WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。私は高校2年生だった2002年頃からワークショップを作り始め、2004年に大学へ入って以降、本格的にワークショップを探究し始めました。
ワークショップの企画運営はとても楽しく、とことん没頭していられる対象でした。ずっとアイデアを考えていたくて、気づけば空が白み始める、という夜を幾晩も過ごしてきました。
それくらいワークショップへの興味関心が強かったのですけれど、当時はこれを仕事にできるとは全く思っていなかったので、普通の会社に就職したんですね。
しかし、ご縁が巡り巡って、ワークショップの専門家になれる日が来るとは…!
こんな素晴らしい未来は、想像すらしたことがありませんでした。
私のワークショップの原点は、「演劇」と「ネイチャーゲーム」にあります。対面でお話をしたことがある方には、けっっこうお伝えしているのですが、このブログ内ではあまり言及してこなかったように思い、今日は演劇とネイチャーゲームのワークショップが、私に与えてくれた影響について書いてみたいと思いました。
演劇×ワークショップからの学び
私は3歳〜大学4年生まで、ラボ教育センター(以下ラボ)という団体に属していました。ラボでは英語と日本語での演劇制作が活動の大きな特徴で、私は約20年の在籍期間中に50回以上は舞台に上がって来たのではないかと思います。セリフと音響以外には決まりがないため、振り付けは出演メンバーが自ら考え、半年近く準備を重ねて発表に臨むスタイルです。
夏季・冬季の長期休みに開催されるラボキャンプにおいても、演劇は活動の柱でした。高校生のリーダーがグループ活動を切り盛りし、キャンパーの小中学生30名程度と、3泊4日の短期間でひとつの演劇を作りきるのです。この振り付けを考えるためのアクティビティづくりが、私が1番初めに手がけたワークショップでした。
たとえばピーター・パンに登場する人物の性格分析、みにくいアヒルの子の動き方の想像、トム・ソーヤが命じられた壁のペンキ塗りを実寸で体験するなどなど、限られた時間の中でも演劇制作を進めるためのヒントが得られるよう、各高校生リーダーが工夫を凝らしてキャンプに臨むわけです。私も例に漏れず、たくさんのワーク案を考えてキャンプに挑んだものでした。
大学生リーダーになってからは、300~500人程度のキャンパー全体に向けたワークショップの企画運営、野外活動のコース作成、高校生リーダーの育成研修の開催などなど、本当にいい経験をさせていただきました。
特にコンセプトの重要性を体感できたこと、目標の階層性(〇〇を通じて、〇〇を学ぶ、その結果〇〇になる)を学べたことは、ワークショップデザイナーとしての財産になっています。
また、毎週開催していたミーティングの会議ファシリテーション、プログラムのファシリテーションを大量に体験させていただいたことは、何物にも代えがたい経験でした。
ネイチャーゲームから受けた影響
私は大学3年生の時に、ネイチャーゲームリーダーの資格を取得しました。上記のキャンプで野外活動の設計も担っていたため、よりよいコースづくりのためにレベルアップしたかったのです。
ネイチャーゲームは、米国のジョセフ・コーネル氏が考案した自然体験プログラムです。 特別な知識がなくても自然の中で楽しく遊べるアクティビティが170種類以上あります。
アクティビティは、①熱意をよびおこす ②感覚をとぎすます ③自然を直接体験する ④感動をわかちあう という4つの種類に分かれています。これらをフローラーニングという考えに基づき組み上げ、ひとつのプログラムを作ります。
フローラーニングとは簡単に書けば、参加者の心の状態に合わせながら、学びを深めていく流れをデザインすることです。自然体験への理解を深めたくて参加したネイチャーゲームリーダー講習だったのですが、結果的に、この理論は以降の私のワークショップ設計のコアになっていきました。
また、ワークショップ運営に関する基本的な思想哲学も、ネイチャーゲームリーダー講習から大きな影響を受けています。共通の体験を通じて、「今、ここで」気づいたり感じたりしたことをシェアリング(わかちあう)することの大切さ、カウンセリングの大家カール・ロジャーズが掲げた「共感的理解」「無条件の肯定的配慮」「自己一致」などの姿勢を体感することができたのは、この講習のおかげです。
文字通り、ワークショップデザイナーとしての土台になっています。
この記事は見切り発車で書き始めてみたのですが、ちょっと自分が思っていた以上に、かなり細かい部分まで書きたくなってしまうテーマでした。文字量が多くなったので今日はここまでにしますが、また取り上げたいなあ。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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