素晴らしいワークショップをデザインするには「情報収集」が必要だ。

素晴らしいワークショップをデザインするためには、まず「情報収集」から始めよ

ワークショップデザイナーの相内です。私は年間50~60回オーダーメイドのワークショップをご提供しているので、ほぼ毎週ワークショップを作成しているような日々なのですが、こうしたスケジュール感の中でも徹底していることがあります。それが「情報収集」です。なぜなら情報収集をせずワークショップデザインを始めるのは、まだ話したことも無い人とのデートプランをいきなり考えるようなものだと思うからです。

目次

情報量が成否を分ける!

もしあなたが、デート相手の好きなものや苦手なもの、興味関心や趣味などが分かっていれば、大外ししないプランを立てるのはそう難しくありませんよね。コミュニケーションを取れる間柄ならなおさらGoodで、事前に相談を重ね、楽しい時間を過ごせるでしょう。
一方で、お相手のことをほとんど知らない状態、コミュニケーションが取れない状態だとどうでしょう。
アクアパッツァの美味しい店を選んだら海鮮は苦手と告げられ気まずい空気が流れたとか、流行りの恋愛映画に誘ったら前に見たとガッカリされたりとか、相手のことを知らなければ、残念なすれ違いが頻発します。
これだと相手をハッピーにできるかどうかは運任せになってしまうわけなのですが、傾向として、ワークショップデザインに不慣れな方ほど、こうした状況に陥ってしまいがちです。自分の勘を頼りに、思いついたワークを配置して、滑る。
ワークショップって、せっかく多くの人が自分の時間を割いて来てくれるわけですから、これじゃもったいないと思います。もう少し踏み込んで言えば、他者の命を無駄に浪費させてはいけない!
だから、まずは何においても情報収集です。水野学さんの『センスは知識からはじまる』に、

センスに自信がない人は、自分が、実はいかに情報を集めていないか、自分が持っている客観情報がいかに少ないかを、まず自覚しましょう。

いくら瞬時に物事を最適化できる人がいたとしても、その人のセンスは感覚ではなく、膨大な知識の集積なのです。

センスとはつまり、研鑽によって誰でも手にできる能力と言えます。決して生まれつきの才能ではないのです。

という一節があるのですが、ここで書かれていることは、ワークショップデザインにも同じことが言えます。情報量が、ワークショップの質を担保するのです。

ワークショップ設計に必要な情報

では具体的にどんな情報を持っておくと良いか。このポイントについては『ワークショップ・デザイン 知をつむぐ対話の場づくり』がとてもわかりやすくまとめてくださっているので、引用します。

1) 人:どんな人たちがワークショップに参加するのか

・関係性   初対面、和やか、険悪、誰それが支配的、キーパーソンなど

・思考行動  他人に責任転嫁しがち、とてもおとなしい、しゃべりたがり、文句をう言う人が多いなど

・参加意欲  自分から参加、強制参加、WSの目的を知っている/知らない、開催に納得/納得していない

2)状況:今までどんな経緯があり、現在どんな状態なのか 

・背景  企画側/参加側の意図

・進捗状況白紙/構想段階/計画段階/実行段階/検証段階/うまくいったこと/いかなかったこと

・経緯 これまでに参加者どうしで話せていること/話せていないこと、合意できていること/できていないこと など

・テーマを取り巻く環境、追い風、向かい風、好意的、敵対的など

・制約条件予算、期限、場所、手段、情報など

こうした情報をひとつひとつ集めていくことによって、ブレない方針、つまり適切なコンセプトを設定できようになります。そして適切なコンセプトさえ立てられたら、ワークショップの成功はぐっと手元に近づきます。

(ワークショップデザインにはコンセプトがいかに大切かということはこちらの記事に書かせていただいたので、よければご参考ください)

同様に、扱うテーマに関しても情報を収集する必要があります。具体的には、参加者よりもテーマに詳しい状態を目指すことが望ましいです。参加者よりも知識が浅いということは、洞察も浅くなります。この状態で思いついた程度のワークショップは「そんなこと意味ないよ」「もう既にやったことがあるけどうまくいかなかったよ」等の、大ブーイングに直結するので注意が必要です。私は全く知らないテーマでワークショップを依頼いただいた時には、Netで検索できる情報をあさったり、しかるべき書籍を読んで、こうした期待外れのワークショップにならないよう努めています。

ということで、今回はワークショップをデザインするには情報収集が必要だ、という記事を書かせていただきました。この一手間をかけるか否かで、ワークショップの味わいは段違いになりますので、ぜひ試してみてください。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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