妄想の飛距離を伸ばす「多様性」

妄想は多様性を持った参加者がお互いを認め合うことで遠くまで飛ぶ

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。私は一般社団法人妄想からアイデアを共創する協会の理事として、妄想アイデアトレーニング「モウトレ」という、アイデア発想とコミュニケーションを学んでいただくワークショップをご提供しています。

モウトレでは参加者に「妄想」を楽しんでいただくのですが、妄想が盛り上がるためには様々な仕掛けや要素が必要です。

そこでこのシリーズでは、妄想を盛り上げるために必要なファシリテーターの役割や、ワークショップデザインについて紐解いていこうと思います。今回のテーマは妄想の飛距離を伸ばす多様性についてです。

目次

同質性が高すぎると妄想が跳ねない

ワークショップで新しいアイデアを妄想する際は、多様な価値観や経験を持った方々にお集まりいただき、それぞれの視点から見えている景色を共有しあうことが重要です。

なぜなら、同じような価値観、同じような体験を持っている方々、つまり同質性が高いメンバーだけでブレストをすると、似通ったアイデアばかりが共有されてしまうからです。

ブレストの醍醐味は、共有されたアイデアどうしが結合して全く新しい価値を持ったユニークな案が誕生することですが、似通ったアイデアからはこの新結合が生まれません。あるいは生まれたとしても、かなり小粒なアイデアになってしまいます。

イノベーションは辺境から生まれるとよく言われますが、中心から離れたイレギュラーなアイデアほど、妄想をさらに遠くへと膨らませるための足場になります。

だから、真に変化を生み出したい時ほど、年代や職業職種、性別やライフスタイルなど、幅広い参加者をお招きすることで場の異質性を高め、触発しあえる環境をデザインする必要があるのです。

妄想には多様性が尊重される場作りが必要

しかし残念ながら、多様なバックボーンを持った参加者が集まれば、自動的に素晴らしい妄想が生まれる、というわけではありません。

多様性が高いということは、コミュニケーションコストが高いということです。平たく言えば、同質性が高い人とのコミュニケーションより面倒くさいのです。

同質性が高い人とのやりとりはツーカーで、一言話すだけで背景や価値観を丸ごと理解してもらえる可能性が高く、とても楽に感じるでしょう。

異質な人とのコミュニケーションはそうはいきません。最初から最後まで丁寧に聴かなければ相手の真意が分からない、あるいは聴いても理解できない、といったことが平気で起こります。こうした状況に接した際、人は、拒絶する、思考を止める、無視するなど、様々なやり方で心のシャッターを下ろしがちです。ですが、ここで参加者の意欲が挫かれてしまったら大損失です。

こうした事態を起こさないために、場作りの担い手は、チームとしての相互作用がしっかりと発揮されるよう、集う人々どうしがお互いを尊重する姿勢を形成する必要があります。

そのためには、みんな違ってみんないいのスタンスが妄想の飛距離を伸ばすことを、まずは自分自身がしっかりと理解し、それを自分なりの言葉で参加者へメッセージしていくことが極めて大切なのです。

多様性を認め合えるチームこそが停滞した状況に風穴を開ける

ここまで、妄想の飛距離を伸ばすために大切な「多様性の尊重」について書かせていただきました。

恥ずかしながら、私自身はもともとジャイアンのようなコミュニケーションスタイルだったため、多様性の尊重というのがとても苦手でした…。オレ様がなんでも解決してやるぜ、とさながらロックスターのように、あるいはカリスマ経営者のように振る舞っていた学生時代でした。

しかし社会人になって多彩なプロジェクトを経験させていただき、コーチングとコミュニケーションを専門的に学び、ワークショップに没頭した結果、多様性を認め合えるチームこそが停滞した状況に風穴を開けられるのだ、と確信するに至りました。

これまで実施してきたワークショップは500回を超えましたが、多様性を認め合えないチームがいい成果を出した例は皆無です。

こうした背景があって、いま私は、多くの職場に多様性を認め合うマインドが芽生えるお手伝いができたら嬉しいなと思っています。

妄想が膨らむ場作りに必要な要素をご紹介するシリーズ、第四弾はここまでとなります。次回は妄想を阻害する3つの要因について書いていこうと思います。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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