WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。今話題のミーティングツールspatialchat(スペチャ)を使ってワークショップを開催してみました!
スぺチャの魅力は何と言っても自分の意志で空間内を自由に移動できること! そしてWeb上の空間に距離が反映され、近くの人の声はよく聞こえ、遠くの人の声は全く聞こえないこと!
参加者同士が自由に対話できるという点では、リアルなワークショップと大差ありませんでした。今後の活用に向けて期待大です!!
この記事では、スぺチャを活用したワークショップをどう設計し、運用したかをレポートします!
スぺチャの特性を生かしたワークショップデザイン
ワークショップの設計は、スペチャの特性が活きるように考えました。具体的には、参加者が自分の興味関心に沿って話せる場所を自由に選べるようデザインし、
それを実現するためにイメージしたのが、お花見の場所取りです。お花見は、広大な公園内のどこで桜を眺めるか明確にするために、自分たちの領土をブルーシートで示しますよね。
スぺチャの空間も広大なので、ブルーシートが無いと、どこで何を話したらいいのか分からなくなってしまう可能性が大だと思ったのです。
そこでスぺチャの空間に画像を貼り、それぞれの領域をハッキリさせることで、話し合いが行われるエリアが視覚的に理解できるよう工夫しました。
ワークショップの進行手順としては、まずスペチャの機能に慣れていただくこと、話したいエリアに自由に進んで良いことをご理解いただくために、自己紹介を通じたチュートリアルから始めました。
最初に、このような形でスペチャの空間に画像を貼ります。そして、参加者に自分の好きな動物のエリアへと移動していただき、偶然に出会った人々との自己紹介をお願いしました。
今回は、好きな四季と好きな動物をテーマに2回の練習をし、スぺチャ対話に慣れていただきました。
メインテーマは「変化」に焦点を当てて対話を。参加者にはまず始めに、素早く変化することが求められていると感じることを話し合っていただきました。
それから、今あえてゆっくり変化をすることが大切だと感じていることについて語っていただきました。
現在の世の中は、コロナウィルスの影響によって嫌でも早く変わらなければならないことに溢れています。
だからこそ、あえてゆっくり変えるということにも意識を向けておく事が非常に重要だと思うのです。
進行としては、上記のように3つのエリアを用意し、自分が話したい領域に移動していただきました。対話中の移動も自由に行って良いというルールにして、少しOST(オープンスペーステクノロジー)に近
とても自由度が高い設計だったので、参加者の満足度が高そうでした!
スぺチャのファシリテーションで意識したこと
スぺチャでワークショップを実施するにあたって「どのようにファシリテーションを行ったかが気になる」という方が多いのではないかと思いますので、簡単にレポートします。
まず、全体への説明が必要なシーンでは、全員にファシリテーターの近くへ集まっていただくようお願いをしました。
でないと、ファシリテーターの指示が聞こえないからです。全体への指示を行っている時は、参加者のアイコンが重なりまくりでしたが、この点は致し方ないかなと思います。
画面にはタイマーを共有して、グループ対話の終了時間を明記しました。
そして、グループ対話の終了時間になったら、スぺチャの空間上に共有している画像を消しました。
この2つの仕掛けを組み合わせることで、「ワークが終わりの時間なんだ、次の指示を聞かなきゃ」と参加者が視覚的に理解できる仕様にしました。
この組み合わせは非常に効果的で、参加者が自発的にワークの切り替わりを意識してくれました!
スペチャの良いところでもあり、扱いが難しいところは、参加者同士の距離が離れてしまうと、声が聞こえないことです。チャット機能もないので、一度分散してしまうと、全体に向けてのインフォメーションが難しくなります。
Googleスライドやホワイトボードツールを画面共有して、疑似チャットや、全体アナウンスをするための案内看板とすることもできるのですが、ちょっとだけ面倒です。
そのため、画面に共有されてる画像が消えたら、ファシリテーターの話を聞くために真ん中に戻って来ていただくというルールメイクは、円滑な進行に直結しました!
スペチャを使ってみてちょっと気になったこと
最後に、スぺチャを実際に使ってみての感想や気づきです。このパートではちょっと気になったことや、今後に向けた課題等を綴っておきます。
まず、パソコンがとても熱くなるという参加者がいました。スぺチャはパソコンへの負荷が高いのでしょうか?
結局その方はパソコンでの参加を諦め、スマフォから入り直してくれました。これはどう対応したらいいのか分からなかったし、今も分からないのだけど、本格的にスぺチャを運用するとなれば、念頭において対策を考えておく必要があるかもしれません。
続いて、スぺチャはよく固まるという問題です。今回は1~2名の方が固まってしまい、何度か入り直していただきました。
固まったら焦らずに再度入り直してね、と伝えることを徹底しない混乱が生じるなと感じましたし、それによって参加者がワークから抜ける時間ができてしまっても、進行に支障がないよう設計をしておくことが大事だと感じました。
また、個人ワークが多めの時間は通信が安定しているZoomを使って、全体シェアのパートだけスぺチャに移行するなど、それぞれの特徴をうまく組み合わせた活用をデザインしておくのが無難そうです。
スぺチャを安定した状態で使えるようになるのがベストではありますが、こればっかりは開発者の手に委ねられているので、現状のメリデメをしっかり受け入れたうえで全体をデザインするべし!
また、一部の参加者は、表示される動画が粗かったり、声が遅れて聞こえるという問題がありました。ヒアリングしてみたところ、Net回線が早い人は動画も声も鮮明で、遅い回線を使っている人ほど動作が不安定なようでした。
そのため丁寧に運営するなら、参加者の回線や使用できる通信量を事前に確認して、スぺチャの利用に耐えうるかを判断したほうが、安全だと思いました。
SpatialChat(スペチャ)には期待しかない!
上記のように、不安定な部分もあるスぺチャでしたが、全体的には本当に楽しく、対面のワークショップと大差がないくらい充実した対話を行うことができました!
このツールがあれば、オンラインワークショップの新しい形を切り拓いて行けそう! そんな手ごたえを感じています。早く次のスぺチャワークショップを開催したいなあ。
新しい玩具を手に入れた子どものような心境で、とてもワクワクしています。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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