WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
私は現在年間で60〜70回程度のワークショップを提供しているのですが、この半数近くが新規のワークショップです。つまり、毎年新しいワークショップを30個くらい設計している計算です。
新しく設計するワークショップは、どんな成果になるか予想しきれないため緊張もしますが、その「未知」なカンジが新鮮でとても楽しいのです。
今日はワークショップ設計の心構えについて書いてみようと思います。
ワークショップの妙は「流れ」の設計にあり
ワークショップには大まかに3つのパーツがあります。オープニング(意図の説明・自己紹介・アイスブレイク)、メインワーク、クロージング(リフレクション・分かち合い)の3つです。
ワークショップはこれらのパーツの組み合わせで作られるわけですが、結論から書くと、ワークショップを設計する際の基本原則は「仮組みする」に尽きます。細部の完全性にこだわる前に、まずざっくりでもいいから全体像を作ってみて、一連の流れをイメージすることが重要なのです。
なぜなら、ワークショップの大きな流れを見渡したうえで各ワークを眺めてみると、様々な発見があるからです。たとえばコンセプトに合致しない部分があるとか、前後のつながりが悪いとか、結論づけたい方向と矛盾したワークが入っているとかいった類の発見は、全体の流れが定まっていないと見つからないんですよね。
そのため、ワークショップ初心者〜中級者の方は、完璧なワークを仕立てようと躍起になるのではなくて、各ワークが滑らかに流れていくフローづくりに意識のウェイトを置くことをオススメします。
ワークも完全! 流れも完璧! という状態を目指すのは、ワークショップの熟達者になってからで遅くありません。
「仮組み」を許容できる寛容な姿勢で
ワークショップ設計が進まない方、コンセプトから逸れたワークショップを作ってしまいがちな方は、1つ1つのパーツを完璧に仕立てようとしがちな傾向があります。重箱の隅をつつくように細部の確認を続けて、なかなか前に進みません。それで時間切れになって、アウトプットの質が上がらないのです。
前述したように、ワークショップは流れの作り込みが重要なので、虫の目だけを使うのではなくて、鳥の目からのチェックもバランスよく行っていただきたいです。「部分」と「全体」を行き来することから、ワークショップデザインは完成へと向かいます。
これは何もワークショップだけに限らないと思います。たとえば企画書なんかもそうですよね。1枚1枚のスライドは完璧だったとしても、全体として見た時に芯の通ったストーリーとなっているかは別です。
まずは多少稚拙なところがあっても全体像を仕立ててみる。そこから見えてくる不足や違和感を修正して、ということを繰り返していくと、アウトプットは磨かれていくものです。そしてこちらの進め方のほうが、意外と時間も短く済むのですよね。
ということで今日は「仮組みの姿勢」で向き合うことの重要性をお伝えしました。今日はここまで。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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