた頃は

    決められた予定通りに進行することだけで

    本当に精いっぱいでした。

    (それすらも、ままならない日も多々あった)

    ですがずーっと取り組んでいうるうちに慣れてきて

    予定通りに進行するのが苦ではなくなりました。

    更に続けているうちに

    予定外のことが起こっても動じなくなり

    もっと進むと

    むしろ自ら予定外な状況を創り出すことを

    嬉々として考えながら

    当日の進行をできるようになりました。

    場にいる方々とコミュニケーションを交わしなが、

    会の目的を素晴らしく達成するための道筋

    を探していく時間は

    私にとっては楽しくて仕方ありません!

    私はこうして

    ワークショップや研修をリードする楽しさ

    に酔いしれる人がもっと増えて

    日本のワークショップや研修が

    もっともっと機能する空間になることを願っています。

    そのために場作りをしますし

    ファシリテートの相談をされたら応えるし

    こうして自分が実践しているTipsも

    発信し続けて行こうと思っています。

    何か参考になれば幸いです!

    対話をもっとおもしろく。

    相内 洋輔

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