WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
対面でのワークショップを開催できない状況において、ワークショップデザイナーは何の役に立てるのか?
2~3週間ほど悩んだ結果、機能する対話のきっかけを提供することではないかという結論に至りました。(詳しくはコチラをご覧ください)
私はこの不安定な状況下に置いて、機能する対話は「サーフボードのような存在」だと思っています。
コロナウィルスが終息するまでには、我らが体験したことも無いような波が、今後も次々に押し寄せてくることでしょう。
それらの荒波に飲み込まれるのではなく、波を乗りこなしながら未来へと進む力を作っていくためには、機能する対話が欠かせません。
また、刻々と変化していく状況の中で、精神状態を良好に保ちながら日々を過ごすためにも、同じことが言えます。
そこでこのブログでは、機能する対話の増加を意図して、ワークショップ形式での対話手順をご紹介することに決めました。
複数人で意見交換をしていただくのもいいですし、個人の内省にも使っていただけるように設計しています。どうぞ必要に応じて、ご活用ください。
今日のテーマは、「社会が不安定な状況だからこそ、世界の美しさに焦点を当てる」です。
最近皆さんは、ニュースやSNSなどで、あるいは職場やご家庭などのリアルの場でも、頻繁に怒りや不安の感情に触れていることだろうと思います。
私も全く同じ状況で、意識して適切な距離を保たないと、心を引っ張られすぎるなと心配しています。
でも、これらは今、見たくもないのに、聞きたくもないのに、勝手に自分の世界に入って来てしまう状況なので、完全に避けることは相当難しいです。
だからこそこの時間は世界の美しさに焦点を当てるということに意識を向けてみたいなと思いました。
入って来る情報は変えられなくても、こちらがどんなことにフォーカスを当てるかは、自ら選ぶことができます。
ぜひ、ワークショップに参加しているつもりで、自身や周囲の方々と対話をしていただけたら幸いです。
チェックイン
私のワークショップは、必ず「今の気持ち」をシェアすることから始まります。
だからこの場でも、ぜひ心を落ちつけて、じっくりご自身の中を探ってみてください。
今あなたはどんな気持ちを感じていますか?
体の状態はいかがですか?
心の中にはどんなことが湧いていますか?
ひとりで読んでいる人は、自分の中にある気持ちを見つめてみて、できればノートに書き出してみてください。
複数人で読んでいる人は、声に出して会話をしていい状況ならば、ぜひそれぞれの今の気持ちを共有してください。
ポイントは、これは良い気持ち、こっちは悪い気持ちなどと評価をしたり、これは思ってもいいこと、こっちは思ってはいけないことなどと制限を設けないことです。今感じている気持ちは、どんな感情であれ、あなたの大切な感情です。
こんなこと言っていいのか?(思っていいのか?)と感じることも、消そうとせずにそのまま扱ってください。
聴き手の方は、評価したり、その人を変えようとしたりせず、「あなたは今、そう感じているんですね」と、相手の気持ちを受け取ってください。
さいきん目にした美しい光景やシーン
今日は、さいきん目にした美しい光景やシーンを思い出すことから始めたいと思います。
あなたは最近どんな美しさと出会いましたか?
と聞かれたら、何が浮かぶでしょうか。ぜひ5分ほど時間を取って、この1週間ほどの出来事を思い出してみてください。
もちろん、美しい景色のことを思い出していただいてもいいですし、美しい出来事を想像いただいてもかまいません。
出来れば、ノートなどに思いつく限り書き出してみることをおススメします。
このワークショップを見てくださっている人の中には、外出の自粛によって、最近家から一歩も出ていない方がいるかもしれません。
あるいは、この世界の美しさに気づく余裕などとてもなかった、という方もいると思います。
それはそれで大丈夫です。決してご自分を責めないでください。
そうした方は、何も思いつくことができなかったことに対してどんな気持ちが湧いて来たかを、ぜひじっくり味わってみて欲しいです。
そして、これからもその状況を続けたいか、出来ることなら違いを作っていきたいのかを、探ってみてください。
お1人で読んでくださっている方は、美しい光景を書き出してみて、どんなことを感じるかをメモしておいてください。
複数人で読んでくださっている方は、ぜひどんなことを書いたのか、みんなで共有してください。他のパートでもそうですが、共有される意見は絶対に否定しないことを前提にして、お互いの考えを尊重し合っていただけたらと思います。
今あなたが触れたいのはどんな情報?
続いて、あなたが触れたい情報についてフォーカスしてみます!
自分が触れたい情報を明確にしておくことはとても大きな意味があるので、ワークの前に少しだけ補足させていただきます。
私たちの脳は、触れたいと思っている情報をしっかり集めてくるようにできています。カラーバス効果という作用が働くためです。
カラーバス効果とは、ある一つのことを意識することで、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まるようになる現象のこと。
カラーバスは「color(色)」を「bath(浴びる)」、つまり色の認知に由来するが、色に限らず、言葉やイメージ、モノなど、意識するあらゆる事象に対して起きる。
人間の脳は、特定の事象を意識することで、五感で得られた情報からその特定事象のみを積極的に認識するという性質を持つ。
シマウマ用語集より引用
例えば、次の車は●●●にしたい! と思った瞬間から、出かける度にその車を見かけるようになったりした経験はありませんか?
これはカラーバス効果によって、あなたの脳が無意識のうちに、その車種を発見するようになったからです。
だから、いま自分が触れたい情報を明確にすることはとても重要で、それによって、欲しい情報に触れる時間が増え、見たくないものに集中してしまう時間を少しでも減らせるのではないかと思っています。
だからだまされたと思って、いまあなたが触れたい情報について考えてみてください!
これは考える手がかりが無いと取っつきにくいかと思いましたので、いくつか切り口を用意しました。
こちらの切り口に沿って連想されることを考えていただき、慣れてきたら、自由にカテゴリーを設定していただくのが良いかなと思います。
- ほっとする情報
- 勇気づけられる情報
- 役に立つ情報
- 色々忘れて没頭できる情報
- その他自由記述
例えば私は
ほっとする情報 → コロナウィルスのワクチン開発に関する情報
役に立つ情報 → 4歳の娘が室内でも楽しく遊べる方法
色々忘れて没頭できる情報 → 自然の神秘さにびっくりする情報(ナショジオみたいな)
などが浮かびました!
ぜひ、10分から15分ほど時間を取って考えてみることをおススメします。
考え終わったら、その中でも特に大事にしたいものを1~3つほど選んで、〇で囲んでみてください。
そして、複数人の方は、どんなことを書いたか、その中でもどの情報の優先順位が高いと感じたかを共有してください。
チェックアウト
最後にチェックアウトとして、下記のことについて見つめてみてください。
・今日の気づき、発見はなんだったか
・今どんな気持ちを感じているか
1人の方は、ノートなどに書いてみることをおススメします。
複数人の方は、ぜひ率直な感想を共有しあってください。
宿題
私のワークショップでは、たまに宿題が出ます。
今日の宿題は「美しいものを毎日3つ見つけて、寝る前に思い出す」です!
良質な睡眠を妨げるのは不安や緊張です。
ぜひ美しいものを思い浮かべ、リラックスしながら入眠してみてください。
コロナウィルスの終息までには、まだまだ時間を要することが予想されます。長期戦でスタミナ切れを起こさぬように、お互いにぐっすり寝ましょうね!
ちなみに余談ですが、今日のテーマは、娘のお迎えに行こうと家を出たら夕日があまりにも美しかったことがきっかけで出来上がりました。
この日の夜はスーパームーンも非常にキレイで、こんなに大変な状況でも、世界は変わらず美しい側面も持っているんだなあと、しみじみ思ったのでした。
最後に
・コロナウィルスに関連することを考えたり、ご自身のことを見つめるに当たって、不安に押しつぶされそうになったり、自分自身でいられなくなってしまうような恐怖を感じた場合などは、決して1人でなんとかしようとせず、ご家族や友人などの信頼している方、カウンセラーやコーチなどの専門家にSOSを発信してください。
・本記事の内容については、資料も含め、ご自由にお使いください。もしお役に立てましたら、SNSなどでシェアしていただけますと嬉しいです!
・対話を設計して欲しいテーマについてリクエストがあれば、コメント欄、メール、TwitterのDM等でお知らせいただきましたら前向きに検討させていただきます!
コロナウィルスの支援に関する情報
■首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/coronavirus_shien.html
■厚生労働省(相談・受信の目安、心の相談窓口等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html
■マネーフォワード(補助金・助成金等)
https://covid19.moneyforward.com/
今日も一日お疲れ様でした。また明日!
相内 洋輔
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どうぞお気軽にお問い合わせください。
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