対話が深まるワークショップの空間に欠かせない「心理的安全性」の作り方
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ワークショップデザイナーの相内です。先日、独立してからのワークショップ実施回数が100回を超えました! ご依頼をいただいた皆様のおかげです! 本当にありがとうございます! 次は200回に向けて精進していきます。

 

これまで実施してきた100回のワークショップは、もちろんそれぞれ内容が違いますが、どの回でも必ずお伝えしてきたことがあります。それが「自分自身を自由に持ち出せる安心安全な空間を作りたい」ということです。イメージでお伝えすると、ぼくは「午後の喫茶店」みたいな空間を作りたいと常に思いながら場に臨んできました。ポカポカしていて、思わずリラックスしてしまう、そんな場です。

 

ワークショップでは、普段の日常では話せないような気持ちを場に出してもらうことから、対話がぐっと深まります。逆に言えば、普段の会話の延長にしかならないのであれば、ワークショップを実施する価値はほとんどありません。

 

そのため、いかに日常からは出てこない意見を言い合える場を形成するかが、ワークショップの成否においてとても重要になります。

 

この記事では、ぼくがなんでも言える安心安全な場を作るためにワークショップで欠かさず実施している2つの取組みについてご紹介させていただきます。機能するワークショップが日本の文化になることを意図して!

ワークショップ開幕時に意図とグランドルールを共有する

まずはワークショップの開幕時ですが、ぼくは毎回必ず、「今日皆さんと一緒に作りたいのは、自分自身を持ち出せる、安心安全な空間です」と意図をお伝えしています。対話が深まる良いワークショップの場を作るためには、ファシリテーターひとりが奮闘するのではなく、その空間に集う全員の協働が必要です。なので冒頭の導入は超重要! 「みんなでいい場を作るんだ」と意識してもらうことが欠かせません。

最近は以前よりも厚くお話をさせていただくことが増えて、「心理的安全性」の重要性をGoogle社のプロジェクトアリストテレスを引用させていただきながら、開幕の時間を過ごしています。

 

その上で、皆さんに守っていただきたいグランドルールをお伝えしています。ぼくがお願いしているグランドルールは、多くの場合、以下の4つになります。

  1. 話し終えるまでじっくり待つ
  2. ただ受け取る
  3. 相手を変えようとしない
  4. 共有された話しを攻撃の材料にしない

 

1つ目は、相手が話し終えるまでじっくり待つことです。会社においても、友達との会話においても、自分が話し切る前に相手がカットインしてくる人ってたくさんいますよね。その結果、自分が言いたかったことが最後まで言えなかった、自分が伝えたかったこととは異なる解釈をされた、ということがよく起こっていると思います。ワークショップでは、参加者全員が平等に意見や感情をシェアし合うことに大きな価値があるため、こうした状況が起こらないように場を整えることが欠かせません。

 

2~3つ目は、相手の話しをただ受け取ること、自分の考えや常識とは異なる意見が共有されても、決して相手を変えようとしないことです。もし、ワークショップや会議などの場で、自分が共有する意見が否定され続けたとしたら、その後は発言を控えたくなりますよね。周囲の人も緊張して萎縮してしまうでしょう。

 

また、ワークショップで話した自分の生い立ちや、素直な感情などを「あの時○○○って言っていたけど、そんなんだからオマエはダメなんだよ」などと、後日に、別の場で攻撃の材料にされてしまったら、とても辛いです。そうした危険性をほんの少しでも感じている場では、人は自分のことを決して開きません。

 

ワークショップでは、価値観や経験してきたことが違う人同士が、お互いの視点から考えをシェアし合うことで新たな可能性が生まれます。だから「こんなこと言っていいんだろうか……?」と心配し、発言を悩む必要がない「心理的安全性の高い空間作り」を意図して、上記の4つのルールを守っていただけるようお願いしています。

 

そして、ワークショップ中に上記のルールに反する振る舞いが見受けられた場合は、もう一度ルールを共有して、みんなでルールを守る意識を高めています。

 

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チェックインで今の自分を素直に語りあう

次にチェックインです。チェックインでは、今の自分の中にある気持ちや、体の感覚などを自由に持ち出しあっていただきます。今から何が起こるか楽しみにしています! 等のポジティブなことでもいいし、終わっていない仕事があってソワソワしています、人見知りなので緊張しています、などのネガティブに感じられることでも制限なく伝えてもらって大丈夫です。

 

「この場は本当に今自分が感じていることを自由に発言していいんだ」と参加者に実感していただかない限り活発な対話など生まれるわけがないので、チェックインの時間はぼくのワークショップを形成するために欠かすことができません。多くの場合は、まずぼくから皆さんに向けてチェックインをさせていただいています。例えば、お昼にとんかつを食べすぎて喋ると吐きそうです、とか、お腹がガスっぽくてトイレにいきたくならないか心配です、とか、今日のワークショップはちゃんと成果が出るかソワソワしていますとか、本当に素直に、その時々で感じている気持ちを伝えています。忖度は一切しないし、素敵な皆さんに集まっていただいてワクワクしていますとか、こうした場をリードする人にありがちなおべっかも絶対言いません。(本当にワクワクしている時はそう伝えます)

チェックイン対話

文字で見るとおよそ場をリードする代表者として大丈夫なのかと感じる内容ですが、こちらが素直な見本をお見せしないと、参加者のガードは外れません。ファシリテーターがどれだけコミュニケーションを開いているかと、場の参加者がどこまで自分を開示できるかは完璧に比例するので、ここで書いているなんでも言い合える安心安全な空間を作る意図でチェックインをする場合は、ぜひファシリテーターが率先して今の気持ちをさらけ出してみてください。

 

また、この時間は前述したグランドルールを実践いただく良い練習機会にもなっています。よくあるのが「〇〇なので眠いです」というチェックインに対して、「そしたらコーヒー飲みなよ!」と切り返しているパターンです。表面上は優しい提案に見えるかもしれませんが、これってシンプルに言うと、「眠いのは悪いことだから目を覚ませ!」というメッセージが込められています。グランドルール③は「相手を変えようとしない」なのですが、眠いのはダメだから、目を覚ませ! は、思いっきり相手を変えようとしていますよね(笑) こうしたケースでは、相手を変えずにただ受け取るですよ! と改めてお伝えします。

 

不思議なもので、眠いと感じていることを隠して打ち消そうとすればするほど眠くなるものですが、眠いと口にして誰かに受け取ってもらうと、それだけで自分の状態が良くなったりするものです。だからワークショップでいい時間を過ごそうとするなら、自分の中にある気持ちを打ち消したり、無理に相手を変えようとしなくてOKなんですよ。

ワークショップは「午後の喫茶店」のような空間で

いかがでしたか? こうやってワークショップの冒頭を意図的にデザインすることで、暖かくて、お互いを尊重しあえる空間を作るためのドアが開きます。そうすることによって、リラックスした雰囲気から深い共有が生まれ、触発が起こり、日常生活の中からは創造することのできなかったアイディアや関係性が生まれていくのです。時間にして、ほんの10~20分なので、良い空間を作りたいと願う場面でぜひ使ってみてください。

 

ワークショップ、ファシリテーションにはいろんなスタイルがあると思いますが、ぼくのワークショップは、午後の喫茶店のような空間で実施し続けていきたいです。きっとそのほうが、参加者の自発的な前進につながると思うから。

 

人生を自分らしく!

相内 洋輔

 

 

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