WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
対面でのワークショップを開催できない状況において、ワークショップデザイナーは何の役に立てるのか?
2~3週間ほど悩んだ結果、機能する対話のきっかけを提供することではないかという結論に至りました。(詳しくはコチラをご覧ください)
私はこの不安定な状況下に置いて、機能する対話は「サーフボードのような存在」だと思っています。
コロナウィルスが終息するまでには、我らが体験したことも無いような波が、今後も次々に押し寄せてくることでしょう。
それらの荒波に飲み込まれるのではなく、波を乗りこなしながら未来へと進む力を作っていくためには、機能する対話が欠かせません。
また、刻々と変化していく状況の中で、精神状態を良好に保ちながら日々を過ごすためにも、同じことが言えます。
そこでこのブログでは、機能する対話の増加を意図して、ワークショップ形式での対話手順をご紹介することに決めました。
複数人で意見交換をしていただくのもいいですし、個人の内省にも使っていただけるように設計しています。どうぞ必要に応じて、ご活用ください。
今日のテーマは、「あえて今、ゆっくりな変化に意識を向けてみる」です。
いま私たちは、次々と浮かんで来る様々な問題について、速やかに対応しなければならない状況に追い込まれています。
そしてこれらの多くは、健全な生活を維持するために欠かすことができません。
でも、こんな時だからこそ、ゆっくり時間をかけて変化を創ることに価値があることも、同時に観ておいたほうがいいのではと思うのです。
ゆっくり。
今日はこのワードをじっくり味わっていただけたらと思います。
素早い変化を求められていると感じるコト
今日は本題から行きます!
まず始めに、いまあたなが感じていることを明確にしておきたいので、この問いかけからスタートさせてください。
いまあなたが素早い変化を求められていると感じるコトはなんですか? 以下の3つの視点から整理してみてください。思いつくことは、なんでも書いていただいてOKです。
- 自分自身のコト
- 身近なコミュニティに関連するコト(家族、学校、会社など)
- 世の中全般に関するコト
時間は10~15分ほどでお願いします!
書き終わったら、お一人で読んでくださっている方は、次のパートへ進んでください。
複数人で読んでくださっている方は、どんなことに関して素早い変化を求められていると感じているかを共有しあってください。
共有される意見は絶対に否定しないことを前提にし、お互いの考えを尊重し合っていただけるようお願いします!
素早い変化と、ゆっくりな変化、どのくらいの割合が適切だと感じる?
続いての問いかけです。
いまあなたの周囲には、変化を作らなければならないコト、変化を要請されていることで溢れているのではないかと思うのですが、
あなた自身としては、素早い変化と、ゆっくりな変化は、どのくらいの割合いが心地よいなあと感じますか?
「今置かれている状況は〇:●だけど、わたしの気持ちとしては□:■がいい」という塩梅を探ってみてください! (合計が10になる範囲で0~10の数字を入れる)
精神状態を整えるために、自分の素直な気持ちを自覚しておくってとても大切なことだと思います。ぜひいくつか数字を入れて、一番しっくりくる割合が見つかるよう試してみてください!
時間は5~10分ほどで充分かと思います。
考え終わったら、お一人で読んでくださっている方は、次のパートへ進んでください。
複数人で読んでくださっている方は、「今置かれている状況は〇:●だけど、わたしの気持ちとしては□:■がいい」を共有しあってください。
今あえて、ゆっくり変えていくのが大切なコトは?
では、本日のメインになります!
今あえて、ゆっくり変えていくのが大切なコトはなんだと感じますか?
また以下の3つの視点から、どんなことが思いつくかを考えてみてください。
- 自分自身のコト
- 身近なコミュニティに関連するコト(家族、学校、会社など)
- 世の中全般に関するコト
このパートはあえて、オープンな問いを提示するだけの設計にしたいと感じたので、ちょっと考えるのが難しいなと思う方もいるかもしれませんが、ぜひじっくり、この問いかけから想起されるものに意識を向けていただければと思います。
浮かんでくるアイディアには、正解も不正解もありませんので、自由に想像を巡らせていただいて大丈夫です!
また、考えつかない項目があっても問題ありませんので、どうしても浮かばない項目は飛ばしてください。
時間は10~15分程度でお願いいたします。
書き終わったら、お一人で読んでくださっている方は、次のパートへ進んでください。
複数人で読んでくださっている方は、ゆっくり変えていくことが大切だと感じたことを共有しあってください。
あなたがゆっくり変えていくコトは?
本日はこれでラストです! ぜひ以下の問いかけから連想されることを考えてください。
あなたがゆっくり変えて行くコトは何ですか? どれくらいゆっくり時間をかけますか?
5分ほど時間を取ってまとめてみてください!
まとめ終わったら、お一人で読んでくださっている方は、上記に対してどんなことから始められそうかをイメージしてみてください。
複数人で読んでくださっている方々は、ゆっくり変えて行くコトを共有しあい、ぜひお互いを応援し合っていただけたらと思います!
チェックアウト
最後にチェックアウトとして、下記の2つを見つめてみてください。
・今日の気づき、発見はなんだったか
・今どんな気持ちを感じているか
1人の方は、ノートなどに書いてみることをおススメします。
複数人の方は、ぜひ率直な感想を共有しあってください。
余談ですが、私は星野道夫さんという、アラスカでたくさんの写真を撮ってこられた方がお書きになったエッセイ『旅をする木』の中に書かれた一節がとても好きで、折に触れて思い返してみています。
もうひとつの時間という、星野さんの友人が東京からアラスカへ訪ねて来た時のことが書かれた章の一節です。少し長くなりますが、背景が理解できるよう、直前の文章を含めて引用させていただきます。
「東京での仕事は忙しかったけれど、本当に行って良かった。何が良かったかって? それはね、私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海ではクジラが飛び上がっているかもしれない。それを知ったこと……東京に帰って、あの旅のことをどんなふうに伝えようかと考え他のだけれど、やっぱり無理だった。結局何も話すことができなかった……」
私たちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。
星野道夫『旅をする木』より
本当に、素早い変化を求められ続けて疲労感を感じている方も多いのではないかと思いますが、この問いかけを経て、ゆっくりな時間の流れに想いを馳せることができたり、本質的に大切なことに目が向いたり、あなたの中で何かしらの変化が生まれていたら嬉しいです!
最後に
・コロナウィルスに関連することを考えたり、ご自身のことを見つめるに当たって、不安に押しつぶされそうになったり、自分自身でいられなくなってしまうような恐怖を感じた場合などは、決して1人でなんとかしようとせず、ご家族や友人などの信頼している方、カウンセラーやコーチなどの専門家にSOSを発信してください。
・本記事の内容については、資料も含め、ご自由にお使いください。もしお役に立てましたら、SNSなどでシェアしていただけますと嬉しいです!
・対話を設計して欲しいテーマについてリクエストがあれば、コメント欄、メール、TwitterのDM等でお知らせいただきましたら前向きに検討させていただきます!
コロナウィルスの支援に関する情報
■首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/coronavirus_shien.html
■厚生労働省(相談・受信の目安、心の相談窓口等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html
■マネーフォワード(補助金・助成金等)
https://covid19.moneyforward.com/
今日も一日お疲れ様でした。また明日!
相内 洋輔
◆ワークショップや研修のご相談は下記から◆
どうぞお気軽にお問い合わせください。
コメント