アイスブレイクは盛り上がらないとダメ?

先日のことです。ワークショップが始まる直前に、主催の方から「アイスブレイクの盛り上がりに期待しています!」と満面の笑みで励ましていただきました。確かに、アイスブレイクがわーっと盛り上がると、ワークショップ全体がうまく進むイメージがありますよね。お気持ちは大変よくわかります。

 

でも本当にそうでしょうか?

 

少なくとも私は盛り上がる=良いアイスブレイクではないと考えていますし、アイスブレイクが盛り上がったらワークショップがうまくいくとも思っていないのです。

 

一方で、「アイスブレイクは参加者をすごく盛り上げないとダメ」という強迫観念を持たれている方って、実はけっこう多いと思います。この傾向は特に学生において顕著で、学生にアイスブレイクをお願いすると、超ハイテンションで歌って踊る系のものばかりチョイスしたがるんですよね。それで場が盛り上がればいいのですが、大抵は実施者自身が照れながら踊るため、参加者もどうノッていいのか分からず、すごく微妙な空気で終わることになるのです。

 

それでこの記事を書いておこうと思いました。

アイスブレイクで重要なのは参加者が場になじむこと

私は趣味で川釣りをしているのですが、川に放流されたばかりの魚は、水になじむまで餌を食べようとしません。それと同様に、人間も置かれた空間になじむまでは、知らない人と対話をするどころではないと思うのです。

 

アイスブレイクとは、そうしたガチガチの状態から参加者を解きほぐすために、緊張感を和らげ、話しやすい空間を作ることを目的にした時間です。だから、自己紹介をする、チェックインで今の気持ちを伝える、自分の好きなものを語る、共通点を探すなどなどの静的な内容でも、緊張感が減りさえすれば効果抜群なのです。

 

むしろ無理やり体を動かして緊張をほぐそうとするのは逆効果。アイスブレイクでは、心の緊張を丁寧にほぐしてあげる意識が大切だと思います。

 

こうした感覚の違いは、起点となる問いの違いから生まれているのだろうと思います。アイスブレイク=盛り上げるものと捉えている方は、どうしたらアイスブレイクが盛り上がるか? という問いが起点。

 

私は、アイスブレイク=場になじむためのものと捉えているので、今回の参加者が場になじむために何ができるか? という問いが起点です。

このほうが参加者にとっても、運営者にとっても、無理のない場作りにつながります。

アイスブレイクを本編から切り離さない

こうした前提のうえでさらに付言すると、私はワークショップではできる限り、アイスブレイクと後半のワークが接続されるように設計したほうが場が深まると考えています。特に2時間や3時間のワークショップでは時間を無駄にすることができません。そのためアイスブレイクも目的を達成するためのひとつのワークとして位置付けます。

 

例えばワークショップのメインワークがブレストなら、アイスブレイクでは共通点探しをしながら「好きな食べ物」をたくさん連想することでブレストに慣れていただく。

 

メインテーマが相互理解なら、アイスブレイクでは「理想の休日の過ごし方」を語っていただくことで、価値観の違いや多様性を意識し始めていただく、といった具合で、後半のワークの性質やメインのテーマにアイスブレイクを紐づけるのです。

 

全く本編に関連がないアイスブレイクを配置するより、こうしたデザインを意識した方が、本題でしっかりと盛り上がれます

 

そこまで考えるのが難しければ、最低限、心の緊張がほぐれることを意識した、参加者にとって優しいアイスブレイクを意識してみてください。それだけで、ワークショップの成果がぐんと深まりますから。

点と点を線でつなぐアートの結果

 

人生を自分らしく!

相内 洋輔

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