「問いかけ」から豊かな人間関係を創造するワークショップを実施

 

(きっと、問いかけ合う機会が足りていない)

 

ある企業様からの依頼をお聞きしているうち、直感的にこう感じた。新しいメンバーが急に増えたので、お互いの人間関係をよりよくしていきたい、という依頼だった。

 

人間関係が深まるカギは、お互いに興味関心を持ってコミュニケーションをできるかどうかにあると思う。「私に興味を持ってもらっている」と感じられることは、社会性を重んじてきた人類にとってとても重要なことだ。ただ一緒に時間を過ごすだけでは、人間関係は向上しない。

 

この企業様のケースでは、日々の忙しさに押されて、お互いへ興味を持つための余白が無くなってしまったのだろうと推測した。その状態が続いてしまったことで、何気ない会話も始めにくい雰囲気になってしまったのではなかったか。

 

多くの人間は、話しかけるきっかけを見失うと、そのままズルズルと関係を固着させてしまう。そう考えると、新入社員の歓迎会は、お酒の力を借り、気楽に問いかけあうことができる貴重な時間だったのかもしれない。コロナウィルスの影響で歓迎の催事が実施できなくなっている背景も、地味に痛手となっているように思われた。

 

自分への問いかけは、見知らぬおばちゃんがくれる飴玉に似ている。最初はびっくりするけれど、後から思い出すとなんだか嬉しい。

 

今回の依頼では、こうした流れをワークショップの中に創り出したいと思った。ビジネスでは、始めに名刺交換をすることが大前提となっているように、問いかけるという儀式さえ済ませてしまえば、その先には開かれた交流が待っている。

 

エドガー・Hシャイン『問いかける技術 確かな人間関係と優れた組織をつくる』の表紙をめくると、

人間関係を築くのも、問題を解決するのも、物事を前進させるのも、すべては適切な質問があってこそうまくいく。

という一文が記されているように、問いかけが持つパワーは絶大なのだ。

 

当日のワークショップでは、場に集ったメンバーへの問いかけを作成することから始めた。そうして出来上がった人数分の問いかけを投影し、インタビューを進めてもらった。これまでなかなか話せたことがない、と言っていたのが嘘のように、どのペアも質問が尽きない様子だった。

 

表面だけをなぞれば、問いかけを作って、インタビューしあっただけ。ごく単純なワークショップだ。でも本質はそうじゃない。このワークショップは、お互いの心に潜む「遠慮」のストッパーを外しあう、通過儀礼の場としてデザインした。だから、これからのコミュニケーションがどう変わっていくのか、とても楽しみに思う。

 

人生を自分らしく!

相内 洋輔

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