参加者の好奇心に火をつけるワークショップデザインの要点

自分が楽しいと思えるワークショップでなければ人の心は動かせない

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。先日ワークショップを初めて設計した若者にフィードバックをさせていただく機会がありました。4時間程度のワークショップデザインで方向性は悪くなかったのですが「先輩の話を30分×4セッション聞く」というコンテンツ案だけ、とても目に留まりました。

 

30分×4セッションですから、2時間です。私はじっと座って誰かの話を聞いているのが苦手な方なので、設計を見ただけでちょっと辛くなりました。

 

そこで若者に「あなたは人の話を2時間座って聞いていられるタイプ??」と尋ねてみたのです。そうしたら「無理です!」と元気の良い回答が返ってきたのです(笑)

 

だよね!

設計したワークショップにもし自分が参加していたら?

実はワークショップのデザインに不慣れな方ほど、「自分は苦手なことを参加者に強いてしまう現象」を起こしがちです。これはワークショップを設計するのに精一杯で、自分だったら楽しいかな、心地よいかな、また参加したいと思えるかな、と想像をする余力が残らないことが原因ではないかなと見ています。

 

中でも頻出するのがワーク詰めすぎ現象です。

 

制限時間をワークでぎちぎちにしてしまい、休憩はたった5分。それも予定が押してしまって実際には3分しか取れなかった。

 

みたいなことが平気で起こります。

 

これも「あなたは3時間のワークショップで休憩が3分しかなかったらどう感じますか?」と事前に尋ねたら「無理です! せめて15分は欲しいです!」と感じる方が大半だと思うんですね。

 

ワークショップのデザインからちょっと距離を取って、冷静に見返してみたら気付けることってたくさんあります。だからワークショップの設計が完了したら、もしこのワークショップに自分が参加していたら? と想像を膨らませてみることは、ワークショップの質を高める必須プロセスなのです。

好奇心を起動させることがワークショップの成果につながる

こうした内省を行う際は前述した「快・不快」の観点からワークショップの設計を見つめ直してみることも大切ですし、他にもいくつかポイントがありますが、こちらの記事では「このワークショップで自分の好奇心は起動するか?」を問うてみることにフォーカスを当ててご紹介します。

 

なぜならワークショップでは、参加者の中に「すごい! 気になる! 楽しい! もっと知りたい! もっと話したい!」等のポジティブな感情が湧き上がるほど良い対話が生まれやすいからです。

 

このため、ワークショップの設計を振り返ってみて、もし自分が前のめりになってワークショップに没頭できる要素がなければ見直しが必要になります。自分の好奇心が起動しないということは他の参加者にとっても同じである可能性が高く、そのままだと問題です。(自分にとっては無価値でも、参加者にとっては超有意義、というワークショップもありますが、この記事では例外として扱います)

参加者の好奇心をかきたてるワークショップデザインのポイント

では、何を意識したら参加者の好奇心がかきたてられるのでしょう?

 

面白いワーク展開、考えたことがないユニークな問い、盛り上がるテーマ設定など、ワークショップの楽しさを単純に調整できるポイントは幾つかあります。ですがこれらは小手先のテクニックでしかなく、どのような時でも機能するやり方ではないため、このレイヤーだけで解決しようとするのは本質的ではありません。

 

それよりは、人間の特性に根差した太い芯を基軸にワークショップを設計することを意識してみてはと思います。

 

具体的には、参加者にとって意義深く、かつ協力したらなんとか達成できる難易度でコンテンツ設計がなされている時ほど、参加者の好奇心・挑戦意欲が開くということを中心にワークショップを考える、ということです。

 

4象限で整理してみるとこのような図になります。

長くなってしまうのでこの記事では省きますが、私がこの領域を狙うに至った背景には、チクセントミハイのフロー理論や、ヴィゴツキーの発達の最近接領域、レゴシリアスプレイの根幹であるHARD FUNの概念などがあります。興味があればぜひ本を読んだり、検索をして調べてみてください。

人をよく知ってこそのワークショップデザイン

ワークショップをデザインする際は、始めから右上の象限をターゲットに見据えることが重要です。そして出来上がった内容を見直す際は、自分の作成したワークショップは参加者にとってどの象限かを想像してみましょう。

 

ここで重要なのが、参加者の特性やこれまでの歴史、現在置かれている状況などを精緻に理解しておくことです。でないと、自分が設計したワークショップが参加者にとってどの象限に当てはまるのかを判断することができません。こちらの記事でも書かせていただきましたが、事前のリサーチが成否を分けます。

 

また、常日頃から「普通の人間像」をイメージし続けることも同じくらい欠かせません。あるテーマに触れた時に、普通の人間(大多数の日本人)だったら何を思うか、どんな感情が湧いてくるか、どのような難易度に感じるかを想像し続けるのです。そうしたトレーニングを重ねていけばいくほど、提供しようと思っているワークショップの意義深さや、難易度を正確に見極められるようになります。

 

長くなってしまったので、今日はここまで。

 

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

 

WORKSHOP LANDのホームページ

 

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