WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
先日、東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科の学生へワークショップの講義をしていたのですが、「ワークショップには、実施目的を全く知らないまま来る人もいる」といった話をしたところ、とても驚かれました。
ワークショップは能動的な営みですから、誰もが積極的な意図に沿って参加していると思いがちですよね。しかし、それは全くの幻想です。
実際には、友達に誘われたから断れなくて来た、地域の重鎮に指名されたから仕方なく来た、上司に行けと言われたから来た…などの理由で、なんだか分からないけどとにかく来ましたという参加者が一定いるものです。
レアケースですが、過去には社内研修で集まっているにも関わらず、参加者が全く目的を理解していないということもありました。
こうした参加者の状態、構成でワークショップが始まるということを、運営者はしっかりと押さえておく必要があります。なぜなら、この点を見逃すと、出だしで大きくしくじるからです。
ワークショップ開幕時には必ず「目的」と「ゴール」を伝える
上記のような背景から、私はワークショップの開幕時には、必ず今日の目的とゴールをお伝えして、参加者のモチベーションを引き出すことに務めています。
なぜなら前述の通り、ワークショップの場には、一定ワークショップの目的を理解せず来てくださっている人が混じっているからです。そのためまずはこの方々に、今日は何のために開かれた会なのかを認識いただき、それなら力を貸してもいいかな、真剣に取り組んでみてもいいかな、と思っていただくことがとても重要なのです。
以前こちらの記事でご紹介させていただきましたが、参加者間でモチベーションがズレすぎていると、関係の質が悪化し、ワークショップの成果が失われがちです。
そうならないために、まずは全員にワークショップの目的とゴールを知っていただいて、モチベーションの平準化に努めることから、ワークショップは始まるのです。
ワークショップの開幕3点セット
ところが。会の目的やゴールを伝えないままワークショップを進めてしまう人って、実はけっこう多いんです。私の体感的には、これまでに参加したワークショップの1~2割は、きちんと目的やゴールの共有がなされていなかったと思います。
特に初心者ほどこの点をすっ飛ばしてしまって、いきなりワークへ突入し、参加者を困惑させる傾向にあります。これはお互いにとってとてももったいないことです。
ワークショップの目的、ゴール、今日の流れの説明は開幕時の3点セットです。これらをしっかり伝え、参加者に納得してもらえたら、それだけでワークショップの成功率はぐっと高まります。
もしこちらを読んでドキッとされた方がいらしたら、ぜひ次回以降はしっかりと開幕3点セットを伝えてみてください。場作りがガラリと変わりますよ。
今日はここまで。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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