自己開示には「勇気」がいる
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東北芸術工科大学にて3回目の講義を開催しました!

今回のテーマは「相互理解を通じたチームビルディング」でした。

ワークショップデザイナーをしていると、頻繁に「相互理解を促進してください」という依頼をいただきます。いつも一緒にいるのに、ずっと同じ地域で暮らしているのに、なかなか互いに分かり合えない。こうした悩みを抱えているクライアントはとても多いのです。コミュニティデザイン学科の皆さんも、地域で対話の場を開いていく以上、どこかのタイミングで必ず同じオーダーと向き合うことになるでしょう。

 

この相互理解を促進して欲しいというオーダーは、多くの場合、「参加者に自己開示させてください。彼らが日々感じていることを、包み隠さず吐露させてください」という意図が含まれています。ワークショップなどの非日常空間であれば普段言えないことも言えるだろう、と考お考えになる方は少なくありません。普段とは違う場だからこそ、思わず本音が溢れるということは往々にしてありますので、間違いとは言い切れません。

 

でも、ちょっと落ち着いて考えてみて欲しいのです。あなたは誰かに「自己開示してください!」と言われてイキナリ自分のストーリーや価値観を滔々と語れますか?

 

チーム・ビルディング 人と人を「つなぐ」技法』には、

コミュニケーションを通じて自分の枠組みを開くことを自己開示と呼びます。自己開示は、関係づくりの出発点になります。ところが、自分を開くというのは、それなりの勇気がいり、リスクも伴います。自分を開いても、相手が受け入れてくれなかったり、反発されたりすると自分が傷つくからです。安心して自己開示できる場がないと、関係づくりがうまくいきません。逆に言えば、意図的にそういう場をつくってやれば、関係づくりが促進できます。

という一文があります。

 

自己開示にまつわる葛藤と、それを解決するための手段が明確で、私はこの一文にとても共感しています。自己開示は時に、震えちゃうほど怖い時間だってことを、場作りの専門家は絶対に知っておかなければならないと思うのです。機能する対話の場や、長く続く良好な関係を築くためには、腹の中に手を突っ込んで無理やり自己開示させるような進行、ファシリテーションはむしろ逆効果なんですから。

 

だから今日の講義では、どうやったら参加者が自己開示できるのかというテクニックを覚えるためではなく、赤裸々に自分を語ろうとする際に自然と湧き上がってくる恐怖心や、自己開示が円滑に行える場に存在する要素、自分を受け取ってもらった時の感動を、自分自身を通じて体感いただくためのワークをデザインしました。

 

そのために選んだワークはWhere I'm from Poem。五感が覚えているたくさんの記憶を「私は______から来ました」というシンプルな構文で表現する、私がとても大切に扱ってきたワークです。これほど自己開示と相互理解に長けたワークを、私は他に知りません。

 

ポエムを作り、チームでの共有が終わった直後、学生の一人が「自分の過去を話すのはすごく勇気が必要で、受け入れてもらえるか不安で震えた。でも皆が聴く姿勢を示してくれて、しっかり聴いてくれて嬉しかった」と感想を共有してくれました。落ち着いたトーンで、ひとつひとつ言葉を選びながら語ってくれた学生の姿と、深く共感している他の学生達の姿を見て、密かに心の中でガッツポーズでした!

この気持ちの移り変わりを味わった人は、必ずや、参加者に優しい場作りを行うための視点、センスが養われると確信しています。

 

私は、機能する場作りの担い手を増やすことに全力で貢献したいと思っています。そのために引き続き、私が経験してきたことから得た学びを、余すことなく学生の皆さんにお伝えしたいと思いました。

 

人生を自分らしく!
相内 洋輔

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