「面白い!」をたくさん言えるチームほど妄想上手

「面白がる態度」を持った参加者の存在によって妄想は膨らむ

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。私は一般社団法人妄想からアイデアを共創する協会の理事として、妄想アイデアトレーニング「モウトレ」という、アイデア発想とコミュニケーションを学んでいただくワークショップをご提供しています。

モウトレでは参加者に「妄想」を楽しんでいただくのですが、妄想が盛り上がるためには様々な仕掛けや要素が必要です。

そこでこのシリーズでは、妄想を盛り上げるために必要なファシリテーターの役割や、ワークショップデザインについて紐解いていこうと思います。今回のテーマは面白がる態度の重要性についてです。

目次

面白がる態度が妄想の量と質を最大化する

私はモウトレを運営していて、各チームの参加者が笑い声を上げながら楽しそうにブレストしている瞬間に立ち会えると、今日もきっとうまくいく! とほっとします。経験則から、楽しさや嬉しさが伴っている妄想ほど、いい成果につながると感じているためです。

モウトレでは必ずブレストの代表的なルール ①批判厳禁 ②自由奔放 ③質より量 ④便乗歓迎 をお伝えしているのですが、最近私は、もうひとつルールを追加したいと思い始めています。

それがこの記事のタイトルにもなっている「面白がる」という参加態度です。

モウトレでのブレストを観察していると、「それ面白いーー!」と表明してくれる人がいるかどうかで、妄想の膨らみ方に差が生じているように感じるのです。

もちろん「面白い!」をたくさん言えるチームほど妄想上手で、質量ともに素晴らしいアイデアが生まれています。

「面白い!」の一言が場を動かす理由

この理由は脳科学や心理学の見地から、相当正確に、かつ多彩な角度から論じることができるのではないかなと感じていますが、ここでは私なりの3つの理由を述べておきます。

1つ目は、場の心理的安全性が高まることです。人は大なり小なり、自分のアイデアがバカにされたら嫌だな、という不安を抱えています。「面白いっ!」という相槌は、こうした不安を消し飛ばしてくれる最高の良薬です。先日ご紹介した帰属シグナルからも同じことが語れます。ポジティブな態度によってそれぞれの考えを発表しやすい空間が形成されるのです。

2つ目は、創造意欲が湧き上がることです。面白いというコメントをもらった方は、意気に感じて、その後も多彩な妄想を披露してくださるシーンが目立ちます。外部の他者から自分の出したアイデアの価値を承認されることで「もっとやってやろう」という内発的な動機が喚起されるのです。この作用をマズローの五段階欲求に当てはめてみると、承認欲求から自己実現欲求へとシフトし、自分の能力を使って創作活動をしたいという気持ちが強まったと解釈できるように思います。

3つ目は、面白い! と言えば言うほど、本当に面白くなるからです。脳科学では、人は自分が使った言葉にふさわしい自分であろうとする性質を持っていることが明らかになっているそうです。つまり簡単に言えば、面白いと口に出して言ってみることができる人のほうが、アイデアに潜む面白さを発見しやすくなり、本当に面白くなっていくということです。反対に、つまらないと言っていれば、物事のつまらない点がよく見えるようになります。

面白がれたら妄想は全部うまくいく!

ここまで、妄想が膨らむために欠かせない「面白がる態度」について書かせていただきました。

余談ですが、Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長であり、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)学部長をお務めになられている伊藤羊一さんは、よく「すげぇ!」と声に出すことを習慣にしよう、とお話しされています。羊一さん自身は、この習慣を身につけたことで好奇心が育まれ、成長スピードが圧倒的に加速したそうで、とても説得力の高いお話だと感じています。

私も「妄想は積極的に面白がろう!」というメッセージを発し続けて、日本の妄想文化作りに貢献できたら嬉しいです。

妄想が膨らむ場作りに必要な要素をご紹介するシリーズ、第三弾はここまでとなります。次回は「妄想の飛距離を伸ばす多様性」について書いていこうと思います。

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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