WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。
対面でのワークショップを開催できない状況において、ワークショップデザイナーは何の役に立てるのか?
2~3週間ほど悩んだ結果、機能する対話のきっかけを提供することではないかという結論に至りました。(詳しくはコチラをご覧ください)
私はこの不安定な状況下に置いて、機能する対話は「サーフボードのような存在」だと思っています。
コロナウィルスが終息するまでには、我らが体験したことも無いような波が、今後も次々に押し寄せてくることでしょう。
それらの荒波に飲み込まれるのではなく、波を乗りこなしながら未来へと進む力を作っていくためには、機能する対話が欠かせません。
また、刻々と変化していく状況の中で、精神状態を良好に保ちながら日々を過ごすためにも、同じことが言えます。
そこでこのブログでは、機能する対話の増加を意図して、ワークショップ形式での対話手順をご紹介することに決めました。
複数人で意見交換をしていただくのもいいですし、個人の内省にも使っていただけるように設計しています。どうぞ必要に応じて、ご活用ください。
今日のテーマは、「ダーウィンの言葉から、たくましく生き残るために今できることを考える」です。
次のワークショップをどう設計しようかな? 偉人たちの名言を眺めていた時、進化論を唱えたダーウィンの言葉が目に留まり、思わず膝を打ちたくなりました。
それがこの言葉です。
最も強い物が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるわけでもない。唯一生き残るのは、変化に対応できる者である。 -チャールズ・ダーウィン-
今にぴったりな名言だと思いませんか? 今日はこの考えを主題にしてワークショップを展開したいと思います!
チェックイン
私のワークショップは、「今の気持ち」をシェアすることから始まります。
だからこの場でも、ぜひ心を落ちつけて、じっくりご自身の中を探ってみていただきたいと思います。
今あなたはどんな気持ちを感じていますか?
体の状態はいかがですか?
心の中にはどんなことが湧いていますか?
ひとりで読んでいる人は、自分の中にある気持ちを見つめてみて、できればノートに書き出してみてください。
複数人で読んでいる人は、声に出して会話をしていい状況ならば、ぜひそれぞれの今の気持ちを共有してください。
ポイントは、これは良い気持ち、こっちは悪い気持ちなどと評価をしたり、これは思ってもいいこと、こっちは思ってはいけないことなどと制限を設けないことです。今感じている気持ちは、どんな感情であれ、あなたの大切な感情です。
こんなこと言っていいのか? (思っていいのか?)と感じることも、消そうとせずにそのまま扱ってください。
聴き手の方は、相手のことを評価したり、意見を変えたりしようとせず、「あなたは今、そう感じているんですね」と、相手の気持ちを受け取ってください。
突然に変化した今の環境を自覚する
ではまず、コロナウィルスの影響によって、突然環境が変わってしまったことを明確にしておきましょう。
以下3つの切り口から、あなたの生活にどんな予期せぬ変化が生じているかを思いつく限り書き出してみてください。
- 仕事や学校
- 家庭や暮らし
- プライベート
時間は10~15分ほどでお願いします!
書き終わったら、お一人で読んでくださっている方は、次のパートへ進んでください。
複数人で読んでくださっている方は、どんな変化が起こっているのかを共有しあってください。その場合、共有される意見は絶対に否定しないことを前提にし、お互いの考えを尊重し合っていただけるようお願いします!
どんな未来を目指したいか明確にする
さて、次の問いかけです。
あなたは、①仕事や学校 ②家庭や暮らし ③プライベートの各項目に関して、どんな未来が現れることを望みますか?
きっといま皆さんの周囲には大小さまざまな変化が起こっていて、それらの変化がマイナスに感じられることも多いだろうと思います。
ただ残念ながら、この状況は短期では解消されなさそうです。
数週間程度の我慢であれば、また元通りになる日を待つだけでもいですが、長い時間がかかりそうだからこそ、私たちはダーウィンが遺した言葉のように「変化に対応」する必要があります。
しかしだからといって、今起こっているマイナスな変化に反射的に対処することだけに注力しすぎると、
未来において「あれ? こんな結果を得たかったわけではないんだけどな……。」と理想とのズレを感じてしまう危険性が十分にあると感じています。
せっかく守りを固めてじっと耐え続けたのに、いざコロナウィルスが終息した時、ぜんぜん自分が望んでいない未来になってしまったとしたら、やりきれませんよね。
だからここでは、変化が起こっている状況に対して、自分はどんな未来になることを求めているかを明確にしておきたいと思います。
目指すべき方向、軸さえ見えていれば、対応が場当たり的になりすぎずに、理想の未来へと向かうための対応を検討できる確率が高まると思うので!
ただし一点だけ注意があります。この項目に対して「コロナウィルスが蔓延する前の状態に戻す」という表現は使わないでいただきたいと思います。
これは、それを願うのが悪いからという意味ではなく、コロナウィルスが蔓延する前の状態という表現自体が、とても曖昧だからです。
もしコロナウィルスが蔓延する前の状態に戻したいという気持ちを反映したい場合は、その状態ってどんな状態だったのかを、なるべく具体的な言葉にして表現してみてください。
例えば、土日はゴルフに没頭して幸せな気持ちを感じているとか、部活の仲間と切磋琢磨しながら目標に向かって進んでいるとかです。
では、10~15分ほど時間を取って、どんな未来を望んでいるだろうか、思いつくままに書いてみてください。
書き終わったら、お一人で読んでくださっている方は、次のパートへ進んでください。
複数人で読んでくださっている方は、目指す未来をみんなで共有しあってください。
望む未来に向けてどう対応するかを決める!
これまで皆さんには、いまご自身を取り巻く環境がどのように変化したか、そして変化した環境が未来ではどうなっていると望ましいのかを考えていただきました。
その上で、このパートでは今起こっている環境変化にどう対応するか? を検討していただきます!
もちろん、外出の制限が課されているこの状況下に置いて、具体的に実施できる打ち手が限られてしまうことは承知の上で、今できることを探していただきたい、というのが本パートの主旨です。
先ほどの例で考えてみるなら、「土日はゴルフに没頭して幸せな気持ちを感じていたい」という理想の状態に対して、いま外を出歩くことはあまり現実的ではありませんが、外出が解禁された時に向けて道具を整備しておくとか、家の中でできる筋トレを継続するとか、これを機に根本的なスイング改善に取り組むとか、改めてルールブックを覚え直すとか、メンタルトレーニングを積むとか、今でもできること、今だからこそできることもあります。
「部活の仲間と切磋琢磨しながら目標に向かって進んでいる」という状態に対しても、定期的にオンラインミーティングを開催するとか、学校再開後の練習計画を作成しておくとか、素晴らしいリスタートを切るために備えておけることがきっとあるはずです。
ぜひそれを、1つでも2でも、見つけてみてください!
書き終わったら、お一人で読んでくださっている方は、どの項目に焦点を当てて今を過ごすと素晴らしい未来につながり得るか、ぜひ優先順位をつけてみてください。
複数人で読んでくださっている方は、それぞれ共有をお願いいたします。
チェックアウト
最後にチェックアウトとして、下記の2つを見つめてみてください。
・今日の気づき、発見はなんだったか
・今どんな気持ちを感じているか
1人の方は、ノートなどに書いてみることをおススメします。
複数人の方は、ぜひ率直な感想を共有しあってくださいね。
今日はこれで終了ですー!
苦境の真っ只中にいる方も多いと思いますが、この機が少しでも皆さんの進化につながれば幸いです。私もそう思って、この取組みを続けています。
最後に
・コロナウィルスに関連することを考えたり、ご自身のことを見つめるに当たって、不安に押しつぶされそうになったり、自分自身でいられなくなってしまうような恐怖を感じた場合などは、決して1人でなんとかしようとせず、ご家族や友人などの信頼している方、カウンセラーやコーチなどの専門家にSOSを発信してください。
・本記事の内容については、資料も含め、ご自由にお使いください。もしお役に立てましたら、SNSなどでシェアしていただけますと嬉しいです!
・対話を設計して欲しいテーマについてリクエストがあれば、コメント欄、メール、TwitterのDM等でお知らせいただきましたら前向きに検討させていただきます!
コロナウィルスの支援に関する情報
■首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/coronavirus_shien.html
■厚生労働省(相談・受信の目安、心の相談窓口等)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00094.html
■マネーフォワード(補助金・助成金等)
https://covid19.moneyforward.com/
今日も一日お疲れ様でした。また明日!
相内 洋輔
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