WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
私は仙台を拠点にワークショップの企画運営やファシリテーション、
コーチングなど、人が前進するための場作りを行っています!
先日、認定NPO法人底上げさんが毎月開催している底上げDrinksにて、
『機能する問い』を探究するワークショップを開催させていただきました!
~底上げDrinksとは~
底上げDrinksは高校生が地域を知る機会を増やすことを目的とした交流イベントです。
月1回、町内の高校生と大人が集まり、食事をしながら地域のゲストスピーカーの話を聴いたり、
一緒に食事の準備を行う中で、高校生が大人から地元のことを学び、
地域の大人も高校生の活動に関心を持つなど、新しいつながりがうまれています。
10月の『アイディア体質』になるワークショップに続く2回目です!
問いを探究しようと思ったワケ
この講座は高校生や大学生が「プロジェクトを進める力」を身に付けることを目指し、
3ヶ月連続で開催しています!
初回はアイディア体質になる!をゴールに、
アイディアをたくさん出せる心構えと、アイディア出しの具体的な手法を楽しみました!
そして2回目の今回は「問い」を探究です!!
一説によると、人間は1日に6万回の思考をしていると言われています。
もしそのうちの大半が、プロジェクトの実行を阻害する思考だったとしたら?
いくらプロジェクトを前進させる方法を授けたとしてもうまく進みませんよね。
そこで、普段自分はどんな思考のクセがあって、
その思考は自分を前進させているか、
それとも止めているのかをつかんでもらおうと思ったのです!
人にはアクセルとブレーキの両方があるので、
前に進むためにアクセルを強く踏んだ方がいい時と、
前に進めなくしているブレーキを解除した方がいい時とがあります。
こうしたことを探究するのに、
普段自分が「どんな問いを立てているか」を観ていくのは有効だと仮説を立てました!
機能しない問いに苦しんだ体験のシェア
今回は、私が「機能しない問いに悩んだ体験」のシェアから始めました!
「私(我が家)はこのままで大丈夫だろうか?」
という問いに悩んだ、つい最近の体験です。
私はフリーランスになって半年が経ちましたが、
おかげさまで順調にお仕事をいただけています!
ですが車検の支払いなど多くの出費が必要な月と、
収入の低い月とがちょうど重なってしまい、
独立して以来初めて単月の収支がマイナスになったんです。
しかもそれが2か月続きそうな見込みでした・・・。
こうした状況に直面した途端、
これまでは順調だと思っていたのに、
突然、未来がものすごく不安になったんです。
「私(我が家)はこのままで大丈夫だろうか?」
悩みに悩みました。
しかし、どれだけ悩んでもこの問いには結論が出ません。
なぜなら、未来に行ってみないと大丈夫かどうかなんて分からないからです。
こういう問いを「クレージー・クエスチョン」と呼ぶこと、
「クレージー・クエスチョン」には取り組む価値がないことを、
コーチングの師匠である岸 英光さんから何度も教えていただいているのですが、
知らず知らずのうちにハマってしまうのが人間です。
ただ、こういうものの存在を知っていると、
自分が特定のメカニズムに支配され罠にハマってもさっと気づける
ようになります!
私は2~3日で機能しない問いから抜け出し、
機能する問いを作り直し、
問いから生まれた案に沿って、
10個ほどの短期・中長期のアクションを実施!
ここでは割愛しますが、たくさんの未来の可能性を手にすることができました!
取り組む問いが適切かどうかで、どれだけの違いが生まれるのか。
そして行動を起こすことで、どれだけ想像を超えた未来が近づいてくるのか。
参加者にはしっかり感じ取っていただけたのではないかと思います。
問いを楽しむ!
その後、みんなで「問い」から思考を展開するトレーニングを行いました!
この会の目標は、自分で機能する問いを作れるようになることでしたが、
そこへ直接切り込んでいくとかえって混乱を生むような気がして、
まずは問いによって思考がどんなふうに拡がっていくかを体験するほうが良いと思ったのです。
そのため今回は『てつがくおしゃべりカード』を使い、
楽しい時間を一緒に過ごしつつ探究する進め方を選びました。
参加者が選んでくれた
『何がふつうかを決めているのはだれ?』
『一番だいてなぐさめてあげたいのはどんなことをしたサッカー選手?』
『ゆめもお金に代えられる?』
という3つの問いはどれもすごく面白く、
話しをしているうちに、
定義しなければならないことや、
議論の前提を覆すような視点が次々と浮かんできて、
会話のステージが躍動的に移ろいながら、あっという間に時間が過ぎました!
問いを生み出す!
そして最後は自分たちで問いを立てる練習へ!
まずは、機能する問いとはどんな問いかを、3つにまとめて伝えました。
(ここも自分たちで定義したら、もっと学びが深まったかも)
その後「成功」というテーマに大して、4種類の問い作りにチャレンジ!
下記の4項目に沿った問いを自分で考えてみる時間を設けました。
- アクションが引き出される問い
- 思考が深まる問い
- 視点が転換される問い
- クレージー・クエスチョン
その結果が以下の写真です!
『成功した人はどんなことに注意を払っていたんだろう?』
『誰に会ったら成功に近づくんだろう?』
『どういう状態を成功と言うだろうか?』
『失敗とは何か?』
『何があると成功と言えるのか?』
『私の価値観とは違う成功とは?』
『成功は、過去、現在、未来のどこにあるのか?』
『成功は他の言葉に言い換えられる?』
などなど、たくさんの問いが出ました!
これらの問いに取り組み続けたら、ものすごい結果が出そうだと思いませんか!?
本にでも載っていそうな問いのレベル!
また、
クレージー・クエスチョンは、意図して作り出そうとすると難しい!
でも自分がネガティブな状態の時は簡単にハマってしまう!
という気づきを参加者みんなが得たことがとても興味深かったです!
これは私自身も初めて気がつきました。
例えば『私はこのままで成功できるだろうか?』という問いは、
平時であったり、意図を持って活用すれば機能する可能性が大いにあります。
友人がたくさん協力してくれているから!
資金が潤沢だから!
培ってきた経験があるから!
ニーズをバッチリとらえているから!
などなど、成功できる要因を探る方向に思考が拡がることがあり得るからです。
一方で、自分が不安を感じている時に同じ問いを投げかけるとどうでしょう?
好き嫌いが激しいから敵を作るかもしれない・・・
人見知りの性格だから変わらなければいけないかもしれない・・・
資金が足りないからできないかもしれない・・・
など、自分の不安をより助長する方向へ思考が拡がっていきやすいです。
そうすると無限ループで、不安の連続から抜け出すことができなくなっていきます。
そのため、自分が不安や恐れを感じている時ほど、
無意識のうちにどんな問いに取り組んでいるか注意を払う必要がありそう!
という発見が生まれました。
参加者からこういう発見が生まれるのがワークショップの醍醐味!
まとめ
「問いっていいな!!」
「わたしクレージー・クエスチョンにばっかり取り組んでた・・・!」
と感想を共有してくれた参加者の顔がすごくイキイキとしていて、
ワークショップデザイナー冥利に尽きる2時間でした!
これまで私は、あまり定型のワークショップを持つ気がなかったのですが、
今回のワークショップは自分の商品として磨き上げていく価値を感じています。
何より私自身がファシリテーターをしていてとても楽しい会でした!
2ヶ月連続で機会をくださった底上げの皆様と、協力者の方々に感謝です!
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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