WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。きのうは仙台育英高校が見事な勝利をつかみ、胸が熱くなりました!
私も高校生の頃は 甲子園に行きたい! プロになりたい! と思って硬式野球に打ち込んでいましたが、仙台育英高校に15-2くらいのスコアで大敗して、「これは野球に青春を捧げている場合じゃない…」と思ったんですよね。県大会での準決勝だったように記憶しているのですが、レベルの違いがとんでもなかったです。
それで野球はすっぱり辞めて、力を注ぐ対象を先日ブログに書いたラボキャンプの運営にスイッチしたのです。未来を意図していたわけでは全くありませんが、結果的にこの決断が今につながり、ワークショップやファシリテーションのプロとして活動するに至りました。人生って面白いですね。
前置きが長くなりましたが、今日はファシリテーションのリハーサルがワークショップのクオリティーを高めることについて書きます。
「難敵・強敵」との事前対談が当日のクオリティーを高める
私はファシリテーションは「準備力」+「即興力」だと思っています。詳しくはファシリテーションは準備が8割という記事に書きましたが、準備無きファシリテーションに光は差さないのです。
特に自分の頭の中で綿密にリハーサルをしておくことは重要で、脳内イメトレの精度が会の成否に直結します。なかでも、自分にとっての「難敵・強敵」をイメトレにお招きすることが効果的なので、ぜひおススメしたいです。なぜなら、ワークショップがスムーズに進む想像だけをしていては少し弱くて、突然のトラブルなどに対応できないからです。
具体的には、自分にとっての「難敵・強敵」がワークショップに後ろ向きな様子をイメージしてみてください。
…例えば、難敵や強敵が次々と前提をひっくり返してくるとか、ネチネチ文句を言いながらワークに進んでくれないとか、周囲の意見を否定しまくるとか、ずっとパソコンをいじっているとか、自分にとってアゲインストな状況を詳細に考え尽くしてみるんですね。
そして、その事象にファシリテーターとして対峙している自分を思い浮かべます。どうやったら場が壊れず、参加者全員が気持ちよくワークショップに参加できるかを、事前にイメージ上の難敵・強敵と語らい、勝ち筋を見つけておくのです。私はこれを「事前対談」と呼んでいます。
この準備にはいくつもの利点があります。まずはワークショップデザインやファシリテーションの穴、矛盾などの発見に繋がり、会のクオリティーが高まります。
また、様々な「場が崩壊しそうな瞬間」への想定問答集がストックされるので、当日の機転がかなり効くようになります。
そして何より、当日の自信につながります。想像上の難敵・強敵よりも手強い方って、そうそう現れませんので!!
「難敵・強敵」とのイメトレはリアリティーが重要
ちなみに私が脳内リハーサルによく登場させる強敵は、「昔の私」とお世話になってきた「たくさんの元上司や先輩方」です。特に昔の私には絶対に参加して欲しくないと思っています、嫌です…(苦笑)
昔の私は面倒くさいの筆頭です。「これ何の意味があるんですか?」「面白くないんで帰っていいですか?」とか、場を乱す発言を平気で言っちゃうヤツだったのです…。空気を読まずに、それがカッコイイと勘違いしている節がありました…。(恥ずかしい…)
まさにワークショップクラッシャーと呼ぶにふさわしいキャラクターですので、リハーサルにおいては非常に重宝していて、昔の私が楽しそうにワークショップに参加できるかどうかは、かなり大きな基準になっています。
お世話になってきた上司や先輩たちは仕事に厳しく、論理的で、感性が豊かで、本質をつかむ力に長けた方ばかりでした。それだけに評価がシビアなので、小手先のテクニックでは太刀打ちできません。こちらがしっかり考え抜いているかが明確に問われます。
しかも尊敬しているだけに、とてもとてもとても緊張します…。こうした方々の前で自信を持って振る舞えるクオリティーになっているかどうかも、私のワークショップデザインの一つの基準になっています。本当に有り難いことです。
このように、難敵・強敵は想像上の人物を作りあげるのではなくて、実在する知り合いの中から選ぶほうが機能すると私は思っています。でないと人の心の機微や反応を細かく想像しきれないからです。いわゆるペルソナとは分けて考えたほうが良いです。
話が少しだけ逸れてしまうのですが、私は難敵・強敵以外にも、自分の知人友人をよく脳内リハーサルにお招きしています。この人だったらどんな反応をするかな、この方だったらここで何て言うかな、あの人はこの瞬間どんな表情になるかなと考えを膨らませてみると、よりワークショップの輪郭がハッキリしてくるのです。
ということで、今日はファシリテーションのリハーサルについて書いてみました。今日はここまで。
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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