NOIE QUEST第1回 ~出会いと探究の始まり~

のいえ保育園の仕事を3つのキーワードで表したら?

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。

仙台を拠点にワークショップの企画運営や

ファシリテーション、コーチングなど、

人が前進するための場作りを行っています!

今年は20年来の友人が保育園の園長になることが決まり

彼が掲げる

『誰もが自分らしさに向き合える保育園』

というビジョンの実現を目指して

連続10回の研修を引き受けることになりました!!

多くのモノに溢れ

価値観が多様になった現代を生きる若者には

豊かさとは何か、幸せとは何かという軸を

自ら探究して積極的にアクションを起こす

行動力が欠かせません。

こうした素養を持った若者がたくさん巣立つよう

保育士の皆さんのあり方の変化

子どもへの関わりスキルの向上

そしてチームとしての団結や

相互理解に貢献できる研修の実施を意図しています。

時代の転換点を生きる若者
目次

NOIE QUESTという名前に込めた思い

1~2回の研修でしたら無難に

社員研修という呼称でも良かったと思うのですが

10回ともなると・・・!

なぜなら

「社員研修」って聞くと

どうしてもつまらなそうなイメージ

が湧きませんか?

社員研修が楽しくて待ち遠しい!

という方は、

日本ではかなりレアだと思います(笑)

そのため参加いただく保育士の皆さんに

「研修」と連呼され

不快なイメージを持たれてしまうより

親しみを持って呼んでもらえる名前

をつけたいと思ったんです。

すごく小さなことなんですけれど

意外とこういう点が成果に直結しがちだ

と私は考えています。

そこで今回の仕事は

このプロジェクトにどんな名前を付けるか

から考え始めました。

依頼をいただいた『のいえ保育園』では

保育士が子どもに遊びを提供し続ける

従来の関わり方だけではなく

自分の興味関心はどこにあるのか

子ども自身がしっかりと探究できるように関わろうとしているのが特徴です。

そこで園の名前である『のいえ』

探求を意味する『QUEST』

という英単語を組み合わせて

『NOIE QUEST』というプロジェクト名

が湧いてきました。

10回の研修も

こちらから答えを教えたり

押し付けるような構成ではなく

問いと仕掛けから

自分事に引き当てて探究すること

がメインなので

内容との親和性もぴったり!

NOIE QUESTという名前に込めた思い

しっくりくるネーミングが見つかると

なんかもうきっとうまくいくーー!

と思えるくらいには

自分のテンションもぐっと上がります。

NOIE QUESTの推奨ルール

続いて考えたのが推奨ルールです。

NOIE QUESTは半年以上に渡って研修が続くため

学びを最大化させるためのルール作りが欠かせない

と感じました。

そこで設定したのが以下の4つです。

①みんなで探り続ける

みんなで探り続ける

NOIE QUESTは正解を探すための機会ではなく

みんなで納得解を創り上げるための機会

として捉えて欲しい。

そうした願いを込めて1つ目のルールに置きました。

②答えが簡単に出ないことを楽しむ

答えが簡単に出ないことを楽しむ

みんなが納得できる答えは

アッサリと見つかることもあれば

どこまで話し合ってもモヤモヤが消えないこともあります。

伴ってイライラすることもあると思いますが

カオスの只中も

カオスから抜け出た時の爽快感も含めて

この道のりを楽しんで欲しいと願っています。

③この場限り / 攻撃の材料に使わない

この場限り 攻撃の材料に使わない

NOIE QUESTでは

自分の体験や感覚や価値観を持ち出すことを推奨し

各プログラムにもそうした時間が組み込まれています。

その際語られた個人的なことを

のいえ保育園に関係ない人に話したり

そのことを持って

人格や行動を否定する材料にはしないという約束です。

安心して自分のことを持ち出せる空間作りを意図しています。

④へー!おおー!ん??と思ったことをメモする

へー!おおー!ん??と思ったことをメモする

探究が中心とは言っても

講義としてのインプットが無いわけではありません。

そこで語られる世界の動向や

知らなかった知識をメモすることも大切ですが

それ以上に大切なのは

自分の心が動いた瞬間です。

え? すごい! なんで? うそ? ほーーー!

こうした内語のひとつひとつが

探究を深める鍵になることが多いため

知識よりも自分の中に起こった反応

を書き留めておくことを推奨しようと考えました。

働く動機の共有

ここからは、

当日に何を行ったかを書いて行きます!

初回の研修はのいえ保育園で働くスタッフが

顔を合わせてから10日後でした。

そのため

  • まだまだお互いの間には距離があるだろう
  • のいえ保育園で働く動機について深くまでは共有できていないだろう

という想定で

プログラムの進行を考えました。

働く動機の共有なんて

一言話したら充分じゃん!?

と思われた方も多いかもしれません。

確かに言葉として現れてくるのは

「ビジョンに共感したから」とか

「新しいことにチャレンジしたかったから」

などの言葉かもしれません。

ですがその背景には

たくさんのストーリーが眠っていて

それらを開示し共有しておくことは

いいチームを作るうえで

欠かせない土台の構築へと繋がります。

そこで初回のワークショップでは

たっぷり午前中の1時間30分ほどを使ってお互いのストーリーを共有し合いました。

のいえ保育園で働こうと思った動機

質問項目は

  1. のいえ保育園で働こうと思ったきっかけ
  2. 前職で満足していたこと
  3. 前職で不満だったこと
  4. のいえ保育園で何を創り上げたいか
  5. のいえ保育園での仕事を通じてどんな自分になりたいか
  6. 仲間との協働に望むこと

    の6つです。

    上記の質問を考えてもらったうえで

    各自のストーリーシェアを行いました。

    このワークを通じて

    それぞれが大切にしている価値観や

    前職までにどんな経験をしてきて

    何が満たされ、何に欠乏を感じているのか

    などがとても具体的に感じられました。

    のいえ保育園で働く動機の共有

    Where I ‘m from Poemの作成による自己理解と開示

    午後は私が大好きな

    Where I ‘m from Poemの作成とシェアを行いました!

    実は私のワークショップで

    涙を流す人が最も増えるのが

    Where I ‘m from Poemの時間

    なんです。

    参加者はポエムを書く過程で

    自分が歩んで来た道を振り返るのですが

    そうすると不意に

    どれだけ多くの人の暖かさに包まれ生きて来たのか

    と感謝の気持ちが湧き上がってくる人もいれば

    平気なフリして目を逸らして生きて来たけれど

    あの時私はお母さんに

    好きだよって言って欲しかったんだ・・・

    と言ったように

    自分の感情にフタをし続けてきたことに

    ハッと気づく人もいます。

    また、各人のポエムを聴いていて

    あなたって強くたくましく見えるけれど

    実際にはそんなふう歩んで来たのね・・!

    と他者の気高さや高潔さ

    乗り越えて来た困難な試練に感動する人もいます。

    今回もまさにそんな場になりました。

    1人目のシェアの瞬間から

    参加者6名がずっと涙を流し

    お互いの人生に共感を寄せたり

    深いつながりを感じ合ったり

    各人の存在を承認しあう

    暖かで美しい空間が広がりました。

    Where I am from Poem を読み上げる様子

    自分の人生を文章化することで

    様々な葛藤や幸福の中を生きてきたことを知り

    これからのありたい自分を見つけることができた。

    また、

    出会って間もない人の生い立ちを聞くことで

    感動したり、なぜか涙が出たりと

    心動かされるものがあり

    もっと仲間のことを知りたくなった!

    という参加者の感動、感想が印象的でした。

    互いに送り合ったメッセージカードを

    大切そうに持ち帰る姿が嬉しかったです!

    (手書きのメッセージのパワーはワークショップの効果を高める手書きのメッセージをご覧ください)

    保育士とは?のいえ保育園の保育士とは?

    初回の最後は

    保育士とは?

    という問いをキーワード3つで表現するとしたら?

    というワークを行いました。

    自分たちの仕事について

    同じ職業どうしの人が制限無く語る言葉は

    きっとそんなに相違が生まれません。

    しかし3つのキーワードとか

    3つのフローなど

    制限を持って自分たちの仕事を語ってもらうと

    面白いくらいそれぞれの個性が出てくるのです。

    特に今回の場合は

    自分自身が保育士として

    どんなことを大切にしているか

    個々人の価値観が色濃く出て

    興味深い時間になりました。

    そのうえで

    のいえ保育園の保育士の仕事は?

    と問われたら

    保育士は?

    と問われるのと何か違いが生じるか

    を探究してもらいました。

    のいえ保育園の仕事を3つのキーワードで表したら?

    回答が変わる人もいれば

    変わらない人もいましたが、

    それぞれの回答が微妙に違って統一されていない

    という状況は変わりませんでした。

    そこで

    なぜ同じビジョンの元に集まっているのに

    それぞれの3つが違うのか?

    3つは全員で統一する必要があるか?

    そもそも言葉にする必要があるか?

    という問いを投げ

    順繰りに考えていただきました。

    ここで大事なのは答えを出すことではありません。

    みんなで探究しながら楽しむこと!

    15分ほど混沌を味わっていただき

    なぜお互いの3つに違いが生じたのか

    なぜ共通の箇所もあったのか

    その理由や背景を観察してくることを

    宿題にさせていただきました。

    NOIE QUEST宿題

    設計の意図通りに場が深まったり

    いい具合にカオスが生じたり

    ワークショップデザイナーとしてのやり甲斐に満ちた初回でした!

    参加者の感想(抜粋)

    ・これまで受けてきた研修と異なり、みんなで答えを探究するということで、

    自分の考えだけでなく人の意見を聞き、共に悩み、今後答えを見つけるのが楽しみに感じた。

    ・今まで保育士研修というと講師の方の話しをひたすら聞いたり、各園の保育士が何人かづつ集まり、

    園の実態を話し合う形式がほとんどだったため、今回はどんなことをするのか全く予想がつかなかった。

    ・ワークショップへの参加は初めてで、想像していた感覚と違って、

    あらゆる角度からじっくり考える充実した時間となった。

    ・その時々に感じている感情を人前で発言することはこれまでほとんどなかった為、

    チェックインをした後はリラックスして望めた。

    ・チェックインで自分の感情を素直に話すことから始まり、言ってよいものかと思いつつも、

    ありのままにマイナスなことを口にすると少しづつ気分が晴れていった。

    ・なぜのいえ保育園に来たのかとこれからの自分について改めて考える機会になったり、

    のいえ保育園の仲間たちがここへ来ようとしたきっかけや経歴、想いなど詳しく知ることができ、

    立ち上げに向けて熱い思いが込み上げてきた。

    ・なぜのいえ保育園にきたかという問いに対して、

    自分の思いを話し、聞いてもらうことで初心に戻ることができた。

    また、仲間の話を聞き、新たな発見や共通する思いを見つけることができ、

    一緒に新しい空間を作り上げていく事への期待感がより高まった。

    ・ポエムでは自分のこれまでを振り返り、少しだけで向き合うことができた。

    自分自身のことを知る怖さもあるが、もっと知っていきたいとも感じた。

    ・「自分の生い立ちをポエムにしていく」ということは、正直なところ「ん~やだな…」と思った。

    自分の思っていることや話したい事を分かりやすく人に伝えるのが苦手ということと、

    言葉の引き出しの少ないということで苦手意識ををもっているから。

    しかしいざ書いてみると次々に書きたい事が出てきてまとまらない程だった!

    ・それぞれが作成したポエムにはまだ10日しか一緒にいないのに、

    その人「らしさ」が出ていて、情景や状況が浮かんできた。

    学歴や経歴等の表面上の物だけではなく、その人が実際に何をして、何を見て、何を感じてきたか、

    その景色や感情をみんなで共有することができた。

    ・人生の生い立ちをまとめる際は、

    振り返ってみるといかに自分は親に大切に育てられてきたのかを感じたし、

    忙しい中でさまざまなことを応援していてくれたんだなと感じた。

    今のいえ保育園に関われていることも含め、恵まれた環境にいることを気づける機会となった。

    ・自分の発表の後にそれぞれからメッセージカードをもらった。

    言葉ではなく文字にしてもらうという機会はなかなかないので嬉しい体験になった!

    ・保育士の仕事とは?の質問には、自信をもって答えることが難しかった。

    保育士として働いてきた約10年間を思い出し、前職まではこれがいいと思って働いてきたが、

    今は何がいいのかとても迷っている。今後のワークショップを通して、

    のいえ保育園の先生たちと意見を言い合いながら、探究することを楽しみ答えを見つけていきたい。

    ・保育士の仕事、のいえ保育園の仕事は何か?というワークの答えが人それぞれ違っていて面白かった。

    出てきた言葉は全て必要だなと感じた。みんな違っているままで良いのでは?と思ったが、

    保育園を開園するにあたってそれでいいのかなと、探究の必要を感じた。

    ・同じお題でも一人一人が書き方が異なり、伝え方も違うため、

    自分に置き換えて話を聞いたり、相手の感性の豊かさに学ぶことがあった。

    ・自分らしさとはなにか自分が自信をもって答えられるようになっていきたい。

    ・自分らしさを出すことを苦手としていた自分がいたため、

    子どもたちには伸び伸びと出せるような環境を作り、引き出せるような関わりをしていきたい。

    ・これからたくさんたくさん話し合って、

    のいえ保育園の保育感を確立していくことの難しさを感じるとともに、

    こうして時間をかけて話し合える環境や回数を重ねてワークショップを受けられる環境等、

    自分がどれだけ恵まれた環境にいるかを改めて感じた。

    ・「なぜ違う意見があるのか」という問いには、

    いくつかの意見がでてもなかなかしっくり落ち着くものにたどり着かず、考えるのが楽しく思えた。

    ・全体を通して普段からよく話しているつもりではあったが、

    今日のワークショップではいつもより質の良い会話や意見交換ができた。

    ・ここに来なければ味わえなかった貴重な時間をメンバーと一緒に共有でき、すごく充実感で溢れている。

    NOIE QUESTは続きます。

    のいえ保育園 ワークショップ

    対話をもっとおもしろく。

    相内 洋輔

    ◆ワークショップや研修のご相談は下記から◆

    どうぞお気軽にお問い合わせください。

    このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
    チェックボックス
    例) 新商品開発を目指したアイデア共創ワークショップを実施したい

    スポンサーリンク




    記事が気に入ったらシェアをお願いします!
    • URLをコピーしました!
    • URLをコピーしました!

    コメント

    コメントする

    目次