WORKSHOP LANDの相内洋輔(あいない ようすけ)です。先日ワークショップデザインが行き詰まった時の切り替え方 〜メインパートに集中〜という記事を書き、ワークショップ作りは ①ゴールを決めて ②メインパートから考えることの重要性をご紹介させていただきました。
私はワークショップ作りは、原則この手順で進めるのが良いと思っています。記事内でも書きましたが、ワークショップに芯が通って、テーマとワークの一致感が高まる思考手順だからです。一致感は、ワークショップのクオリティに直結します。
しかし、時にはどう頭を悩ませても、この手順でワークショップのコンテンツ案が浮かんでこないこともあります…。私は年間40~50件のワークショップを新規でデザインしていますが、そのうちの数件は産みの苦しみを強く感じさせられます。
そうした時は、違う方法で連想が生まれるように切り替えています。今日はその2つの方法をご紹介させていただきます。
ワークショップの基本ワークから連想
まず始めに行うのは、定番ワークからの連想です。私は下記の7つをワークショップの定番ワークと捉えていて、どうにもワークショップ案が浮かばない場合は、これらのうちの何かを使うことはできないか? と頭を振って考えてみるようにしています。
定番ワーク
- ストーリーテリング
- ワールドカフェ
- オープンスペーステクノロジー(OST)
- フィッシュボウル
- ブレインストーミング
- ドット投票
- サークル
そうすると詰まっていた思考が流れ出して、そういえばオープンスペーステクノロジーがハマりそうかも!? ストーリーテリングからワールドカフェの流れがシンプルかも? などの着想を得られることがあるのです。何かのヒントが得られたら、思考は自然と進み始めます。
定番の型から連想する
次いで、ワークショップの定番の型から思考を膨らませるやり方です。具体的には『ワークショップ・デザイン 知をつむぐ対話の場作り』に紹介されているワークショップの11の基本形を読み、何かしらの着想を得られないか探るのです。
下記の画像にて一部引用させていただきますが、『ワークショップ・デザイン』にはこのようにワークショップの進行パターンが分類されているんですね。これらを眺めることで、自分が今回デザインしたいワークショップは、どの類型に近いのかを改めて明確にすることができます。
そうすると、バラバラだったピースがカチッとハマり、ワークショップの流れが見えてくることがあるのです。
ちなみにワークショップ・デザインの著者は、
構成的なワークショップには、プログラムづくりの基本となるパターン(サイクル)がいくつかあります。大まかにどの型を使うのかを決めるところから、プログラムづくりは始まります。
と書かれています。この考え方には私も大賛成です。ワークショップデザインに慣れないうちは、どの型を使うか→どの手法を選ぶか、から考えていくのが近道です。
私も独立当初は、この手順でたくさんワークショップをデザインしました。ぜひお手元に一冊用意して、毎回ワークショップ作りの参考にしていただきたいです!
思考が動き続けることがワークショップデザインの肝
このようなカンジで、私は原則としている思考手順が機能しない際は、他の頭の使い方をして思考が進むようにしています。
おもちゃクリエイターの高橋晋平さんは『アイデアが枯れない頭のつくり方』という著書の中で、アイデアとの向き合い方についてこのように表現されています。
ここで、まず心に刻んでいただきたいことがあります。 あなたはこの先、絶対にこのことを忘れない ようにしてください。 いいアイデアを思いつかなくてもいい。 ダメなアイデアを出し続けられればそれでいい。
このエッセンス、まさに我が意を得たりです。
ワークショップのアイデアも、最初から優れたものを生み出せなくてもいいのです。思考が進み続けさえすれば、いつかどこかのタイミングでグッとくるアイデアが見つかります。ダメなのは思考が止まってしまい、何の連想もできなくなること。
それを避けるために私は、上記のような方法で対応しているんです。
それでもダメな時はインプットを増やすか、場所を変える
ただ残念ながら、こんな風に手を変え品を変えたのにもかかわらず、なにも思いつかないコトも…、あります!(笑) この状態になってしまったら、既存の情報をこねくりまわしても新しい可能性は開きません。
すなわち、インプットが不足しているのです。私はここまで至ってしまったら、ワークショップデザインは潔く中止して、大量の情報を浴びるようにしています。
読書、Voicy、YouTube、映画、ニュース、ネット記事などから情報を山ほど摂取するのです。テーマに関連する情報、そうでない情報を問わず、とにかく荒食いです。ポイントは、接している情報の中から絶対ヒントが見つかると心から信じること。
また、場所を変えるのも有効です。私は頭から湯気が出るほど考えてもダメだった時は、よく釣りに出かけます。そうするとビックリするくらいあっさり解決策が浮かんだりするんですよね。帰ってくるまでに浮かべばいいや、なんて車を走らせて、15分後には「あっ!」っと閃いていること、よくあります。
私の場合は、釣りに集中したいので、なんとか釣り場に着くまでにスッキリしたい!! と集中力が高まるのかもしれません(笑)
あなたにはどんな場所がピッタリですか?
対話をもっとおもしろく。
相内 洋輔
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