少しずつ秋の気配が近づいて来ていますね。皆さまいかがお過ごしですか。今日は『現実はいつも対話から生まれる 社会構成主義入門』をご紹介させていただきたいなあと思い筆を取りました。
現実はいつも対話から生まれる 社会構成主義入門
現実はいつも対話から生まれる 社会構成主義入門
著者:ケネス・J・ガーゲン メアリー・ガーゲン
監訳:伊藤守
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
私たちの「当たり前」は人それぞれ
私たちの当たり前はそれぞれに違います。そんなことはよーく知っているはずなのに、どうしてか我々はつい「きっとあの人も同じだろう」「きっと皆もできるだろう」というふうに考えてしまいがちです。
そしてそうではなかったことに気づいた途端、自分勝手に「あいつはおかしい」「裏切られた」などとたびたび被害者意識を持ってしまうのです。
つい先日、コロナウィルスの蔓延拡大によって、予定していた対面でのワークショップがオンライン開催へ変更になりました。こうした状況が始まって1年半。もうZoomくらい日本中の誰もがカンタンに使えるだろうと高を括っていた私は、余裕綽々でいました。つなぐだけですからね!
ところが!
事務局の方々が参加者にZoomを使えるかどうかを丁寧に確認してくださったところ、そもそもPCを持っていなかったり、Wi-Fi環境がなかったりと、Zoomを使えない実に多彩な理由が集まったのです。
私は改めて、自分の当たり前だけを基準に物事を思考するリスクを学びました。
思い込みは掛け違えを生む
こうした前提の相違による掛け違いは、きっと日本のそこら中で溢れかえっているのだと思います。例えば、上長は「我がチームのコンディションは良好!」と認識していたけれど、実際はメンバーの不満が爆発寸前、なんてことは職場のあるあるですよね。
本書のタイトルの通り、社会構成主義では、その場に集う人たちが合意してこそ、初めて全体の現実となるということが語られます。私たちはこのプロセスをすっ飛ばして、自分の頭の中だけで物事を解釈をしがちです。
でも、「私はいま、目の前で起こっている物事をこのように認識している。君はどう?」というコミュニケーションを丁寧に重ねない限り、それはずっと、全体の了解にはなり得ないのです。
だから私は、ワークショップを通じて、参加者の認識が整っていく瞬間が大好きです。
最近あなたの組織では対話が生まれましたか? もし組織のコンディションがあまり良好ではない時は、一度立ち止まってお互いの認識をすりあわせてみてはいかがでしょう。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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