WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。最近さまざまな方面からオンラインワークショップ運営に関するご質問をいただいており、関心の高さを感じています。
私は2020年の4月からオンラインワークショップの実践を始めて、2ヶ月で15回程度の場作りをしました。
これらの経験から得たオンラインワークショップを運営するコツは、「15年間のワークショップ体験から感じた 対面とリモートの違い」スライド公開 で一部お話しさせていただきましたが、話しきれなかったポイントについて、このブログに書いておこうと思います。
オンラインワークショップの実践に向けて、参考になれば幸いです!
ツールについて
始めに、オンラインツールについてです。
どのオンラインツールを使うのがおススメですか?
オンラインワークショップの設計にぴったりなツールを選ぶことが一番重要ですが、基本的にはZoomをおススメします。回線が安定しているし、参加者にとっても使いやすいからです。
スマフォからでも参加可能ですか?
参加可能ですが、できればPCからの参加を推奨しています。スマフォだと画面が小さいため、資料が読めなかったり、参加者の表情がわからなかったりします。
オンラインツールが苦手でも参加できますか?
問題ありません。ワークショップの参加者がどれだけPC操作やオンラインツールに慣れているか、事前にヒアリングさせていただき、無理なく活動できるよう調整します。場合によっては、ワークショップの前にツールの使い方をレクチャーしたり、マニュアルを配るなどして対応しています。
オンラインワークショップは全てがデジタルなのでしょうか?
様々なツールを駆使すればそうした設計も可能ですが、私は手元に紙やポストイットを用意して書き込んでもらうなど、アナログとデジタルを組み合わせて実践することが多いです。ファシリテーションでは、A3のホワイトボードを活用するなど、人間らしさが感じられるような工夫も織り交ぜています。
注目しているオンラインツールはありますか?
SpatialChat(スぺチャ)にはものすごく期待をしています。アイコンどうしが近づくと声が聞こえ、離れると声も小さくなっていく仕組みが本当に秀逸で、ワークショップ向きだと思っています。現状、動作が不安定なので主戦力に据えるのは不安があるのですが、落ち着いたらZoomとスぺチャが2大エースになると思っています。
プログラム設計について
続いて、オンラインワークショップのプログラム設計についてです。
オンラインワークショップを無理なく行えるのは何時間?
個人的には2.5~3時間くらいが適切ではないかと考えています。もちろん4~5時間のワークショップや、終日のワークショップも設計することはできますが、休憩を多く設けたり、長めのお昼ご飯を挟んで心身ともリフレッシュしてもらうなどのデザインが必須です。パソコンの画面を見続けることによる眼精疲労や、同じ姿勢を維持することにより体の疲労は、参加者の集中力を削いでしまうので、長時間の実施は気をつけてください。
オンラインワークショップに向いているコンテンツは?
自己内省を深めるためのワークショップは、オンラインと相性がいいなと感じています。理由は、自分の空間で、安心して自分と向き合うことができるからです。逆に身体操作を伴うワークショップや、抽象画を書いてもらったりするワークショップはなかなかオンライン化が難しいなと感じています。
オンラインでおすすめのアイスブレイクはありますか?
私は「参加者同士の共通点さがし」がおススメです。4~5人のグループにブレイクアウトしていただき、最近買った物とか、好きな食べ物などのお題を出して、何個共通点が見つかるかをグループごとに競ってもらうと盛り上がりますよ!
ワーク設計で気をつけているとはありますか?
時間配分はかなり気をつけています。オンラインワークショップでは、丁寧に説明を行わないと参加者が迷子になってしまいがち。そのため対面の時のワーク設計より、ゆとりのあるプログラム構成になるよう意識をしています。
ファシリテーションについて
さいごにオンラインワークショップのファシリテーションについてです。
オンラインワークショップの進行で気をつけることは?
分かりやすい指示を出すこと、参加者の反応を拾おうとしすぎず、ラジオのパーソナリティのように自分の語りで場のペースを作ることを意識すると良いと思います。Zoom等の画面から参加者の状態をつかんだり、インタラクティブに交流をしながら進行をするのはほぼ不可能です。そのため熟達したファシリテーターほど、対面の時のこだわりや成功体験をスッパリと手放して、オンライン用のファシリテーションスタイルを確立することをおススメします。
参加者の進捗状況が分からないが、どうやって介入している?
対面だとワークシートの空欄や、参加者の様子などから、ワークが順調に進んでいるかどうかが一目でわかりますが、オンラインではなかなか難しくなります。ただ、オンラインでも出来ることはあります。Googleスライドで作ったワークシートを更新してもらった会では、むしろ対面の時よりも細かく参加者の状況をつかむことができました。介入を前提にオンラインワークショップを設計する場合は、Googleスライドなどの進捗を可視化できるツールを用意し、チャットなどテキストでの連絡をするのが良いと思います。
つながらなくなる等、トラブルが発生したらどうしていますか?
オンラインワークショップは、必ずオンラインツールの扱いに長けた複数人のメンバーで運営しています。そのため、入れない、音が聞こえないなどのトラブルは、ファシリテーター以外のメンバーが個別に対応をしています。
また、当日のトラブルができるだけ減るように、事前にオリエンテーションを行ったり、使い方のレクチャーをしたりしています。
以上になります。良きオンラインワークショップを運営するヒントになれば幸いです。
また、オンラインワークショップのご依頼もお待ちしております!
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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