投影資料の「誤字脱字」を発見する5つの方法

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。唐突ですが、私はワークショップの投影資料を作成するのが大好きです。参加者はどんな資料デザインだと喜んでくれるだろうか? と考え、実際に形にしていくのが楽しいのです。

そんな私だからでしょうか。ワークショップの運営中、自分が作った投影資料に誤字脱字を見つけると、すごくガッカリするんですよね。

なぜなら誤字脱字は、参加者の没入感を阻害したり、ワークショップへのエンゲージメントを低下させたりと、良い効果が全くないから…! 

目次

私の失敗談

私は投影資料が完成したら、時間を置いてから内容を2~3回確認するようにしています。スライドの流れや、各ページの誤字脱字、レイアウトずれがないかなどを、目を皿にしてチェックするのです。

ただ、こうした確認を徹底していても、誤字脱字が残ってしまう可能性は0にはできません。大変お恥ずかしい話なのですが、私は以前、「革新」と記載すべきところを、「確信」と誤変換したままワークショップ本番を迎えてしまったことがあります…。自分では気づいておらず、ご同席されていた依頼主からその場でご指摘をいただきました。

しかもそれが、同社の経営方針をあらためて従業員の皆さんへお伝えする、という重要なパートだったのです。一瞬、ワークショップ参加者の没入感がぷつんと切れたのは言うまでもありません。本当に痛恨の失敗でした。

誤字脱字は、参加者の集中力を削いだり、運営者への信頼感を下げたりと、ワークショップの深まりを阻害します。また、次の依頼をいただけなくなる可能性も十分にあり得ます。百害あって一利なしです。

誤字脱字の見つけ方

このように、ワークショップ運営においてはデメリットしかない誤字脱字ですが、いくつかの方法を組み合わせることで、発生頻度を最小限に抑えることができます。以下にその方法をご紹介します。

時間を置いてからチェックする

作成物をチェックする最も有効なタイミングは、「時間を置いてから」です。なぜなら、何かを作成した直後は、思い込みや疲労で誤字脱字を見逃してしまうことが多々あるからです。また、やっと完成したアウトプットにすぐさま批判的な目を向けるのは難しいのですよね。産みの苦しみが先行して、ついつい甘やかしたくなるものです。

このため時間を置いて、クリアーな状態で再チェックするのが鉄則です。頭を冷やし、制作物への愛着を手放した状態で内容を見つめ直すことができれば、完了時には気づけなかったミスを発見しやすくなります。

意識して「時間を置いてから確認する」ことを癖づけることをオススメします。

ゆっくりと声に出して読む

文章を声に出して読むことも有効です。ここで大事なのは、まっさらな気持ちで読むことです。上記とも関連するのですが、完成直後は「私はしっかりやった」「間違いはない」という心理的なバイアスが強くかかり、目の前の文章を勝手に補完してしまうケースがよくあります。

このため、時間を空けてから音読してみましょう。目の前に書かれた文章だけを拾って音読ができれば、間違いを発見できる可能性がぐぐっと高まります。

また、音読はファシリテーションの予行演習にもなります。声に出して言いづらい点や、文章のリズムが悪い点などを修正できると一石二鳥です!

校正ツールの活用

Power Pointなどの各ツールには、誤字脱字をチェックする校正機能が備わっています。単純なケアレスミスであれば、かなりの確率で検知してくれるため、ぜひ活用を習慣づけましょう。

校正ツールの使用は、上記の2つとは違って、時間を置かずに、資料が完成したと判断した際にすぐさま行うのが良いです。なぜなら、細かい指摘が連続するため、記憶が新しいうちの方が、効率よく全体の整合性を取ることができるからです。

時間を空けてしまうと、資料のつながりや細かな言い回しが記憶から抜けてしまうため、作業効率が低下します。

印刷して確認

絶対に外せないスライドは印刷してチェックするのが効果的です。紙に反射した光(反射光)は人間の脳を分析モードにさせるそうで、PC画面で見ているよりもミスに気づきやすくなります。

より丁寧に確認をしたい方は、文節ごとに区切ってチェックしてみてください。この方法は私がリクルートで広告を作っていた際、編集の方に教えていただいたのですが、効果抜群です。

文節とは、文の途中に「ね」や「よ」を入れても意味がおかしくならない、短いまとまりのことです。

「私はパワーポイントに誤字脱字がないか確認します」という文章であれば、

「私はね / パワーポイントにね / 誤字脱字がね / ないかね / 確認しますね」とすることで文節が分かります。

この文節に区切る作業を頭の中で行いながら、文節ごとに / を書き入れ、最小単位ごとに確認を進めるとベストです。

他人の目で見てもらう

上記を実施したうえで、上司や同僚、友人など、最後に他人の視点からチェックしていただくとより効果的です。なぜなら、自分では気づけなかった誤字脱字、言葉の誤用なども、他者から見れば一目瞭然であることが珍しくないからです。

特に言葉の誤用については、自分自身では気づくことができません。熟語や慣用句は、間違って意味を覚えてしまっていることも多々あります。積極的に、他者の目を頼りましょう! 

余談ですが、自信がない語句や、きちんと意味を説明することができない語句は、使う前に辞書を引くことを習慣づけることをオススメします。

上記の方法を組み合わせて使うと、より効率的に誤字脱字を発見でき、投影資料のクオリティがぐっと高まるはずです!

不確実性が高いワークショップだからこそ、確実性を高める

ワークショップは、何が起こるかをコントロールすることができない、とても不確実性が高い時間です。だからこそ、せめて自分たちがコントロールできる部分だけは、しっかりと確実性を高めておくことがとても重要です。強固な土台を作ることができれば、もしワークショップの途中でぐらぐら揺れることがあっても大丈夫。

この点において、投影資料は場の演出装置であり、参加者の道標となります。ぜひ参加者が引っかからない投影資料を作り、ワークショップの成果を最大化できるように心がけてみてください。ここを疎かにすると、ただでさえ不確実なワークショップが悪い混沌に覆われ、不安や不満が場に蔓延しやすくなってしまいます。

ちなみに私は、自分なりに満足の投影資料ができたワークショップほど、安心して当日を迎えることができます。素敵な投影資料は「きっと成功間違いなしだ!」という自信を連れてきてくれます。もし本番が不安で悶々とされている方がいれば、うまくいくか悩むより、投影資料をブラッシュアップしてみると安心感が増すかもしれませんよ!

もしご興味があれば、「ワークショップ参加者の気持ちをワクワクさせる「投影資料」の作り方」という記事も書いていましたので、ご参考ください。

今日はここまで。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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