WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。2019年に開発した機能するコミュニケーションを探究するためのコンセプトワーク『ぴんくのだんごむし』をのいえ保育園の皆さんと商品化することにしました!
ぜひ多くの方に応援していただけたら嬉しくクラウドファンディングを実施予定です!
そこで今日はクラウドファンディングのスタートに向けて、約10人の親子にぴんくのだんごむしを楽しんでいただきました。
「それじゃ分からないよーー!」だらけの子育て
ぴんくのだんごむしは、3歳だった娘との会話から誕生した連想ゲームです。
「く~いずくいずっ!ぴんくでまーるいもの、なーんだ?」
と聞かれたので私が「さくらんぼ!」と回答したら
「ぶーー、ぴんくのだんごむしでしたーーー!」
とドヤ顔されたのが誕生のきっかけでした!
でも娘はいたって真剣で「おとしゃんはなんでわからないのかな~?」としきりに首を傾げていました。
その時にふと気づいたんです。これって言葉が不自由な幼児とのコミュニケーションを考えるに当たって、すごく面白いのではないか?
私の直感を図にするとこんな感じです。娘は3歳なのでもうしっかり言葉を話せますからこの例では、まだ上手に言葉を話せない1~2歳の子のことを想像しながら見てください。
子どもは「ぴんくのだんごむし」と伝えたくなりました。
でもその子はまだ「だんごむし」という単語を知りません。
そこで精いっぱいの知恵を振り絞り「ぴんくのまるいの!」と発語したという状況です。
使える単語が少ない子どもにとって、これは完璧に近い意思伝達だと思いませんか??
それでも大人にはちゃんと伝わりません。
子どもには当然イライラが募ります。なんで分かってくれないんだ~~!?
大人側は「ぴんくのまるいの」だけでは子どもが何を言いたいかさっぱり分りません。
さくらんぼ?
桃?
お花?
思いつく限りの単語を言ってみますが、いつまで経っても正解が見つからず次第にお互いにイライラした気持ちが抑えられなくって行きます。
こういう会話って、お子さんを持っている方なら誰もが体験したことがありますよね?
私もたくさん経験があり、たくさんイライラしました(笑)
そしてこの構造ですが、厄介なのは
という親側の気持ちです。
なぜならぼくらは言葉が不自由でうまく伝えられないっていうシンドイ体験を、もうすっかり忘れてしまっているから!!
伝えたいのに伝わらない・・!を疑似体験する
大人になると、自分が伝えたいことが生まれたら、知っている単語をうまく組み合わせ
相手に分かってもらえるよう話すことができるようになります。
しかし幼児は伝えたいことがたくさんあるのに限られた単語の中でしか自分を表現することができません。
だから大人からすると「またよくわからん発言をしている」と感じてしまうこともありますが、子どもは精いっぱい伝えているんです。
伝えたいキモチが届かないってすごいストレスですよね。
そしてそれによってお互いが消耗しているのだとしたら、なんだかとっても寂しいですよね。
だからこそ私たちは、もう忘れてしまった伝えたくても伝わらないもどかしさを体験し直すことが必要なのではないか!?
伝わらない気持ちを味わったら、これまでとは違う態度で子どもの言いたいコトを分かろうとする意欲が生まれるのではないか?
そうして出来上がったのが「ぴんくのだんごむし」です。
ぴんくのだんごむしのルールと効果
ぴんくのだんごむしはカードを引いてそこに書かれた名詞、たとえば「ライオン」や「新幹線」といったものを同じチームの仲間に当ててもらうという連想ゲームです。
参加者には名詞カードと同時に「数字」や「色だけ」「形だけ」という指示が書かれたカードを引いてもらいます。
引いたカードが数字であればその数字の分だけ名詞の特徴を言うことができます。
例えば「ライオン」と「3」というカードを引いたら、「ネコ科、たてがみ、カタカナ!」など3つの特徴を提示することができます。
「形だけ」のカードを引いたら、ギザギザ! ふさふさ! など外見の形についてだけ特徴を伝えられます。
すごく単純なゲームなんですけど、実際にやっていただくとどこの会場も爆笑の渦に包まれます。
ちょっと、それってなんのことなの!?
まったくわかんないよーー(笑)
ああーーーー、パス!!
早くわかってよーーーーーーー!!
うわーーーー、当たったーーーーー!!
こうしてひとしきり遊んでもらった後に、普段のコミュニケーションについて考えていただくのですが「言葉で表現できないってこんな気持ちだったんだ・・・」「普段はこんなにしっかり、相手を分かろうとしてなかった」などなどたくさんの気づきが共有されます。
コミュニケーションはこうしろ! なんてことはこちらから何もお伝えしないゲームなのですが、皆さん自分たちの体験から素早く学びを構築され「明日から活かします!」と嬉しそうに帰って行かれるのが特徴的です。
「分かり合えない」から始めるま~るいコミュニケーション
私らは普段、言葉を発したらお互いそれなりに意味が分かるという世界で過ごしているため、他人と全く分かり合えないということはあまり想定していません。
だからこそ子どもが何を言っているか分からないと、いつもと勝手が違って戸惑ってしまったり、イライラが生まれてしまうのだと思うのです。
でも例えば外国の方と接する時などは、相手の日本語がお上手でなくてもイライラすることなく、相手の意図していることを汲もうと想像力を働かせることが自然とできますよね。
言葉が違うから私らはなかなか分かり合えないという前提であれば、あまりイライラすることもありません。
親子でのコミュニケーション、あるいは職場の同僚とのコミュニケーションもそういう前提にシフトできないでしょうか?
そのためには不自由なコミュニケーションを体験して伝えたいのにうまく伝わらない! を意識的に感じてみることがとっても有効だと思うのです。
正しさを尖らせない柔らかなま~るいコミュニケーションがもっと増えることを意図して「ぴんくのだんごむし」からコミュニケーションを探究する機会を提供してきたいと思います。
名付けてぴんくのだんごむしプロジェクト!
どんな活動になっていくのかとっても楽しみです^^
ぴんくのだんごむし、体験してみたい方がいらしたらぜひお気軽にご連絡ください!
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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