ワークショップ研修の進め方 ~私が基本にしている3つの仕掛け~

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。仙台を拠点にワークショップの企画運営やファシリテーション、コーチングなど、人が前進するための場作りを行っています。

私はワークショップ研修を作る時は毎回自由に設計できる喜びをかみしめています。知識を伝達するための講義と違って、やり方が無限にあることや、参加者が変われば同じワークでも結果が全く異なることなどは、ワークショップの醍醐味だと思うからです。

ただ、そんな私が必ず毎回のワークショップに入れている仕掛けが3つだけあります。

  • グラウンドルールの共有
  • チェックイン
  • 全体シェア

の3つです!

なぜなら、この時間があるだけで、ワークショップはぐっと深くなるからです。ワークショップを設計されている方や、研修を依頼したい方などは、ぜひご参考いただければと思います。

目次

グラウンドルールの共有

まず「グラウンドルールの共有」です。私はワークショップ研修の冒頭で、必ず参加者に会のグラウンドルールをお伝えしています。どうしてかと言うと、グラウンドルールの存在は、安心安全な場作りを進めていくうえで欠かせないものだからです。

私はワークショップの空間は、自分自身が感じたことを素直に表現することができたり、ふだんは胸にしまっていてなかなか外に出せないことなども、気兼ねなく持ち出せる場となることを意識しています。

だから「ワークショップの場で話したことが他の人に伝わってしまうかもしれない」とか「こんなこと言ったらバカにされるかもしれない」といった不安は、なるべく早いうちに参加者の頭の中から取り除いておいてしまいたいのです。

そこで、こうした背景をお伝えしたうえで

  • この場で話されたことはこの場限りのものとして扱うこと
  • 共有された情報を人を攻撃するための材料にしないこと

などを共通のルールとするようお願いしています。

また、ワークショップでは主体的に参加してくれる方が多いほど、学びや触発が深くなります。そのため主体的に参加し自分たちで成果を創る意識を持っていただくことも、必ず最初にお伝えします。

例えば、

  • 積極的に発言をする
  • 気づいたことは胸にしまっておかずに持ち出す
  • 全体の貢献を意図した意見共有を行う

などなど、その場にフィットするルールを盛り込みます。

オンラインでのワークショップにおいては、Zoomのブレイクアウトセッションをよく活用するため、自分たちでタイムキープをするをルールに追加したりもしています。

また、合宿など、潤沢に時間がある場合や、リーダー育成研修などでは、会場のみんなで一緒にグラウンドルール作りをするところからワークを始めることもあります。

例えば研修などでも、冒頭に「この場で出会った人に商売を持ちかけたり、物を売ったりすることを禁止します」とアナウンスされることがありますよね。

そうしないと、場がぐちゃぐちゃに乱れてしまう可能性があるのは、ワークショップも一緒です。だから会の始めに、この場では何を大切にするか、何を守らなければならないかを明確にし、お互いが合意をしておくことは、とても重要で欠かすことができないプロセスです。

チェックイン

続いて大切にしているのが「チェックイン」です。チェックインとはワークが始まる前に、今の自分が感じている気持ちや、身体感覚や、みんなに伝えておきたいことなどを参加者それぞれが自由に持ち出す時間のことです。ペアになって順番に話すこともあれば、全体で話したい人から順に発言していくこともあります。

チェックインでは、眠い、疲れた、帰りたいなどのネガティブなことも自由に発言してOKです。これらのネガティブな気持ちを誰にも言えず溜め続けているとストレスにつながるのですが、口に出して外に伝えてしまうと、こうしたネガティブな気持ちに引っ張られにくくなります。すごく重要な作用です。

だから私は、いくら全体の時間が少ないワークショップだったとしても、できる限りチェックインを盛り込んでワークショップを設計します。

また、こうしたことを自由に言い合えることで「この空間は安心して本音を言える場なんだ、着飾らなくても大丈夫そうだな」という意識が参加者に芽生えます。こう思ってもらえたら、以降のワークでは弾むような会話が生まれること間違いなしだと思いませんか?

私は半日のワークなら1~2回ほど、終日のワークなら3~4回ほどを目安にチェックインする時間を設計しています。

ワークショップの冒頭や、休憩空け、ご飯の直後などにこうして自分のことを持ち出す時間を設けておくと、参加者の心が開いたり、集中力が高まったりして、とても深い議論につながりますよ!

全体シェア

最後に「全体シェア」です。ワークショップでは各所で様々な気づきや揺らぎ意識の転換などが生まれます。それらを個人の体験・気づきとして留めるのではなく、場に出していただくことから、相互の触発を生み出し学びを深めていくことがとても重要です。

そのため各ワークの終了時や、ワークショップ全体が完了する際には、全体シェアの時間を意識して用意しています。自分が感じたこと、発見したことが他者に与える刺激は本当に強くて、ピュアな気持ちの共有から参加者の心の中に予期せぬ波が起こったり、発言してくださった方への見方が転換したりします。

中には、全体シェアをお願いすると、(私の感じてることなんて皆の役に立たないから)と思ってしまいなかなか発言できない方もいるのですが、多くの場合では、そう仰る方の意見ほど、周囲に大きな影響を与えがちですね。

そうやってお互いが混ざり合って、これまでのパラダイムがどんどんシフトしていき、最終的には思いもよらなかった成果に到達する!

だからワークショップって、面白いし、やめられないんですよね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は特別なスキルや知識に頼らず、カンタンに実施できることだけご紹介しました。

それでいて、どれもワークショップ研修全体のクオリティに大きな影響力がある項目ばかりです。ワークショップの成果をもう一段深めてみたい方は、どうぞ騙されたと思って、ご自分のプログラムで試してみていただけましたら幸いです。

ワークショップは、常にトライ&エラー。色々と試して、ぜひご自分に合った場の深め方を見つけていただけましたらと思います!

ワークショップの設計を勉強されたい方には、こちらの記事もオススメです。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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