ワークショップ運営でよく起こりがちな3つのトラブルと防ぎ方

予防できるトラブルは事前に対策をしておくのが吉

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。ワークショップは「生もの」なので、予定通りに完了することはほとんどありません。どんな場でも、予定を揺るがす大小さまざまなトラブルは必ず起こる、と心の片隅で構えておくほうが安全です。

ワークショップの現場で起こるトラブルは、大別すると、事前に対策をしておくことで回避できるタイプと、偶発的すぎて準備しておけないタイプの2つに分かれます。

偶発的トラブルへの対処は、完全に経験が物を言いますので、できる限り場数を積んでいただくことが最上の対応策となります。

一方で、事前に備えておくことで回避できる可能性が高まるトラブルは、しっかりと対策を練り、徹底して遠ざけるに限ります。当然ですが、トラブルは少ないほうがいいワークショップになるからです。

この記事では私がよく遭遇するトラブルと、それに対してどう事前に手を打っているのかをご紹介します。

目次

参加者の無断欠席や途中離席

私がワークショップを開催していて最も頻出するトラブルが、参加者の無断欠席と突然の途中離席です。ワークショップは多くの場合、参加者の人数に合わせたグループ分けやコンテンツデザインをしています。

例えば5人グループから1人減って4人になるのはあまり致命的ではないですが、4人グループから1人減って3人編成になってしまうと盛り上がりに欠けてしまったり、うまく役割分担ができなかったりと、参加者の満足度を下げてしまうリスクが急増します。

また、ペア対話を予定していたのに、グループの人数が奇数になってしまった、さてどうしよう…、といった悩みが発生したりもします。せめて事前に分かってさえいれば…!

こうした人数の加減が重要なワークショップでは特にですが、参加者の無断欠席と途中離席がなるべく起こらないようにアナウンスをしておくことが重要です。

自分が主催するワークショップなら、案内メール等でこうした事情を伝えると共に、欠席や途中退出の際は事前にお知らせください、と連絡先を明示しておくことが何よりの予防になります。また、受付時に最後まで参加できるか確認するのも有効です。

自分以外の主催者がいるワークショップであれば、連携を密にして、参加者の出欠を逐一連絡してもらえる関係を築きましょう。

こうしたポイントに留意したうえで、もし当日にドタキャン・途中離席が起こったらどう対応するかをシミュレーションしておくこと。円滑な運営のためには、欠かせない準備です。

投影資料がスクリーンに映らない

現場でとても焦るのが「投影資料が映らない」というトラブルです。本当に不思議なんですが、どうにも接続が悪く、投影資料が映らないということが、ままあるんですよね…。体感的には50回に2回程度。

これには自分のパソコンの調子が悪いケースコネクターの調子が悪いケーススクリーンやモニターの調子が悪いケースがあります。もし当日資料が映らないことが起これば、焦らずひとつひとつ確認しましょう!

対面でのワークショップで投影資料が映せなかったら本当に大変です。こうしたトラブルを避けるために、私はワークショップ開始時刻の1時間前には会場入りして、まず真っ先に資料が投影できるかどうかを試すようにしています。ぶっつけでの接続はリスクが高すぎます。

コネクターはHDMIとVGAのどちらでも対応できるよう準備しています。HDMIは映らないけれど、VGAだと映る、といったことも起こったりするので、どちらか片方だけの用意では不足です。(会場によっては、最初からどちらか片方しか存在しないこともよくあります)

加えて、当日の投影資料は、必ずワークショップの主催者へ事前にお送りしておくようにしています。自分のパソコン・コネクターの問題で投影できなくても、他の方のパソコンやコネクターなら投影できる、というケースがよくあるからです。同様の理由で、いつでも他の人のパソコンにデータを移行できるよう、USBを持参することも忘れません。

このトラブルについては、ここまで対策をしておけばほとんど問題は起こらなくなります。

主催者やゲストの挨拶が会の趣旨と真逆

この記事で紹介するトラブルのうち、最もアンコントローラブルになりやすいのが、主催者やゲストの挨拶です。

ワークショップではオープニングやエンディングで誰かが挨拶やまとめの講話をすることがよくあります。ワークショップの意図を汲んで話してくださる方が毎回来てくださると本当に有難いのですが、中にはそうではない場合もあるのです。特に辛いのが、ワークショップで目指している内容と、全く逆の発言をされてしまうケースです。

例えば「チームでの協働がユニークなアイデアを生む」ということを体感いただきたいワークショップの冒頭で、「ユニークなアイデアはアイデアマンにしか出せないんですよね! 世の中の発明はたいていひとりの天才によって作られているんですよ」と挨拶されたらどうでしょう。参加者は一気に白けてしまいますよね。こういう日のファシリテーションは一気に難易度が跳ね上がり、ヒヤリとした汗が背中を流れます…。

ここまで大袈裟な例ではなくても、参加者の能力を疑っていたり、そもそもワークショップそのものを良しと思われていなかったりなど、様々な要因で、ワークショップ参加者のマインドを挫く挨拶をされてしまうことは普通に起こります

そうならないようにするためには、事前のコミュニケーション。これに尽きます。

挨拶をされる方と直接コミュニケーションできる環境があれば、ワークショップの趣旨を簡単に伝え、こういうメッセージで参加者の背中を押して欲しいとご依頼すること。直接やりとりできる状況に無い相手は、主催者や然るべき人に依頼して、メッセージして欲しい内容をお伝えすること。

こうやって、皆でいい場を作るのだという共通了解のもとワークショップを始められた時は、とっても素敵な時間になるものです。

ワークショップは決してやり直しが効かない、一発勝負の場です。ですから事前に取り除けるリスクは徹底的に排除して、いかに円滑な運営をキープできるかが極めて重要になります。そのために、この記事が何か少しでも参考になれば幸いです!

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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