WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
仙台を拠点にワークショップの企画運営や
ファシリテーション、コーチングなど
人が前進するための場作りを行っています!
私は日常的に人前に立って
ワークショップ研修のファシリテーターをしています。
少ないときは10人くらいから
多いときは100人くらいの参加者を前に
ファシリテーションをしていますが、
どんな規模においても
「その場にいる参加者に何が起きているか」をつかみ
参加者の状態に寄り添ったファシリテーションをすることが大切だと思っています。
意図的にワークショップの場を深めることができた時は、
体中がしびれるような、
言葉にしがたい快感です!!
ファシリテーターをすることで精いっぱい!
という方や、
参加者に何が起きているかなんて分からない!
という方もいらっしゃると思いますが
慣れてくれば
必ず場の流れをつかめるようになります!
今日はそんな方に向けて
私が場の空気や質をつかむために心がけていることを紹介します。
機能するワークショップ研修が増えること
ワークショップの進行にやり甲斐を感じる方
が増えることを意図して!
場の空気や質をつかむためのチェックポイント
早速ですが、
私が場の空気や質をつかむために
チェックしているポイントを具体的に紹介します。
参加者の姿勢や表情
参加者の姿勢や表情はたくさんのことを教えてくれます!
背筋がピンとしている方が多いタイミングもあれば
眠気や疲れなどで
椅子にもたれかかっている方が多いタイミングもあります。
疲れているんだけど、
充実感に満ちた表情を浮かべている方もいます。
みんながワイワイやっているのに
寂しそうな顔や、自信なさげな顔をしている方も。
それらひとつひとつをじっくり観察して
どんな顔をしている方がどれくらいいるか割合を見てみる
そうすると場に何が起こっているのか
つかむ糸口が見つかることがあります。
参加者の反応
参加者の反応は、
とてもダイレクトに場の様子を教えてくれます。
例えば深く考え込んで欲しいワークで
ぱっと反射的に行動する方が現れると
あれ?何かおかしいな。
そんなにすぐ実施できる問いじゃないのに。
と感じることがあります。
こうした場合は、
議論が到達して欲しい深さまで達しないかもしれません。
反対に、
間が空くという反応もヒントです。
深く考えて欲しいタイミングであれば
思考に夢中で
多少手が止まるのは問題ありません。
でも、
すごく簡単なワークと
単純な指示にも関わらず間が空いたら?
参加者が疲れていたり
ワークがこの先どうつながっていくのか
想像できず嫌になっているのかもしれません。
主催者やファシリテーターへの怒りが溜まっていて
指示は聞こえているけど、
オレたちはもうやりたくないよ
というメッセージを暗に伝えていることもあります。
ワークの成果
ワークの成果も場の状況を測る目安になります。
予想をはるかに超えるアウトプットに
小躍りをしたくなる時もあれば、
遥かに下回るアウトプットに
え・・・・?
どうしよう・・・。
と途方に暮れたくなることもあります。
ワークが段階的に進んで行く場合は
ひとつのステップが十分に深まっていないと
その後のワークが連鎖的に機能しなくなります。
ファシリテーターは
こうした状況に陥らないよう
適切な処置をしていくことが求められますので
意図に叶ったアウトプットが出されているか
しっかり確認することがとても大切です。
私は場合によっては次の段階のワークに進まず
問いや手法を変え、
同じレベルのワークを続けることがあります。
時間は限られているので焦りはしますが・・・
深まっていないものを無理やり次に進めても
いい成果が生まれません。
逆に、
出ているアウトプットはいまいちでも
先に進んで問題ない時もあります。
模造紙には全然何も書かれていないけど
その理由はものすごく議論が盛り上がったから
ということもあるんです。
運営者の様子
私は参加者の状況もさることながら、
運営者の様子も常に観察しています。
参加者でもなく、
ファシリテーターでもない立場からだからこそ
見えることや感じられることがあるためです。
リラックスして笑っているのか
意図したとおりの展開に高揚しているのか
何かに驚いて顔を強張らせているのか
ワークの進行がいまいちで戸惑っているのか
運営者の挙動は情報の宝庫です!
ちなみに私は、
一緒に運営をする方々には
参加者の様子をよく観察し
予定の変更が必要と感じたら
いつでも持ち出してください!
と伝えています。
ファシリテーターが1人で進行しきるのではなく
場にいる皆の力や感性を存分に生かしすことで
より場のフィット感を高めることができます。
特定の参加者をベンチマーク
参加者が100人くらいになってくると
全員の心の中を推し量るのは困難になります。
そういう場でおススメしたいのが
参加者のうち何人かベンチマーク
しておくことです。
そして途中途中で、
その方々がどんな様子かを観察するのです。
私はタイプが違う方を4~5人選ぶことが多いです。
男性と女性、
盛り上げ役の方や、黙々と作業に取り組まれる方
自信がありそうな方や、なさそうな方
リーダー気質の方や、フォロワー気質の方など
対照的な方を選ぶことがポイントです。
これを行うと、
参加者がどのように変化していっているか
何を感じているかを部分的にでもつかむことができるので
他の参加者にも同様のことが起こっているのではないか?
と推測しながら場を観察できます。
それだけで、ぐっと、
場で起こっているかを的確に把握できる確率が高まります。
なぜ場の空気や質をつかむことが大切なのか!
以上が、私が場をつかむためにチェックしている主なポイントです!
そもそもですが、
なぜワークショップのファシリテーターは
場をつかむことが大切なのでしょう。
私は、
ワークショップは生き物だと思っています。
だから参加者の様子によって
実施内容をがらっと変えることもよくあります。
ワークショップは参加者みんなで創り上げたい
という想いが根底にあります。
参加者が自分を語り
お互いに刺激し合うからこそ
ワークショップは深まっていきます。
そのために
今この空間にはどんな質が充満しているか
ワークの目的を達成するために欠けていることはないか
などを常にアンテナを立ててチェックしていて
すぐに処置しなければならない引っ掛かりが
参加者の中に溜まっていないか
このままの流れで進めていいか
次にどのような声がけをするか
などを判断しています。
そうしたコミュニケーションから、
ワークショップの場が深まっていくと思うのです。
ワークショップを深めるファシリテーターの増加を意図して!
いかがでしたでしょうか?
参考になるポイントがひとつでもあれば幸いです!
私がワークショップ研修で
ファシリテーターを始めたばかりのころは
準備した通りにワークを進めるだけで精一杯でした。
場をつかむとか
場の質を意図的に創るとか
高度なことを考えられるようになったのも
できるようになったのも
ついこの数年のことです。
ただ、
これらは誰かに教わったわけではありません。
自分がリードしたり
誰かのファシリテーションを間近で見たり
参加者としてワークショップに入ったり
コミュニケーションについて学びを深めたりしながら
1つずつ身に付けてきたものです。
やはり技能の向上にあたっては
場数を踏んで探究するというコトも非常に重要です。
ただ、
ワークショップのファシリテーターを務める機会
ってあまり一般的には開かれていませんし
教えてくださる方が身近にいない
ということのほうが普通でしょうし
敷居が高い
と思われている方も多いのではないかと思います。
だから挑戦するのをためらっていたり
ある程度で上達を諦めてしまう方がいるとしたら
とても勿体ないと思うんです。
なぜなら私は
素敵なワークショップ研修が増えたら
日本がもっとワクワクする国になる!
と本気で思っているからです。
だから、
たくさんの素敵なファシリテーターがもっともっと現れたら
とても嬉しいなぁと思っています!
この記事がそうした方の参考になれば幸いです。
追記
マスクを着けている方の様子を観察するためのポイントをこちらの記事で加筆しました。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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