美唄市にて「安心安全なコミュニケーションでアイデアを広げるセミナー」登壇

ワークショップデザイナーの相内洋輔です。先日は厚生労働省の委託事業で北海道美唄市にお招きいただき、「安心安全なコミュニケーションでアイデアを広げるセミナー」を開催させていただきました。

美唄市で働かれている方のスキルアップの機会に、というご依頼でしたので、これからの時代に絶対欠かせない「アイデア共創」をメインテーマにお話しさせていただきました。人口減少社会の日本において、地方の機能を維持し、住民の幸福感を高めていくためには、既存の枠に囚われない、新たなアイデアがいくつも必要になります。

アイデアはただ座っていても生まれません。でも、作り方さえ知っていれば、誰でも、いくつでもアイデアを生み出し続けることができます。そして、皆で作るアイデアは、とても面白いのです。この点をお伝えできればと思っての登壇でした。

目次

共創は「心理的安全性」から

セミナーでは、まず始めにコミュニケーションの性質についてお伝えしました。私は、良い共創が生まれるためには、安心安全なコミュニケーションが必須条件だと思っています。そのため、心理的安全性の概念をご紹介しながら、コミュニケーションはキャッチボールであるということや、コミュニケーションの返報生を改めて強調させていただきました。

そのうえでコミュニケーションには言語でのコミュニケーションと、非言語でのコミュニケーションが存在することをお話しさせていただきました。特に後者に関しては、帰属シグナルという、人と人との安全なつながりを促進する態度や振る舞いをご紹介させていただき、うなずきや相槌、笑顔や拍手などのポジティブなサインがいかに大切かをお伝えしました。

心理的安全性の醸成は、昨今の組織開発において一大ブームとなっていると思いますが、ローカルではまだまだ認知度が高くありません。それどころか、未だに家父長制が強く残っていたり、年功序列で不適切な言動が横行していたりと、およそ心理的安全性とはかけ離れたコミュニケーションに終始している地域や組織が、残念ながら一定存在します。一昔前なら許されていたことかもしれませんが、こうした地域や組織に明るい未来が訪れることは、考え辛い時代です。

アイデア出しは連想ゲーム

これらを踏まえたうえで、アイデア共創の要点についてお話しさせていただきました。冒頭に書かせていただいたように、今後の社会では、これまで以上にアイデアの創造力が問われます。

アイデア出しは連想ゲームなので、連想のトリガーとなるアイデアがあればあるほど、思考を膨らませやすくなります。このため、まずは実現不可能なアイデアや、くだらないアイデアも列挙しておくことが重要なのですが、こうしたことを知らない方ほど、最初から素晴らしいアイデアを作ろうとしすぎて、何も浮かばないという事態に陥りがちです。

おもちゃクリエイターの高橋晋平さんは『アイデアが枯れない頭のつくり方』のなかで、「いいアイデアを思いつかなくてもいい。ダメなアイデアを出し続けられればそれでいい」と主張されているのですが、まさにこの姿勢に欠けるのです。

かく言う私も、大学生の頃はこのスタンスを知らずに、朝日が登るまで真っ白なノートに向き合った夜がいくつもありました。いいアイデアを作ろうとしすぎるあまり何も書き出すことができず、ただウンウンと頭を捻っていただけの時間が、どれほど無駄だったか…。

結果的にはこれが原体験となり、偶然にも今の仕事へと繋がっているわけですが、私はこうした思いを、他の方にはして欲しくないなと思うのですよね。だって、アイデアは向き合う姿勢を整え、作り方を身につければ、誰でもできるものなんですから。苦労してやる必要はありません。

共創のキーワードは「異質性」

さて、話を戻しますが、共創において大事なキーワードとなるのが「異質性」です。端的に言うと、似たような経験・知識を持った人たちだけが集まっても、ユニークなアイデアは生まれません。

最近はよく、Z世代と分かりあえないとか、昭和の価値観が理解できないとか、世代間対立のトピックスがニュースの見出しになっていますが、アイデア共創においては、むしろお互いの間に違いがある方が面白い新結合が生まれます。

この点については、過去に「妄想の飛距離を伸ばす 多様性」という記事で取り上げさせていただきました。

あわせて読みたい
妄想の飛距離を伸ばす「多様性」 妄想は多様性を持った参加者がお互いを認め合うことで遠くまで飛ぶ ・ ・ ・ ワークショップデザイナーの相内洋輔です。私は一般社団法人妄想からアイデアを共創する協...

こうした違いを尊重し合うためには、「心理的安全性」なんですよね。だから私はアイデア共創と、コミュニケーションは、切り離して考えることはできないと思っているのです。

余談ですが、2月の美唄はとても北海道らしい寒さで、貴重な体験をさせていただきました。ご依頼をいただきありがとうございました。

対話をもっとおもしろく。

相内 洋輔

◆ワークショップや研修のご相談は下記から◆

どうぞお気軽にお問い合わせください。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
チェックボックス
例) 新商品開発を目指したアイデア共創ワークショップを実施したい

スポンサーリンク




記事が気に入ったらシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次