WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。今期よりiU情報経営イノベーション専門職大学の客員教授を拝命しました。現在研究を進めている「妄想学」の科目を通じて、アイデアの発想法や、共創を生み出すコミュニケーションの技術等についてお伝えしていく予定です。
早速、徳本先生の講義内で「モウトレ Flash」という研修プログラムを実施させていただきました。
「モウトレ Flash」は昨年開発した妄想アイデアトレーニング「モウトレ」のアッパーコースです。「テーマ」 × 「ビジネストレンド」 の掛け合わせをお題として提示し、アイデアを即座に大量発想していただく研修です。
そして膨大なアイデアリストから筋の良さそうな一案を見つけて、ビジネスプランの創造を体験いただきます。
組織の創造性を測る指標「アイデアフロー」
「モウトレ Flash」を開発しようと思ったきっかけは、スタンフォード大学のジェレミー・アトリー教授が書かれた『Ideaflow スタンフォードの人気教授が教える「使える」アイデアを「無限に」生み出す方法』との出会いでした。
アイデアフローとは、
「ある個人やグループが、与えられた問題に関して、一定の期間内に生み出すことができる新しいアイデアの数」
のことです。
- アイデアフローが高い組織は問題を解決するための案をたくさん生み出すことができるが、低い組織ほど困難な状況に陥る。
- アイデアフローは知性や才能ではなく、組織に属するひとりひとりの心の状態で増減する
というジェレミー教授のご主張に触れ、まさにその通りだなあと膝を打ったのです。特に後者の論点には本当に共感しました。
同時に、同調圧力や年功序列、正解主義などの悪癖によって、残念ながら日本の組織は、極めてアイデアフローが低いだろうとも思ったのです。
アイデアフローの強化こそ浮上のカギ
ジェレミー・アトリー教授もIdeaflowの中で言及されておりましたが、知的生産の時代においては、有効なアイデアが出せない=重要な経営資源が枯渇していると言い切っても過言ではありません。
優れたアイデアを創造するためには、くだらないアイデアを大量に生産する必要があります。ですがこのことをよく理解し、なんでも言い合える安心安全な空間を作れている組織や、一見すると無価値なアイデアを気軽に共有できる組織、アイデアの量にこだわっている組織は少数でしょう。
私は大企業と小規模企業の両方に属した経験がありますが、大企業には時間の余裕が、中小企業には人員や金銭面での余裕がないことが多く、雑多なアイデアを皆で作る時間を確保するのは、構造上簡単ではないように思います。
だからと言って何もせず手をこまねいては、社会の変化のスピードに立ち遅れるばかりです。
例えばボディービルディングやダイエットは一朝一夕では成りません。理想の状態を目指してコツコツ筋トレを続けたり、体質の改善に取り組む、不断の努力が求められます。組織の構造や慣習を新たにしていくことも、本質的にはこれらと同じだと思うのです。
こうした背景から、私は「モウトレ Flash」を通じて、瞬発的に浮かんだアイデアをなんでも共有し合える風土や、一緒に知恵を絞って共創できる文化を作るためのスタンスとスキルを、様々な組織にインストールいただきたいと思っているのです。そうして、世の中があっと驚くイノベーションが生まれたら最高です。
モウトレ Flashの実践
「モウトレ Flash」の特徴は、フラッシュという名前のとおり、各お題に対して6分間という短時間で、瞬間的にアイデアを発想していただくことです。
まず<strong>始めの3分間はインスピレーションタイムです。具体的には「旅行×ドローン」といった形で提示されたお題について、チームでフラットに話し合います。最近流行りの旅行、旅行の困りごと、ドローンの優れた機能などなど、テーマから想起したことを自由に共有しあうことを通じて、アイデア発想の種を探すのです。
次の3分間では、MouMa.Bizというサイトに、思いついたアイデアを入力していただきます。MouMa.Bizは匿名でアイデア入力ができるため、くだらないアイデア臆せず共有いただくことがます。こちらのパートは個人戦です。
今回の講義では「お題となるテーマ × ビジネストレンド」を順番に5つ提示し、アイデア発想に取り組んでいただきました。アイデア発想の時間は30分程度でしたが、150個を超えるユニークなアイデアが生まれ、教室がたびたび沸いていました!
これらのアイデアを効果分析表を用いて採点し、最も高得点だったアイデアからビジネスプランを創造していただいたところ、かなり面白い発表が連発。iUの学生の地力の高さに驚いたと共に、モウトレ Flashへの手応えをバッチリと感じることができました。
参加してれた学生が「ビジネスアイデアの発想が苦手だったのですが、こうやったら無限にアイデアを作れそう、と自信がつきました!」とキラキラな笑顔で感想を教えてくれたことがとても嬉しかったです。
今後通常のモウトレと共に、妄想からアイデアを共創する協会の看板メニューとして広めていこうと思います。
当日の様子はnoteにまとめていただきましたので、ご興味がある方はこちらをご覧ください!
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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