令和5年度「もっと職場が楽しくなる! コミュニケーション力アップ セミナー」に登壇

WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。山形県村山総合支庁様からのご依頼で、昨年に引き続き若者の地域定着と人材育成を意図したコミュニケーション力アップセミナーに登壇させていただきました。

同事業では「新卒者の3年以内の離職」の改善を意図して、階層ごとに様々なセミナーを開催されています。今回のセミナーは新卒〜若手社員の方々にワークショップをご提供させていただき、「合意形成」と「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込みや偏見)」についてお話をさせていただきました。

目次

自分の解釈と他者の解釈はイコールではないことを体感するワーク

開幕は私が好んで使っている「流れ星」というワークを体験いただきました。このワークは、単純な指示でも、人それぞれ想起するものは違うということをクイックに感じていただくことができる優れものなのです。

コミュニケーションが不通になる一つの要因は「言ってるのになんでわからないの!?」という苛立ちです。人は「説明しているんだから分かるでしょう」と思いがちですが、自分の当たり前が他人の当たり前であるはずがないんですね。

流れ星では、指示をどう解釈したかの差を比べてみることで、上記のような考えは驕りであるということがよく分かります。自分が伝えたいことは何度でも言葉を尽くして説明する必要があるし、相手の話もひとつひとつ確認を重ねてイメージをすり合わせなければならないのです。

このことを胸に留めておくだけで、コミュニケーションの姿勢が変わると思うのですね。

対立状態からやわらかい合意形成を目指すトレーニング

続いてコンセンサスゲームを体感いただきました。職場では大なり小なりの意見対立が日常茶飯事で起こっていると思います。そうした際に、相手を攻撃するようなコミュニケーションに走ってしまったり、自分がじっと我慢してやり過ごしているだけでは不健全ですよね。

上司や同僚とは長い時間を一緒に過ごす関係ですから、できるだけ自他尊重のコミュニケーションを増やすことが重要です。そのほうがお互いのストレスが低減し、良好な人間関係を築ける可能性が高まります。

ちなみに若い頃の私は、なかなかこうしたコミュニケーションを取ることができず苦労しました。同じチームのパートナーが半年間まったく口を聞いてくれなくなったこともあり…、思い出すと恥ずかしいのですが、ダメなコミュニケーションをしていた頃の失敗談なども包み隠さずお話しさせていただきました。

参加者の皆さんはとても気遣いがお上手で、各人の意見をじっくり聞きながら合意形成を進めていく様子が各チームから見られ、ぜひこういうコミュニケーションを職場でもたくさん広めていただきたいと感じました。

無意識の思い込みが相互理解を阻害する

こうした活動を行なっていただいた後、アンコンシャス・バイアス (無意識の思い込みや偏見)の存在についてお話しをさせていただきました。

ローカルの職場は年代構成が縦長になりがちで、自分とは全く異なる体験を持った人々と同席する可能性が高いです。そうすると当然、考え方や価値観にものすごく差が生じるわけですが、「あの人は古いからね…」「あいつら若者はなっとらん!」みたいなワンワードで思考停止してしまい、相互理解が断絶されていることがたくさんあるように見えるのですよね。

こうした相互不理解な瞬間に対峙したとき、ぜひアンコンシャス・バイアスの存在を思い出していただきたいなあと考えました。そして、この人の意見はどんなバイアスがかかっているのだろう? と探ってみる。そうすると不一致感から生じるイライラを表現したり、徒労感から心のシャッターを閉ざしたり、と言った反応に支配されてコミュニケーション不全になる回数が減ると思うのです。

そしてもし、相手の意見や価値観の背景を確かめ、なるほどそういうことなら共感できるなと思えたら、その後の対人コミュニケーションはガラリとシフトします。良いコミュニケーションから良い人間関係を築くことができた時の喜びは、とてもとても感動的です。

私は常々、相互理解を生み出すやわらかいコミュニケーションが増え、働くって楽しいなあと思える若手が増えたらいいなと思っています。引き続き、少しでもそのお役に立てたら嬉しいです。2年続けてご依頼をいただきありがとうございました。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

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