WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
コロナウィルスの影響で、3月からずっと対面でのワークショップが実施できない日々が続いておりました。
そろそろオンラインでのワークショップ実施をと考えていた矢先、認定NPO法人カタリバさん、認定NPO法人底上げさん、一般社団法人まるオフィスさんにお声がけをいただきまして、ついに先日、初めてのオンラインワークショップを共催いたしました!
初陣にも関わらず約50名の参加者に集まっていただき、私自身、とても楽しませていただきましたっ。お声がけをいただいた皆様、ご参加をいただいた皆様、ありがとうございました!
私はかれこれ15年間くらいワークショップをやってきたのですが、オンラインでのワークショップ実施は、やはり対面とは勝手が違う箇所もたくさんありました。
そこで今日は、オンラインワークショップを実施するに当たって留意したことや、実施してみて感じたことを書き残そうと思います。
私は最近、対面で集まれなくても、素晴らしいワークショップを受けらるれ世界が実現できたら嬉しいなぁと思っていましたので、オンラインワークショップに携わる方にとって、何か参考になれば幸いです!
実施したワークショップの概要
今回は、東北に住む高校生、東北出身の大学生が、最近感じている気持ちを語り合うことができる場を作ろう! それを通じて、今の自分にとって大切な行動が何かを考えてみよう! という主旨でオンラインワークショップの開催を企画しました。
最終的には50名弱の高校生・大学生・東北で活躍されている社会人の方々に集まっていただき、1時間30分をかけて対話を行いました。
主な活動とタイムラインは以下になります。
0:00 オープニング・主旨説明など
0:10 アイスブレイク
0:20 グループトーク①「近況のシェア」
0:45 全体共有
0:50 グループトーク②「もしランプの精が目の前に現れたら?」
1:10 全体共有
1:20 チャットへ感想記入
1:30 告知・記念撮影
オンラインワークショップの設計
今回は先ほどご紹介させていただいた3団体の皆様と一緒に、コンテンツの設計から当日の運営までを行いました。
7~8年前から共に活動を重ねてきた仲間たちとの共催だったので、初めてのオンラインワークショップとは思えないほどスムーズに運営することができました!
使用したツール
今回はzoom+Facebookのイベントページを組み合わせて運用しました。途中のセッションを少人数グループに分けたかったので、zoomのブレイクアウトルーム機能が重宝しました。
Remoの使用も検討してみたのですが、参加の導線がzoomより複雑で、途中の案内が英語であることや、参加者も運営者も使い慣れていないことをネガティブに感じ見送りました。
Facebookのイベントページは、zoomに入れなかったりとか、途中で接続が切れてしまった方のセーフティーネットとして位置づけました。メールや電話だと一人の担当だけが参加者対応をする事態になりかねませんが、Facebookのイベントページであれば、運営者も参加者もアラートに気づくことができるため便利さを感じました。
アイスブレイクと自己紹介の設計
アイスブレイクはけっこう悩みました。対面だったら鉄板ネタをいくつか用意してあるのですが、どれもオンラインに転用することができなかったのです……。
そこで、気持ちがほぐれるために大切なことは何かを改めて問い直し、まずは何をさておき発語することだ、という結論に至りました。
具体的には、ファシリテーターと参加者のコール&レスポンス形式で、発語を促すデザインを採用しました。
まず参加者全員のミュートを解除してもらって、私から「高校生の人ー!」とか「1月生まれの人ー!」と呼びかけをし、該当する人に返事をお願いする簡単な形式です。
今回は参加者が多くなりすぎてしまったため、全体での自己紹介は見送り、ブレイクアウトセッションで同じグループになった方々どうしで簡単に行っていただきました。
コンテンツの設計
続いてワークショップ内容の設計についてです。
対面の場合は、「参加者が程よく頭に汗をかくような難易度」がワークへの没入感を高める要因になりえます。
だから、ちょっとだけ難しく設計してみて、困っている方がいたら現場で適宜フォローしよう! と考えることもあるのですが、
オンラインワークショップでは、ブレイクアウトセッションが始まると、ファシリテーターはほとんど対話に介入することができません。
これが従来の対面ワークショップと比べた場合に、致命的だなと感じました。
青山学院大学の苅宿俊文先生から「F2LOモデル」という、ワークショップ中におけるファシリテーターと参加者(Leaner)の良好な関係を示した図を教えていただいたことがあるのですが、全くこのモデルと反しているのです。
F2LOモデルでは、参加者の没入度が低いうちはファシリテーターの介入が求められ、没入度の高まりと共に、ファシリテーターは参加者を見守る存在へと変わって行くことが示されています。
そのためワークショップの序盤ほど丁寧な関りが大切になるのですが、今回は最初からブレイクアウトセッションへ移行し、グループファシリテーターはいない設計でした。
没入感が全く生まれていない状況から、参加者自身が場をリードしていかなければならなかったのです。
そこで今回は少しでも対話のハードルを下げるため、そして機能する対話が生まれるために、以下の3点からコンテンツをデザインしました。
開幕セッションでは「自由度が高いテーマ」を!
ワークショップでは、いいスタートを切れるかどうかが、その後の参加者の意欲に直結します。
だから、対面でもオンラインでも、冒頭はしっかり場が暖まるよう設計することがとても重要だと感じました。
そこで今回は、始まりのワークに「3つのトークテーマ」を用意しました。これだと、1つ目のテーマが不発だったとしても、2つの保険が残っているからです。
また、早々に話し終えてしまってやることが無い、という状況も回避することができるだろうと考えました。
結果は上々でした!
メインパートでは「思わず考えたくなる問い」の提示を!
続いてメインパートの設計です。
対面のワークショップでは、参加者にワークシートを配ったり、ポストイットにアイディアを書いたり、アウトプットを出すための予備動作を自由度高く設計できます。
書く作業や、貼る作業を体験することによって、参加者の没入感が高まるという効果も期待できます。
しかし、オンラインでは使える手段が限られています。
厳密には、ワークシートの記入も、ポストイットのブレストもオンラインで実施できますが、相当の準備とリテラシーが求められ、今回は現実的な選択ではありませんでした。
そうした状況で、本質的な対話が生まれたり、参加者の没入感を生み出すためにワークショップデザイナーができることは、「思わず考えたくなる問い」を提示することに限られると感じました。
そこで今回は「もし今あなたの目の前にランプの精が現れたら、あなたは何を願いますか?」というオープンな問いに、
・コロナウィルスを無くすことはできない
・あなただけが幸せになる願いは叶えられない
・叶えられる願いは1個だけ
・3分以内にお願いを決めないとランプの精が消える
という制約条件を付け、何でも想像してOKな幅と、ほんの少しの不自由さが適度に噛み合うように意図しました。
これは対面でのワークショップでもそうですが、人って意外と、なんでも自由に考えてOKとするより、少しの制約や条件が示されているほうが、思考のスイッチが入りやすいからです。
グランドルールの設計
これらの内容を設計したうえで、どんなグランドルールを設けると場が機能するかを考えました。
私はだいたいどんな場でも以下の4つをグランドルールとしているのですが、
- 話し終えるまでじっくり待つ
- ただ受け取る
- 相手を変えようとしない
- 共有された話しを攻撃の材料にしない
今回はこちらの4つにしました。
- 全員でタイムキープする
- 否定しない
- ただ受け取る
- 相手の問題を解決しようとしない
①に関しては今回のオンラインワークショップの特性を考慮して選びました。テーブルファシリを設けないことにした以上、タイムキープは参加者の自主性に委ねるほかなかったのですが、ルール設定したおかげで、各グループしっかりと時間を測りながらワークを進めてくれました。
②~④に関しては、コロナ禍の生活で様々な感情を抱えている参加者が多いだろうと想像し、安心安全な場をみんなで一緒に作るために意識していただきました。
オンラインワークショップのファシリテーション
続いてオンラインワークショップのファシリテーションについてです。
対面の場合は参加者が100名以下なら、表情、態度、姿勢などから、今どれくらい楽しんでくれているか、どれくらい理解してくれているかが一目で分かります。
しかしzoomのギャラリービューには25名しか映せません。中にはカメラをオフにしている参加者もいます。視覚的な情報が限られているのです。
そうした環境の中、どんなことに意識を置いて進行をしたかをお伝えします。
ワークの指示伝達
まずはワークの内容をいかにして伝えたかですが、今回は手書きフリップ+チャットを活用しました。zoomには画面共有の機能もあるので、いつも通りパワポの投影資料を作って見せることもできたのですが、今回は意図的にこの機能を使いませんでした。人の暖かみを感じられる場にしたいと思ったからです。
手書きのフリップは15枚くらい作成をして、要点毎に活用をしました。作成にかかった時間はほんの20分くらいだったので、パワポを作るより遥かに時短でした!
参加者の反応も良かったので、今後も手書きスタイルをうまくオンラインワークショップに取り入れて行こうと思っています。
参加者の理解度にこだわりすぎない
続いてですが、今回は参加者がどれだけこちらの指示を理解しているかをあまり確認しすぎず、ぱっぱと次へ進めてみました。
もちろん、ファシリテーターとしてこれでいいのか……? という葛藤はありました。対面の場合はじっくりフォローすることで、場の空気が良くなっていくことが往々にしてあるからです。
しかし、私個人の感覚としては、オンラインワークショップでは丁寧にフォローをすればするほど、参加者の参加意欲が低下するように感じました。なんだか間延びしているように感じられるのです。
だから、参加者の3/4程度が分かっていれば支障なし! と割り切り、参加者どうしのコミュニケーションに委ねました。
ワーク中にいくつかブレイクアウトルームを覗いてみたところ、どのグループでも「次何やるんだっけ?」「あと何話すんだっけ?」「何時まで?」と相互にコミュニケーションを取りながら対話を進めてくれていてほっとしました。
「間」のつなぎ
上記に関連するのですが、ファシリテーションをしていて対面とは全然感覚が違うなあと感じたのが、「間」のつなぎ方でした。
対面においても、オンラインにおいても、ファシリテーターが何かを話せば、必ず参加者から様々なリアクションが起こります。
対面の場では、それらひとつひとつを受け取りながら話しを展開していっても、あまり違和感がありません。ファシリテーターの発語と発語の間に、ワンテンポの「間」があっても、普通な感じがするのです。
しかしオンラインでは、参加者のリアクションに合わせて場を進行させていくと、なんだかとても「遅い」感じがしました。ファシリテーターが「間」を空けずに話し続けるスタイルの方が、多くのオンラインワークショップにはフィットするのかもしれません。
対面のワークショップにおけるファシリテーターとは、ワイドショーの司会のように、話しを進めたり、ゲストに振ったり、そこから更に論旨を深めたりという役割だったと思うのですが、
オンラインワークショップにおけるファシリテーターは、ラジオのDJのように、ひとりでテンポよく会話を展開できる能力が大切だと感じました。
声のトーンや声量
私は普段、対面のワークショップにおいては声を張ることがほとんどありません。カフェでおしゃべりをしているような場にしたいと思っているので、普通の声でお話ししています。
ですがオンラインワークショップでは、無意識のうちにとても声量が大きくなり、声のトーンも通常より上ずっていたことに、終盤になって気づきました。
きっと、場を盛り上げなきゃという気持ちが、声に反映されたのだと思います。水の減りがすごく早かったので、これから実施する方は、ペットボトル1本くらいは手元に置いておいたほうが良いと思います。
通常より声大きめ、トーン高めのほうがオンラインワークショップにはマッチするのか、普通通りで充分なのかは、一回だけでは判断がつかなかったので、今後良きバランスを見つけたいと思っています。
Goodだったポイント!
さて、ここからは今回開催したオンラインワークショップの中でGOODと感じたことについて、ワークショップの進行手順に沿って書いておきます。ぜひTIPSとしてご活用ください。
入室への歓迎
今回はアイスブレイクに関してあまり時間を取れない設計だったので、入室時の雰囲気づくりに意識を向けました。
具体的には、参加者が入室した際の「ようこそー!」とか「○○さんこんにちは!」などの声がけです。この試みのおかげで、和やかな雰囲気で開幕を迎えることができました。
対面のワークショップでは、参加者が会場に着いたら歓迎のあいさつをするのが普通ですよね。オンラインワークショップでも対面の時と同じように、参加してくれた方々に敬意を払いながらお迎えするのが良いと思います。
リアルな場では受付担当がいるように、オンラインワークショップではウェルカム担当を決めておくと、参加者が安心して開始までの時間を過ごせると思いました!
ぱっと読める名前の表示
続いて、zoomに表示される名前を、ぱっと読めるようにしていただくことがとても重要だと感じました。
今回は本編が始める前の待機時間と、開幕の冒頭を使って、表示名を分かりやすくしていただきました。
対面の場では、名前が分からなくてもお話しを振る方法はいくらでもありますが、オンラインワークショップでは、お名前を呼ぶという手段にほぼ限られます。
その際に、読みにくい名前表示になっていると、そこで進行が一瞬もたつきます。そう、私の名字「相内」などはまさにこの対象ですね(笑)
佐藤などの誰もが読める漢字はそのままでもいいのですが、相内などの読みにくい名前、色んな読み方が想起される名前は、「あいない」とか「Ainai」などにしておいていただけると、お互いに助かると思います。
発語だけに絞ったアイスブレイク
アイスブレイクは対面の場に比べると、本当に手段が限られます。そこで今回はコール&レスポンス形式で、参加者全員に発語をしていただくことだけに意識を向けました。
今回はどの月の参加者たちが一番元気かを競う形式で、1~12月まで順にコール&レスポンスを進めてみました。
11月まで進んだ際「さあ、いよいよ12月ですよ! 分かっていますね? 今までの参加者より、元気よく発声してもらえれば優勝です!」と煽ったにも関わらず、12月生まれの参加者が1人もいなかったのが最高に笑えました。
感覚ですが、オンラインワークショップのアイスブレイクは、細かい設計で丁寧にやるより、どーんとおおらかに設計したほうが機能すると思いました。
盤石な運営体制
今回は主催者5名の体制で運営をしました。zoomの扱いになれているメンバーをテクニカル隊長・副隊長に任命させていただき、隊長にはzoom運営に徹底していただきました。
また、参加者サポート隊長も任命させていただき、zoomに入れないなどのトラブルを抱えた参加者の対応を一手に担っていただきました。
私はコンテンツ設計と、当日のメインファシリテーションを担当しました。
こうした運営体制のおかげで何から何まで円滑に進行し、ノーストレスでファシリテーションに集中することができました。
10人程度なら1~2人の運営者でも対応できると思いますが、それ以上の参加者が来るようでしたら、それぞれ役割分担をしておくことをおススメします。
例えば、ファシリテーションをしながら、トラブルでzoomに入れない参加者のケアを同時に行うというのは不可能なので。
2~3名でのアナウンス
対面の場では、メインファシリテーターが1人でずっと話し続けても違和感がないのですが、オンラインワークショップでは、少し単調になってしまう感覚を得ました。
今回は数人の運営者が、私のファシリテーションに合わせて、ところどころで声を出してくれたのが助かりました。いくつかの声が聞こえるだけで、場の空気がリフレッシュされるんですよね。
特に長時間のオンラインワークショップを実施する場合などは、1人のファシリテーターだけが話しすぎないように意識しておくと参加者にとって優しいなと感じました。
ただ、マストではないです。
手書きのフリップ
上記もしましたが、手書きのフリップは親しみやすさを生むアイテムとして機能したと思います。
どんな雰囲気のワークショップにしたいかにもよると思うのですが、投影資料を画面共有するだけではなく、うまく合わせて使うことで良い効果が生まれそうです。
私は今後のことを見越してA3サイズのホワイトボードを購入しました。
「間」ができたら即指名
今回は2つの全体共有を用意したのですが、手が上がらなかった時にはすぐ指名をさせていただきました。
上記でも対面とオンラインワークショップの「間」の違いについて書かせていただいたのですが、Webではほんの少しの空白な時間ですら、不快感につながります。リズムが本当に大切です。
私は対面でのワークではあまり指名をしないスタイルで、同じような意識を持っている方も多いと思うのですが、Webでは少し、スタイルチェンジを意識してみるのが良いと思いいます。
高校生・大学生は軽々zoomを使いこなす
これは流石としか言いようがないのですが、高校生・大学生のリテラシーの高さが圧倒的でした。zoomについて説明しなければ、と思っていたことの1/5程度でレクチャーが終わり、大変助かりました。
きっとスマフォやゲームなどを通じて、直感的に操作をしながら使い方を覚えることに慣れているんだろうなあ。
もっと良くできたポイント!
続いて、ここからは今回開催したオンラインワークショップの中でもっと良くできる余地あり!と感じたことについて、ワークショップの進行手順に沿って書いておきます。ご参考ください!
グラウンドルールをオンライン仕様にする
始めにグラウンドルールです。先ほどから何度か取り上げてきた、間延びが生まれにくくなるようなルールを足しておくと良いなと感じています。
例えば「お見合いせずどんどん話す」「会話がかぶってもOK」「3秒以上誰も話さなかったらなんでもいいから声を出す」などなどです。
次回のワークショップで試してみようと思っています。
説明時のピン留め(画面固定)に気を付ける
今回は私が話している間に限り、参加者の画面には私が拡大されて映るよう、ホストに画面固定の操作してもらいました。手書きのフリップがあったので、そのほうが都合が良かったのです。
でも結果、私の画面にも、私がアップで映るようになってしまい、参加者の様子が見えなくなってしまったのです……。
全く参加者が見えない状態で話し続けるのには慣れていなかったので焦りました。皆さんもお気をつけて。
チャット活用のアナウンスを定型化する
こちらはちょっと不用意だったのですが、チャットの活用についてあまり丁寧に説明をしませんでした。
今回は幸い、このことによって何かに困ったわけではないのですが、定期的にオンラインワークショップを開催するなら、チャット利用に関する説明を定型化しておいたほうが間違いないと感じました。
チャットでのワーク指示を事前にテキスト化しておく
オンラインワークショップの途中で、「あ、備忘のために、チャットにもワークの指示を流しておくといいんだ」と気づきました(笑)
そこで口頭で指示をした後に、その指示をテキストにしてチャットに流したのですが、ハッキリ言ってめんどくさかったです。
そして、早く送らなきゃと焦りました。
そこで感じたのが、ワークの指示は始まる前にテキスト化しておいて、その都度コピペで貼り付けるだけにしておくと良い、という解決策でした。
次のワークショップからこの準備をやっておこうと思っています。
ブレイクアウトルームへお邪魔するかもアナウンスをしておく
今回は初めてオンラインワークショップを開催したので、各グループでどんな話しが生まれているのか、とても気になりました。
そこでいくつかのブレイクアウトルームを覗かせていただいたのですが、とつぜん人が増えるとやっぱりビックリするようで、何度か対話の流れを止めてしまいました。
次回は、セッションに入らせていただく可能性があるということと、入っても気にせず話し続けてね(リアクションしたり、声をかけたりしないでね)ということをアナウンスしておこうと思いました。
気を散らしてしまいごめんなさいでした。
早く話し終わったグループへの指示や対応を設計する
これも不覚だったなあと後から気づいたのですが、ワークが早く終わってしまったらどうして欲しいかを伝えておくべきでした。
というのもブレイクアウトルームに別れてしまうと、何が起こっているか分からないので、早く終わってしまったグループへ介入することができないんですよね。
対面の場なら、「更に○○についても考えておいてください」とか「早めに休憩に入ってOKです」など適宜対応ができるのですが……。
何も話すことが無くなって、没入感が消失してしまうのは、ワークショップにおいて致命的です。
そのため、オンラインワークショップでブレイクアウトルームに別れる場合は、早く終わってしまうグループへの対応まで設計しておく必要を感じました。
具体的には、やることがなくなってしまった場合の指示をブレイク前に出しておくか、ある程度時間が経ったときにチャットで流すか、グランドルールに「会話が早く終わったらできるだけテーマに関連した話しをする」等を入れておくかかなと思います。
テーブルファシリテーターの導入を検討する
これができれば、大体のデメリットが解消されるだろうなと感じるのが、頼れるテーブルファシリテーターを各グループに派遣することです。
ただこれはリソースの都合で実施が難しかったり、事前打ち合わせの手間や、ブレイクアウトルーム作成の煩雑さなど、さまざまな要件をクリアしないと成立しません。
毎回テーブルファシリテーターを用意する必要はないと思いますが、難しい設計でワークを進行する場合や、ゼッタイ外したくない案件は導入を検討してみては。
感想共有の形をデザインする
私はワークショップの醍醐味は、意見や感想の共有からさまざまな気づきや発見が生まれることだと思っています。だから対面でワークショップをデザインする場合は、必ず全体で化学反応が起こるように、ワークの成果を共有するタイミングを設けます。
それなのにオンラインワークショップと来たら。対面に比べて感想共有をする手段が限られています。今回はチャットを使って感想を共有していただきましたが、時間が潤沢だったら、もう少し丁寧に設計したかったなと思います。
個人的には、Googleスライドやスプレッドシートを活用して、参加者の意見や感想を視覚的に確認できるような状態を整えておくことで、対面の時に近い感覚で触発を生み出せるようになるのではないかなと仮説を立てています。
ネガティブな気持ちで終わってしまった方へのフォロー
これはワークショップが終わった後に気づきました。
対面のワークショップであれば、どの参加者は満足をしていて、どの参加者は不満そうだったか、だいたい見ていて分かります。そのため実施中や終了後に声をかけて、個別にフォローを行うことが容易でした。
ですが、オンラインワークショップではカメラがオフになっている参加者もいるし、成否についての手ごたえを実感することが困難です。
また、もしすごく不満そうな方を見つけたとしても、個別にお話しを伺うことができません。
そのために、もし不満を残してしまったり、解消しきれなかったモヤモヤを強く感じている方には、ワークショップ後に連絡できるコミュニケーションラインを開いておくことが必要だと感じました。
具体的には、主催者に伝えたいコトや相談したいことがあればこのメールアドレスにご連絡くださいとアナウンスしておくなど、何かしらの連絡手段を明示しておくと親切だと思います。
今後取り入れようと感じたこと
最後に、これからのオンラインワークショップで試してみようと思ったことを書きます!
アイスブレイクでの「共通点探し」
まずアイスブレイクでは、何人かのグループに別れていただき、参加者どうしの「共通点探し」を行ってみたいと思いました。
上述したように、オンラインワークショップでは、「発語してみる」ということを通じて心の緊張がほぐれていくのではないかと仮説を立てています。
また、ブレイクアウトルームでのグループ対話は、参加者が主体的に場をリードする意識が大切だと思っています。
これらの要素を両立できるのが、「共通点探し」だと思うのです。
アイスブレイクと、以降のセッションへの意識付けを兼ねて共通点探しを行うと、全体を通じて機能するオンラインワークショップを展開できるのではないかと思っています。
ワイヤレスイヤホンを装着してのファシリテーション
続いてですが、次回はワイヤレスイヤホン(マイク付き)を装着してファシリテーションをしてみようと感じました。
今回は有線のイヤホンを使って1時間半の進行を行ったのですが、終了後、体中がバキバキに固まっていました(笑)
なぜかと言うと、イヤホンの線の長さによって、体を自由に動かせる範囲が制限されてしまったからです。画面中央に映り続けなければー! と、体を縮めて画面におさまっていたのも影響したと思います。
そこで早速、ガジェットに詳しい先輩に相談をし、音質と長時間使用に定評のあるワイヤレスマイクを教えてもらいました!
これさえあれば体を自由に動かせるし(立ちながらも話せる!)、フリップを扱うにも便利です。
反応を感じられなくても心配しないスタンス
最後は、参加者の反応を感じられなくても心配しない、という心構えを採用することです。
ファシリテーターとしてそれでいいのか、という葛藤はもちろんあります。対面の場において、私は何よりも参加者の反応、状態を大切にしてきた自負があるので、なおさらです。
ですがオンラインワークショップは、既存のワークショップの延長として捉えるより、まったくの別物として取り組んだほうが機能するのではないかと感じています。
だから対面でのワークショップにおいて機能していたこと、こだわっていたことを、そのままオンラインに移植していてもだめだと思うんですね。最たるポイントが、この項目です。
参加者の反応を感じられなくても心配しないためには、大きく2つの方向性があると思っていて、ひとつは準備を丁寧に行うこと、ひとつは参加者の主体性を信じて任せることです。
5月はオンラインワークショップの実施予定があと5~6回ほどあるので、このスタンスがどこまで機能するか、試してみようと思っています。
終わりに
以上が、初めてのオンラインワークショップを実施してみての気づき、学びでした!
いかがでしたか? 何かあなたのワークショップに参考となる項目があれば幸いです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
オンラインワークショップのお問い合わせもお待ちしております!
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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