「オールむらやま若者定着推進会議」にてコミュニケーション力アップセミナーを実施

無意識の思い込みや偏見(アンコンシャス・バイアス)に自覚的であることが大切

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。山形県村山総合支庁様からご依頼をいただき、「オールむらやま若者定着推進会議」の活動の一環として、若者の地域定着と人材育成を意図したコミュニケーション力アップセミナーと題したワークショップを実施させていただきました。

オールむらやま若者定着推進会議では、全国的に課題となっている「新卒者の3年以内の離職」の改善を意図して、経営者〜若手社員まで対象に合わせたセミナー等を幅広く主催されているそうで、今回私は20代中盤の若者に向けたプログラムをお任せいただきました。若手社員の離職の原因は、上位に「職場の人間関係」が挙げられます。こうした背景からコミュニケーション力を高められるセミナーを実施して欲しいというご依頼でした。

とはいえコミュニケーション力というワードだと対象が広すぎますので、依頼の背景から、今回は「合意形成」と「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込みや偏見)」にテーマを絞った3時間のワークショップ+講義をデザインしました。

目次

「認識は人それぞれ」ということを体感できる「流れ星」

参加者には始めに「流れ星」というワークを体験いただきました。これはファシリテーターが読み上げた文章を、自分が感じた通りに絵にしていただくワークです。とてもシンプルな指示なのですが、いざ書いてみると全員バラバラの構図が完成するようになっています。そのチグハグさから、人が指示から認識できることはそれぞれに差異がある、ということを自然と体感することができます。

日本はハイコンテクストなコミュニケーションスタイルなので、共通認識がある前提で、会話の行間を読むようなコミュニケーションが自然です。つまり、いちいちお互いの認識を確認し合うような時間は持たない文化です。昔はそれでもよかったのかなと思いますが、私は実はこの慣習が、体験してきたことや価値観が大きく異なっている職場内のベテランと、若手社員の相互理解を妨げる一因となってしまったのではないかと考えています。こうした点を自覚いただき、もしコミュニケーションの相手と認識がズレている気配がしたら、丁寧に確認し合うことの重要さをお伝えさせていただきました。

自他を尊重し対話を深める「コンセンサスゲーム」

メインパートでは、チームで協力して課題の解決を図る、有名なコンセンサスゲームを体感いただきました。必ず何かしらの意見対立が生まれるように設計されていて、参加者はあーでもないこーでもないと悩みを深め、擬似的な対立関係に陥る仕立てです。このゲームは本当に良くできていて、私はまだ、スパッと合意形成ができたチームを見たことがありません。

ほぼ真逆の観点から対立する意見を、多数決ではなくみんなが納得できる形で合意形成するためには、お互いの考えや論理をしっかり聞き切らなければなりません。自分の意見も尊重しつつ、相手のことも尊重する、つまりアサーティブなコミュニケーションが自然と求められます。この一連の流れが、コミュニケーション力を高めるための、良いトレーニングになるのです。

相互理解を遠ざけるアンコンシャス・バイアス

こうした活動を行なっていただいた後、人と人がわかり合うためにはどうしたら良いか、という観点で講義をさせていただきました。今回は「アンコンシャス・バイアス (無意識の思い込みや偏見)」の存在についてお話しさせていただき、代表的なアンコンシャス・バイアスを紹介。ご自身の中にはどのような無意識の思い込みがあるかを見つめていただきました。

職場内には、年代や役職、体験してきた業務など、自分とは違うストーリーを持った人々がたくさんいます。自分自身もアンコンシャス・バイアスを抱えているのはもちろん、こうした職場の相手もまた、それぞれの無意識の思い込みに大きく影響を受けています。

無意識の思い込みどうしが対峙すると、ほとんどの場合、コミュニケーションはいい結果になりません。お互いの不一致感にフォーカスしてしまい、なかなか距離が縮まらないのです。それどころか、あの人は古臭いとか、今時の若者は、といった感じで、個人攻撃の火種にすらなり得ます。

でも一歩立ち止まって、理解できない、共感できない意見の裏側には、何かしらのアンコンシャス・バイアスが潜んでいるのではないか? と俯瞰して現状を見つめることができたら、コミュニケーションの質はぐっと上がります。

相田みつをさんの詩に

セトモノとセトモノと ぶつかりっこすると すぐこわれちゃう

どっちか やわらかければ だいじょうぶ

やわらかいこころを もちましょう

そういうわたしは いつもセトモノ

という作品があるのですが、自分も相手も「アンコンシャス・バイアスに囚われていないか」と一呼吸おいてみる姿勢は、「やわらかいこころ」が広がっていくスペースを用意してくれと思うのです。

相互理解を生み出すやわらかいコミュニケーションが増えることを意図して、こうした観点を少しでも伝えられたらいいなと感じたセミナーでした。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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