多様な空間を味わい観察することが場作りの幅を広げる

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。週末はWeWork 東京ポートシティ竹芝で妄想学特論についてお話をさせていただきました。WeWorkの空間がとても整っていて、話していてすごく気持ちが良かったです!

ワークショップデザイナーは、こうした空間の力をたくさん観察しておくと自分の場作りに役立ちます。そこで今日は「多様な空間を味わうと場作りにプラス」というテーマで書いてみようと思います。

目次

目的にフィットする空間作りが重要

空間が人に与える影響は絶大です。開放的な空間では人の心もオープンになりやすいですし、整然とした空間では気が引き締まるものです。そのため場作りを行うワークショップデザイナーは、その日に起こしたいことに合わせて、空間を整える必要があります

空間を整えると聞いたら「そんなことできるの???」とお感じになるかもしれませんが、少しの工夫で、場の表情はガラリと変わります

たとえば楽しい空間にしたい時は机の配置をランダムにしてみたり、ポップな音楽を大きめに流してみたりすることがよく効きます。若者向けのファッションビルのような要素を会場内に持ち込むイメージです。

逆に真面目な空間にしたい時は、机の配置は頭を揃えて、均等に、直角に、一糸乱れず整列するに限ります。こちらは市役所や県庁のイメージです。役場のピシっとした感じを、会場内に作り出すのです。

これがあべこべになってしまうと機能しません。とても楽しい空間にしたいと思いながら、市役所みたいな空間を整えていたら、盛り上がるものも盛り上がらないでしょう?

ですから、目的に合わせて会場を選ぶことがまずは大事です。

そして、選んだ会場が最大の効果を発揮できるように、机の配置・音・光量・風通し・香り・投影資料・ファシリテーションのトーンなどなどを駆使して、意図することが起こりやすくなる空間を整えましょう。

多様な空間を味わい言語化する

目的にフィットする空間をプロデュースする力を高めるために効くのが、この記事のタイトルである「多様な場を味わい、観察すること」です。

そのため私がワークショップとファシリテーションをお教えしている芸工大生には、いろんな場所に行って、その空間がどんな特徴を持っているように感じたか、自分の言葉で整理しておくことをオススメしています。この観察がストックになり、作りたい空間の再現性を高めてくれます。

たとえば冒頭に書いたWeWork 東京ポートシティ竹芝は、シックな内装に柔らかい木目と白壁が調和していてファミリーのような安心感がありました。しかし浮ついた感じではなく、差し色の黒がほどよく沈み、落ち着いた雰囲気、洗練された空気感が同居していました。

天井はダクトや配線が剥き出しで、開放感があります。他のスペースには秩序やルールが見て取れますが、この部分だけは不規則。この矛盾している感じが、むしろ何か新しい可能性を想起させ、大人が新しいビジネスを企むにふさわしい場所だなと感じました。

こんな感じで、自分がその空間から感じたことが何だったのかを分解してみるのです。大事なのはそれが正しいかどうかではなく、自分が何を感じ取ったかです。

言語化した空間は場作りの引き出しになる

こうして情報を蓄積していくと「このワークショップにはWeWorkの〇〇な要素を取り入れたい」といった感じで思考が働き、空間作りの具体的な想像がしやすくなるんですね。一緒に場作りをする仲間にも、格段にイメージを伝えやすくなります。

こういう部分までこだわり始めると、ワークショップの企画運営はもっと楽しくなります。もちろん、ワークショップの質がぐっと高まることは言わずもがなです。

ワークショップで使う会場には制約がたくさんありますが、その中で、何をどう工夫すると目的に沿った空間が出来上がるかを意識して、ぜひ日頃から空間観察を楽しんでみてください。

ちょっと話題が逸れてしまいますが、空間の質に敏感になっていくと、ファシリテーション中のアンテナが察知する情報もどんどん変わっていきます。

空間の観察って、ワークショップデザイナーにとっては一石二鳥なんですよね。今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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